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【経営判断原則】後出しジャンケン許すまじ
今日は少し実務から離れて会社法的な観点を。
【経営判断原則】とは、結果論で経営者に責任を負わせることを否定する考え方。
例えば、
きちんと検討した上で、経営者が「当社は海外進出をする!」と決めた。
しかし翌年、海外の情勢が急変し、海外進出による大損害が発生した。
株主は「経営者が当判断をしたせいで、損害が発生した!これは経営者の義務違反だ!責任を取れ!」と言う。
✳︎経営者は当時の状況下でしっかり考え、判断した。判断当時には非難されるべき点はなかったのに、結果的に損害が発生したら、責任を追及されてしまうのか...?
経営判断原則は、こんな後出しジャンケンを許さない(=取締役に責任を負わせない)という考え方。
なぜなら、環境は常に変動しており、経営者は不確実な中で判断をするしかない。経営判断にはリスクが付き物だから。
そもそも不確実な中で判断するしかないのに、結果論で責任追及することを許してしまうと、経営者は保守的になり、委縮し、適切・迅速な判断ができなくなってしまう。
だから、結果論で責任を負わせるのではなく、あくまで【判断当時】を基準に、当時の状況下で適切な経営判断だったのか、を検討すべきだと考えるのが経営判断原則。
この考え方は経営者だけではなく、全ての人の判断・行動に当てはまるのではないかと思う。
万が一悪い結果に終わったら...と萎縮すべきではない。今現在の状況・情報をもとにベストな判断を下せるように努力することが重要だ。なぜなら、未来のことなんて誰にも分からないから。
そんな誰にも分からない未来を、必要以上に憂いたり、悩んでいる暇は私たちにはない。
そして誰かを非難したくなるとき、結果論で非難することは許されない。
結果論で批判することなんて誰にでもできる。
最も難しいのは、今この瞬間に決断することだ。
必要以上に、自分の行動が招く結果を心配してしまう癖がある、自分への自戒として。...酔いのつれづれ、すこし恥ずかしい。