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【トレイルランニング】ITRAのあれこれ~その3(番外編)~

今回で一通りはいけそうかな。それなりに長くなりそうな気はするので、早速いきましょう。

過去の分はこちらから。

ITRAサイトへのリンクはこちら。

1. 知っていると役立つITRAの指標

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ITRAポイントの他にも、知っていると役立つ指標がいくつかあるので、その紹介をしていきたいと思います。

【1】マウンテンポイント
「山のグレード」をあらわしたもので、コースの平均標高、連続した登りの最長距離、傾斜の割合から総合的に評価されます(1~12の12段階評価)。

・数値が小さい(~4):「ランニング」要素が強い → 走れる部分が多い
・数値が大きい(8~):「登山」要素が強い → 走りにくい部分が多い

おおよそ上に書いたような感じですが、トレイルのコースではあまり走れてしまうと逆にきつかったりします。なので、一概に数値が小さいから楽とは言えないのですが、やはり一筋縄ではいかない難コースほど数値は大きくなりやすく、技術的な部分も必要になってきます。

ちなみに、日本ではマウンテンポイントが5~6のレースが多い気がします。全体のバランスを考えた結果、この範囲に落ち着くという感じでしょうか。KAKITUのロングクラスもこの評価が「5」で、実際に走った感覚よりはやや控えめな印象です。ですが、走れる部分で無理をすると後で絶対に後悔するので、ペース配分には気を付けましょう!

【2】パフォーマンスインデックス(PI)
ITRAはコースデータやレースリザルトをもとに、ランナーひとりひとりの走力を数値化しています。これがパフォーマンスインデックス(以下PI)と呼ばれるもので、ランナー同士の比較や出場レースの検討にも役立つ指標です。

算出の際のルールがこちら。

・過去36か月の成績上位5レースを対象に算出
・直近の12か月の成績の比重が最も高く、そこから6か月ごとに比重が低くなっていく
・集計対象レースがひとつでもあればPIは算出される(ただし数値は低めに調整される)
・『km-effort』が5未満のレースは集計の対象外(詳細は後述)
・レース「順位」ではなく「タイム」をもとに算出

レベルチャートがこちら(Max : 1000)。

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表はITRAサイト(https://itra.run/FAQ/PerformanceIndex)から持ってきました。イメージとしては、何となくこんな感じでしょうか。

Advanced:国内大会の上位10%レベル(大会次第では入賞もあるかも)
Expert:国内の有名大会の入賞常連レベル(奥宮俊祐さん、吉田香織さん等)
Elite:国際大会の入賞常連レベル(上田瑠偉さん、吉住友里さん等)

主催者はレースが終わり次第、指定のフォーマットでリザルトファイルをアップロードをします。そして、完走者は登録情報(氏名、生年月日、国籍、性別)にもとづいて他のリザルトと紐づけられ、PIが算出されます。PIをもつランナーは現時点で100万人超で、ITRAサイトでは全員分のデータが閲覧可能です。また、各レベルへの到達ラインは男女で異なりますが、PI自体はその区別なく算出されるので、性別が異なるランナーとの比較も難しくありません。

ちなみに、画像の「Finisher Level」というのは、コースを制限時間ぎりぎりに完走したと想定して算出したPIのことです。つまり、自身のPIがレースの「Finisher Level」を上回っていれば、そのレースを制限時間内に完走する力があるということになります。

2. 2021年6月の変更について

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つい先日、ITRAはWEBサイトのリニューアルとともにレースカテゴリーを一新しました。これに伴い、PIの算出ルールも見直されています。では、具体的に何がどう変わったのか見ていきましょう。

◎変更前

・『km-effort』をもとに、XXS(0pt)~XXL(6pt)の7カテゴリーに分類 
・PIの計算対象になるのは『
km-effort』が10以上のレース 

◎変更後

・『距離』をもとに、Vertical/10KHalf MarathonMarathon50K50M100K100MEnduranceの9カテゴリーに分類 
・PIの計算対象になるのは『km-effort』が5以上のレース 

