太平記 現代語訳 28-5 足利直義、京都から出奔
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この現代語訳は、原文に忠実なものではありません。様々な脚色等が施されています。
太平記に記述されている事は、史実であるのかどうか、よく分かりません。太平記に書かれていることを、綿密な検証を経ることなく、史実であると考えるのは、危険な行為であろうと思われます。
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足利尊氏(あしかがたかうじ)が中国地方へ向けて出発したその前夜、京都では大事件が起こっていた。
謹慎蟄居(きんしんちっきょ)中の足利直義(あしかがただよし)が、石塔頼房(いしどうよりふさ)を伴って京都を出奔(しゅっぽん)、行方不明になってしまったのである。
この情報に、昨今の世相に危機感をつのらせていた人々は、京都のあちらこちらでヒソヒソ話。
世間の声A (ささやき声で)こらぁ、えらいこっちゃでぇ!
世間の声B (ささやき声で)ついに足利直義様、行動開始と来たな。
世間の声C (ささやき声で)またまた国中、戦乱のちまたに、ひきずり込まれる事になるんかいなぁ。
世間の声D (ささやき声で)ムムム・・・高(こう)家一族の、滅亡の日は近づいたゾォ。
突然の出来事に事情がよく分からず、足利直義サイドの男女も、ただただ、うろたえるばかりである。
直義サイドの人E いやまぁほんまに、タイヘンな事に、なってしもたやないかいな!
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