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大人になった今も言葉にできないあの頃の感情
小学四年生の頃、お母さんの車に乗って家から少し離れたところにあるスーパーに買い物に行っていた。
お母さんの車で流れている曲は、ミスチルかドリカムのほぼ二択。今のお母さんの車のナンバーは「ミスチルのボーカル桜井さん」の誕生日にしているぐらいだから、愛はかなり重い。
この日、帰りの車で自分に激しい衝撃が走ることなどこれっぽっちも予想していなかった。人生で起きたとこの9割のことは忘れるというのが自分の特性であるくせに、この日のことは大人になった今でも、胸に深く刻み込まれている。それは交通事故などの物理的な衝撃ではなく心理的な衝撃だった。
『Flavor Of Life / 宇多田ヒカル 』
それから
『prisoner of love/宇多田ヒカル』
この曲たちを初めて車で聴いたとき、今まで辿り着いたことがないところに感情がグッッと持っていかれた。呪われたように。あの時の感情は今になっても、うまく言葉にできない。
無理矢理近い言葉をピックアップしてみる。ダーク、大人びてる、不思議。いや、どれもピンとこない。なんだか聴いてはいけないものを聞いてしまったかのように思わせられたあの曲。
前にも後にもあそこまで自分に衝撃を与えてくれた曲には巡り合っていない。いや、一生出会うことはないと思っている。あの時の感情は一体なんなんだったんだろう。
わかる日が来るのだろうか。
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p.s.武田鉄平さん大好きです。