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【海外ボランティア】6週間のカンボジア公衆衛生インターンを終えて①【活動内容報告&カンボジアで感じた課題】
お久しぶりです。
6月上旬から6週間のカンボジアインターンを終えて、現在マレーシアで休憩かつ観光中の私。
現在急速に発展しているカンボジアの良い面と残存している課題のどちらも実感した6週間でした。
そこで、次の目的地ケニアに行く前に、カンボジアでの生活についてお話したいと思います。今回は、「活動内容報告&カンボジアで感じた課題」編です。
公衆衛生インターンシップ活動内容
今回は、Projects Abroadというイギリス発祥の団体が提供している公衆衛生インターンシップに参加しました。
カンボジアでは、私が参加した公衆衛生の他にも、医療、micro finance、child care、teachingなど複数のプログラムがあり、それぞれのプログラムに参加しているインターン生がみんな同じボランティアハウスで生活します。
■公衆衛生インターンシップの活動スケジュール
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例)食中毒について
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例) First Aid "vantage"
PM ヘルスチェツク
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PM スタッフによるレクチャー
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PM ヘルスチェツクのデータ入力
*1 ヘルスチェック
現地の少し貧しい地域に住む人々を対象に、血圧・体温・SpO2・血糖値測定を行い、結果や症状に応じて薬を処方。
*2 プレゼン
現地の小学生を対象に、毎週健康に関するトピックについてプレゼンを実施。
*3 スタッフによるレクチャー
現地スタッフ(医師)から、公衆衛生・医療に関するレクチャー。
例)縫合練習、カンボジアの公衆衛生事情
カンボジアの公衆衛生事情
皆さん、カンボジアの公衆衛生・医療事情と聞いて何を想像しますか?
発展途上国=感染症と思う方もいるかもしれません。しかし、現在では衛生状態の改善により感染症で亡くなる割合が減少した一方で、平均寿命の増加に伴い生活習慣病と言われる高血圧や糖尿病に加えて、癌も問題になっています。
以下、カンボジアの死因
1位. 脳卒中 (13.3%)
2位. がん (13.1%)
3位. 下気道感染症(肺炎など) (10.9%)
(参考:
https://med.stanford.edu/content/dam/sm/care/databrief/Cambodian-Data-Brief.pdf)
実際、私が参加したプロジェクトでも、主なターゲットは高血圧と糖尿病のチェックとフォロー。患者さんの中には血糖値が600を超える人もいて、度々驚きました。それでも、私たちが出来るのは薬の処方のみ。インスリン注射などは処方していなかったので、病院に行くようにお伝えするしかできませんでした。
平均寿命がここ数年で大幅に増加したカンボジア。
*2000年:58歳 → 2023年:70歳
しかし、カンボジアの医療体制はまだこうした状況に対応できていないことを強く実感しました。
現地スタッフによると、カンボジアには保険制度はなく、その代わりにPublic Hospital*の診察料はかなり安く設定されています。さらに、政府によってカバーされてる薬の値段もとても安いです。それでも、貧困層の方々にとっては高く、病院に行くことができない方にも出会いました。
*カンボジアには、政府のサポートがあるPublic Hospitalと自費診療のPrivate Hospitalがあります。
しかし、一部の薬(前世代の抗菌薬など)しかカバーされていないという点が問題です。例えば、糖尿病では、血糖降下薬はカバーされているみたいですが、インスリン注射はカバーされていません。そのため、コントロールの悪い患者さんは自費で支払うしかないのです。
また、死因第2位である癌の治療を受けることができるPublic Hospitalはカンボジアでたった1病院(KHMER -SOVIET FRIENDSHIP HOSPITAL)のみ。しかも、抗がん剤治療や放射線治療は全て自費診療。諸々の理由から、途中で治療をやめてしまう人も多いそうです。(富裕層の方々は、Private Hospitalで治療したり、タイや日本に渡って治療するみたいです) 日本では治る病気になってきた癌が、カンボジアではまだまだ死の病である現実を目の当たりにしました。
さらに、精神科があるPublic Hospitalもカンボジアで唯一、KHMER -SOVIET FRIENDSHIP HOSPITALのみ。体の健康と同じ、もしくはそれ以上に大切な心の健康。この現状を変える必要があることを強く実感しました。
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カンボジアの環境問題
カンボジア生活の中で最も目についたものがゴミ。道や川、空き地など至るところにゴミが溢れていました。現地の小学校に訪問した時、ゴミ箱がたくさん設置されてあるにも関わらず、校庭にゴミが散乱している光景にはショックを受けました。
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カンボジアでは、お店に行けばいつもビニール袋を渡され、屋台で買う食材も全て使い捨て容器。ゴミが増える一因になっているかもしれません。
しかし、ごみ箱のすぐ横にごみが捨てられている状況を見ると、今の状況を変えるには人々の意識を変えるしかないのだと感じてしまいました。
もちろん、日本とカンボジアでは育った環境も違い、形成される価値観も違うため、カンボジアの人々を一方的に責めることは出来ないと思います。
だからこそ、カンボジアの人々が彼ら自身で環境問題に意識を向け、改善していこうとしていくことが最も重要であり、私たちが出来るのは少しの手助けだけだと感じています。
「自分たちで気づき、改善する」
そのために自分はどんな手助けが出来るのか、どんな支援をすべきなのか、まだ答えは見つからず思考は堂々巡りのままですが…💦
なんだか暗い話が多くなってしまいましたね。
しかし、カンボジアには良い面もたくさんあり、私は大好きな国です!
ということで、次回はとても楽しかったカンボジアでの生活についてお伝えしたいと思います。
私見満載の長文でしたが、最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございました!