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部分的備忘録「スカパラ甲子園」現地ライブレポ in甲子園球場(24.11.16)


民生さんのゲスト出演が決まり、激戦覚悟でチケットを申し込んだら案外すんなり取れて「あれ?意外と簡単に取れたじゃんラッキー!」と思っていたら後々ミスチル桜井さんやらSUPER EIGHTの皆様方やら菅田将暉さんやら、とんでもないゲストが追加発表されて瞬く間にチケットはプラチナ化。
「早めにチケ取っておいてよかった…」とほっとするなど。

豪華ゲストを招いた長尺ライブだったが故にとても全てのレポはできないため、個人的にどーーーしてもこの部分の備忘録だけは残しておきたい!!!となったところのみ抜粋して書こうと思う。






「美しく燃える森」奥田民生

当初の目的はこちらだったため、もちろんレポ書きます!!
まさかのゲスト1発目が民生さん。「さすらい」のイントロがスカバージョンで流れ、歌いながらの登場。最初のゲストが奥田民生!?と会場も大盛り上がり。

谷中「僕たちの歴史を変えてくれた1曲です!」

(´ё ` )「いやそうなのぉ?(照) はい笑、美しく燃える森ですー」

 
初めて生で聴く民生さんの美森。
民生さんが歌い出した瞬間、曲どうこう以前に「歌うっっっっま!!声デカ!!」と改めて感心してしまった。

民生さん登場前に、スカパラメンバーがボーカルを取る曲も演奏しており「スカパラの皆さんって楽器だけじゃなく歌も上手いな…!」と思っていたところだったのだが、民生さんの一声目を聴いた途端に「ボーカリストってすごい!!!」と思わされた。

まず声量が桁違い。
太くて厚みがあって、軽く歌っているのにもかかわらずスカの爆音に全く負けない音圧。なんというか、そもそも積んでるエンジンが違う気がした。ふっと薄くもらしたその息が爆風。
さすが長年第一線に立ち、大爆音の中で声を張り上げ歌い続けているレジェンドロックボーカリストだ。

そして凄まじい音程正確率。
以前レポに「民生さんは細かな部分のピッチの精度が異常だ」というようなことを書いたが、今回まさにそれを強く感じた。

たとえば美森の出だし、
「戸惑い纏って飛んだ 鮮やかな蝶を」
の部分、「蝶を」で音程がくっと上がることで曲に鮮やかさと妖しげな雰囲気をもたらしているが、民生さんのすごいところはその前、「鮮やかな」の「な」。ここのピッチの正確率が異常。

「蝶を」はわかりやすく音程が上がるので、歌うときに意識してピッチを合わせにいきやすいが、その前の「な」の、低く微妙な音程を、軽く息を吐くその一瞬でジャストピッチに持っていく凄さ。

こういった細かな部分は蔑ろにされがちで、よくよく聴くとちょっとピッチがズレていたりするのが普通なのだが、民生さんはそういうことがまずない。細かな部分こそいつもジャストピッチ。これはもう才能としか言いようがない。もともと本当に音感が優れている人なのだろう。

まだ少し鼻声気味ではあったものの、伸びやかで曇りのないクリアな歌声で朗々と歌い上げていく。高音もバッチリだ。
アウトロで、今日はいつもよりさらに2つ上の高音フェイク。あまり民生さんから聴いたことがない、まるでトランペットの響きのように細かなビブラートのかかった鮮やかな高音でスカパラ最大のヒット曲「美しく燃える森」を歌い終えた。


「シンデレラボーイ」Saucy Dog石原慎也

この曲もSaucy Dogも石原さんも存じ上げてはいたものの、たまにテレビをつけたら流れている程度であまりきちんと聴いたことがなかったのだが、今回のスカパラ甲子園がとても素敵なステージだったので書き残したい。

原曲の切なげでエモーショナルな雰囲気はそのままに、どこか優しい、毛布のような暖かみが加わった素敵なスカアレンジに、石原さんの繊細で透明感溢れる歌声がよく映える。
音響も素晴らしく、ボーカルとオケの音量バランスも言うことなし。野外だというのにこの音響の良さなのだから、相当入念なサウンドチェックやら綿密なリハやらが行われたのだろう。

涼しげな甘さを含んだ石原さんの美しいハイトーンと柔らかく明るいスカの音、そして少し肌寒い夜の風がひとつになって、まるで芸術作品のように幻想的な1曲だった。

ひとつひとつの音が会場に反響する度、氷の花がふわりと咲くような、砂糖菓子が口の中で溶けるような、そんな不思議な感覚がした。素晴らしい。その一言。


「君と僕」東京スカパラダイスオーケストラ

ステージ照明は消え、アコーディオンを抱えて真ん中のスタンドマイク前に立つ沖さんだけにスポットが当たっている。

「君と僕」
沖さんの静かな曲紹介のあと、アコーディオンと沖さんの口笛だけの演奏が始まった。

完璧なピッチで口笛を吹きながら器用にアコーディオンを弾く沖さんに最初は「すげえ!器用!!笑」と感心していたのだが、どうしたことか、曲の最後には涙が止まらなくなっていた。

どこか懐かしく哀愁のあるメロディのせいなのか、それとも曲の途中で沖さんを囲むようにメンバーが集まってきたその光景のせいなのか。きっとどっちもなんだろうな。

か細く儚い「口笛」にも、こぢんまりとした小さな世界が確かにそこにある。
暖かさ、色合い、優しさ。
簡単にかき消してしまえるその小さな世界を、決して壊すことなく、大事に大事に寄り添って演奏する、スカパラホーンズの皆さんの柔らかく包み込むような音色。

この演奏を「良い」「素晴らしい」と思って泣くことができる感性を持っていてよかった。
ふと隣を見ると母も泣いていて、「さすがは親子、同じ感受性!」と思うと同時に、この人に育てられたからこそ、今の私の感受性が構築されたんだな、と改めて思った。
私のお母さんが私のお母さんで良かった。私は私の感性が大好きよ。ありがとう。


 
「風に戦ぐブルーズ」10-FEET TAKUMA

TAKUMAさんが登場し、1曲目は「第ゼロ感」。
甲子園球場に集まった4万人の「whoa whoa♪」が会場に響き渡る。かくいう私もニコニコのノリノリで腕を振り上げ歌っていた。

2曲目はスカパラとのコラボ曲「風に戦ぐブルーズ」。
先ほどの沖さんの「君と僕」で涙腺が緩くなっているところに曲前の谷中さんのMC「この曲をやると今だにウルッと来ちゃうんだけど」でヤバイなとは思っていた。

結論、ヤバイなどころの騒ぎではなかった。

自分でも信じられないくらい涙が止まらなくて、明日の朝絶対目腫れるだろってくらい泣いた。

反響やら何やらのせいで歌詞は部分的にしか聞き取れないのに、ボロボロと涙が溢れて止まらない。制御できない。どうやっても顔は歪んで、挙句の果てにはヒグヒグとみっともなく嗚咽を漏らし、溢れる涙を袖で拭いながら子どものように泣いた。
音楽を聴いてこんなにも泣いたのは初めてだった。

TAKUMAさんの力強く真っ直ぐな熱い歌声と、全てを弾き飛ばしそうなほど魂の込もった、スカパラのパワフルな演奏。
ひとつひとつの音が全部ドストレートにぶっ刺さってきて、訳もわからず泣いた。隣の席の人にドン引かれるくらい。

曲が終わっても暫く涙は止まらず、次のインスト曲でも泣いていた。また沖さんのピアノソロがさぁ、ダメなんだよなぁ(涙腺)

涙も落ち着いてきた頃、急に冷たい風がザッと客席に吹き込んだ。
スカパラのインスト曲を聴きながら、ひんやりと頬をなでる風が気持ち良くて、「あぁ、良い音楽だな。ここに来ることができて本当に良かったな。」と、心の底から思った。


 
「カナリヤ鳴く空」チバユウスケ

ここ最近の話。ひょんなことからチバユウスケを追いかけ始めた。もうこの世にいない彼の歌を知れば知るほど、どんどん好きになっていった。


茂木「ここで、僕らにとっても、そして皆にとっても大切な、偉大なロックスター、チバユウスケとの曲をやろうと思います!」

 
だからその瞬間、止まったはずの涙がまた堰を切ったように溢れ出した。思わず立ち上がり、流れる涙をそのままにステージを見つめる。まさかこの曲をやってくれるなんて。

ボーカルはいない、オケだけのインストバージョン。
何度も何度も聴いたそのイントロが鳴り響いて曲が始まる。演奏に合わせて、たまらず小さく口ずさむ。何度も何度も聴いた彼のその歌声をなぞりながら。


