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コロッケサンド
冬至の朝、暗い中、台所にだけ明かりをつけて朝ごはんをとる。
昨夜の残りのかぼちゃコロッケと昨日買っておいた、乃が美の食パン。残りもののポテトサラダも少し入れて炭水化物祭り。
トースターで温めてとんかつソースとマヨネーズも塗ってコロッケサンド。
美味しい時間のはじまりはじまり~。
でも、そこで私は朝の時間を無駄にしないようにと、新聞を広げて読みながら食べるという過ちを犯してしまう。
欲張って、味覚の幸せと情報を取り入れることを同時にやってしまう!
そしたらどうよ、五木寛之をして、大好物は前日のコロッケにたっぷりのソースをかけてパンに挟んだコロッケパン! と言わしめたあのコロッケパンの至福の味わいの半分を、時事ニュースを頭に入れるという処理に明け渡してしまった!
なんという失態。
香り立つ乃が美の食パンの甘みや、少し焼いたことで再びカリッとしたコロッケの衣とソースのハーモニーがなせる味と食感。
それらを全て中半端なものにしてしまった!
いや待てよ、今朝だけのこと?
いやいや、毎日忙しい忙しいと言いながら同じような過ちを日々犯していないか? 私?
幸せを感じたいと思いながら、たくさんの小さな幸せを台無しにしたり、見逃してるんじゃないの?………。と、ふと我に返った朝。
玄関を出たら東の空が、藤城清治の影絵のような色で私を包み込んでくれました。
何も考えず、その色と空気を味わいました。