カテゴリーは元々『km-effort』によって分類されていて、ITRAポイントと対応していました。しかし、新カテゴリーではシンプルに距離による分類となったため、カテゴリーとITRAポイントが完全に独立した関係になりました。また、以前は『km-effort』が最低10はないとPI計算の対象になっていませんでしたが、「Vertical」カテゴリーの追加によってこの部分も改められています。

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正直、今回の変更は暫定的で、とりあえず変えられる部分から変えていこうという思惑もあるような気がします。これから段階的に変わっていく部分もあるかもしれないでので、引き続きその動向には注目してきたいと思います。

3. 評価がマイナスになるケース

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「距離と累積標高の割にポイントが少ない気がする…」
大会のコースデータを見ていてこんな風に思ったことはないでしょうか?
実は、『km-effort』が元の数値から減点されるコースの条件が存在するんです。

【1】周回数が多い
トレランのコースの中には、周回数を増やすことで距離や累積標高を稼ぐタイプのものもあります。このようなコースは、もちろんそれならではの良さもあるのですが、難易度的にはどうしてもルートが重複しないコースと比べて低くなってしまいます。これを調整するために設定されているのが、周回数に応じて加算されるペナルティーです。早速見ていきましょう。

2周以下:減点無し/3周:-10点/4周:-15点/5周:-20点/・・・/10周:-45点/11周以上:-50点

3周から減点の対象となり、そこから1周増えるごとにペナルティーの5点が加算されていきます。では、KAKITAUのロングクラス(km-effort : 45.5/2pt)と数値的に同等な周回コースがあるとして、その評価はどうなるのでしょうか?

・5周の場合:45.5 - 20 = 25.5 → ギリギリ1pt
・10周の場合:45.5 - 40 = 0.5 → 成績がPIに反映されなくなる

5周の場合はITRAポイントがマイナス1になる程度ですが、10周まで行くとポイントが0になるどころか、『km-effort』自体がほぼ0になってしまっています。つまり、10周レースでどれだけ良い成績を残してもPIには反映されません。ただ、評価がマイナスになっても距離と累積標高が変わるけではなく、当然それ相応の強度があります。むしろ、変化が少ない分心も折れやすくなるので、油断は禁物です。

【2】エイドの数が多い
少し意外かもしれませんが、コース上に置かれるエイドの数も評価に関係してきます。こちらの評価方法は少し特殊で、『km-effort』をエイドの数で割った数値をもとにペナルティーが決まります。

13以上:減点無し11.0 ~ 12.99:-10点9.0 ~ 10.99:-15点 7.0 ~ 8.99:-20点5.0 ~ 6.99:-25点5未満:-30点

◎KAKITSUのロングクラスの場合

45.5 / 3 = 15.166... > 13 → 減点無し

主催者としては、リスクを減らすためにもエイドは多めに置きたいんですけどね…。しかし、それが過剰であると判断されるとこれまた減点を食らってしまいます。まあそれだけトレランではセルフケアが重要というわけですね。実際に山では何かとリスクがつきまといますので(滑落、道迷い、スズメバチ等)、必要なものは自分で持って走る意識を持ちましょう。

いずれトレランに必要な装備についても書こうと思っているので、その際はぜひ参考にしてみてください!

4. 最後に

本当はITRAサイトの活用方法についても書きたかったのですが、ITRAサイトの工事が終わるまでもう少しかかりそうなので、一旦この部分は置いておこうと思います。また体裁とかきれいなったタイミングで改めて取り上げます!

別件になりますが、KAKITSUはエントリー受付を7月14日(水)まで延長しました。コロナで少し判断が難しい部分もあったと思いますので、この機にぜひお申し込みください!コース整備やマーキング等、準備の方もこれから本格的に進めていきますので、よろしくお願いします。

それでは!

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