 
過去に執着しないのは自分の長所だと思う。今まで「あの時ああしていれば」と思ったことはほとんどない。基本的に「でも、仕方ないよね」と思っている。過去に執着したところで過去は過去だし、今は今だからだ。

でも、この「カナリヤ鳴く空」をここで聴いて、初めて「あと少し早く好きになっていれば」と、そう思った。


私は彼の姿を生で見たことも、彼の歌声を生で聴いたこともない。だから、彼がもうこの世にいないという実感があまりなかった。もっというなら彼が存在していたという実感も。


だけどこうしてこの場所で、この曲を、このメンバーで演奏しているのを聴き、実感した。実感させられてしまった。
今にも彼の声が聴こえてきそうな、その演奏。まだ温もりを保ったまま感じられる、彼の残り香。


確かに彼はそこに存在していたのだと、そして、そこに存在していたはずの彼はもう「ここにはいない」のだと。そう思った瞬間、言葉では表せないほどたまらない気持ちになった。


チバさんは、私の母と同い年だ。誕生日も数日違い。それも、チバユウスケという人に興味を持ったきっかけのひとつだった。
勝手に親近感を感じた。その勝手に感じた親近感が、私をこんなにもたまらない気持ちにさせている。


確かにそこにいた彼。去年の今頃は、まだ同じ世界にいて、同じように息をしていたのに。
そんなことを思ったって過去は過去だ。わかっている。だけど。でも。

気持ちの整理はつかないのだろう。きっとこの先も。それでいい。こうやってたまに思い出して、その度にたまらない気持ちになればいい。


「on vocal!!チバユウスケー!!」


Thank You Rockers , I Love You Baby

俺は今を愛してる


ビュウと強く風が吹く。
スカパラホーンズの鮮やかな音色をバックに、あのしゃがれた低い歌声が聴こえた気がした。



「星降る夜に」スカパラ&全ゲスト

本編ラスト曲。ゲストが全員出揃い、スカパラ×甲本ヒロトさんの「星降る夜に」をボーカルリレー方式で演奏。
改めて見るとなんて豪華なラインナップなんだろう。

aikoさんと桜井和寿さんが向かい合って、笑い合いながらハモる。
音楽番組を見ているような気がして現実感がない。今だに幻覚だったんじゃないかと疑っているくらいだ。

ステージに立つ全ての演者がとても楽しそうに笑っていて、会場中に幸せが溢れていた。本当に夢のような時間。
こんな伝説のライブを生で見ることができてよかった。追加ゲストが発表されるにつれどんどんチケット競争率が上がっていっただけに、早めの段階でチケットを取っておいた自分を褒めてやりたい。本当にラッキーだ。


「¡Dale Dale!」東京スカパラダイスオーケストラ

アンコール、スカパラメンバーだけで演奏した1曲。
こちらもチバさんがフューチャリングという形で参加した楽曲で、「インストだけでもいけそうな曲だしもしかして聴けるかも!」とは思っていたが、まさか最後の最後、本当のトリにこの曲を持ってくるとは思わなかった。

どうしても彼の歌声が聴こえてきて、やっぱりうっすらと涙が出たが、心は優しく満たされていた。
観客も皆笑顔で腕を上げ、声を張り上げて歌う。

煙草を片手に、バドワイザーを呷りながらクシャリと笑う彼がすぐそこにいる気がして、胸がじんわりと暖かくなった。



まとめ

素晴らしいライブだった。本当に伝説だった。音楽でこれほど泣いたのは初めて。

そしてこのライブのメインアーティストである東京スカパラダイスオーケストラ。
何度か演奏は聴いたことがあったものの、ここまで素晴らしいとは正直思っていなかった。それぞれが唯一無二で、その人でなれけばできないことをやっている。
色々時代の流れに沿って形ややり方を変えながら、ずっと愛され続けているスカパラ。

35周年おめでとうございます、平均年齢が還暦を超えても、ずっとずっと素晴らしい音楽を奏で続けてください。
本当に素敵なライブ体験をさせてくれてありがとう、感謝しています。



…というわけで、いつも自分用備忘録としてレポを書いてはいますが、今回はとりわけ個人的な思い出レポになりました!どーーしてもこの感情を、この思いを忘れたくなくて、絶対に書き残しておきたかった。

さぁ、ここでだいぶ色々チャージされたわけだし、またバイト頑張ってたくさんライブ行くぞ!!贅沢は、贅沢できる余裕のあるうちにしておかないと!!いつまでもあると思うな推しのライブ!!(TOSHI-LOW談)




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