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悪いやつ 日本選手権で犯した最大のミス

人生7度目の日本選手権が終わりました。

結果は10位。この場を借りて、ここまで応援してくださった方々にお礼をさせてください。

ありがとうございました。

簡単に来年にむけて!など言えない年齢になっていて、正直へこみました。
そんな時に為末大さんのTweet、ブログをみて、年齢を重ねたからこそ、下を向いてる暇なんて、ないよね。と感じました。

王者になるメンタル。準備する事ができていなかったんだろうなと思います。
今シーズンの目標として、以前渋谷のラジオで宣言した、「悪いやつになる」を設定していました。

それについて、レース、勝負における悪いやつってなんだろう?
今の思いを少し書きます。

僕は昔から、練習は強いけど試合では練習の8割しか力を発揮できないよね。と言われる事が多かったです。
僕はそんな自分でも勝負に勝つためには?と考え、練習をどんどんアップグレードし、練習の8割の力でも勝てるくらい力をつけようとやっていました。

しかし如何せん、全然勝てない。気持ちいいくらいに。
主要大会で2位以下の順位ばかりがつくシーズンが長く続いてきました。

試合で負け、また練習場に戻り、いっぱい練習し、また負ける。
繰り返してるうちに、いや、この日本選手権後に色々な人と話す中で、今まで感じることのできていなかった、自分に足りない、チャンピオンとの大きな差に少し、気がつきました。


・負ける勇気を持つ事

人間誰しもがある、負けに対する嫌悪感。僕も、もちろん強く持っています。
子供の頃、友達と競争している頃は、「絶対負けたくない!なにくそ!」とおもっていつも競争を楽しんでいました。
しかしカテゴリが上がっていく中で、周りにも強い選手が増え、実力を100%出さないと、勝負できない段階まできてから、ふと気がつきました。

「あの時ああしていたら」「反応が遅れていなかったら」「位置取りが」

いつの間にか自分の負けた理由を並べ、改善点があるからと保険をかけ、
負けて得るものといえば、次への気合い、やる気。そのくらい。

まだ自分の中で、今の自分の全てを出して、全力で負ける事が怖い気持ちを持っていて、勝つときも負けるときも自分に保険をかけたまま戦ってしまっていました。

そんな日々を過ごしていると、自分の本当の位置、強さ、価値が見えなくなってきてしまいます。
レースで全てをぶつけないと本当の意味での課題が浮き彫りにならず、なにをどうしたらいいか見えてこないということに気がつけていませんでした。

勝利への第一歩としての敗北ではなく、負けても傷つかないための敗北をしてしまっている現状では、これ以上の成長はありません。

せっかくいい環境に身を置かせてもらっているのに、レースで自分自身にチャレンジできていない間は、自分にもコーチにも何を課題に練習していくか、示せるはずがありません。

もう本当に、すみませんでした。涙

話が戻りますが、悪いやつについて。
それは足を引っ掛けたりそういうんではなくて、、、笑

・リスクを負う事

だなと。レースの中で自分にリスクが大きくても、チャレンジし、自分と向き合うことのできる選手。
そんな選手はレース中も存在感もすごく、周りの選手から見たら絶対に嫌にみえます。

日本選手権までのレースを振り返っても、
サンベルクスの戸田くんは、とてもチャレンジしているように見えました。
一緒に走った金栗でも、最初の300mから飛び出しで逃げ切りを測ったり、
僕たちが日本記録挑戦会をしている日体大の前の組でも、しっかり自分の課題に向かって取り組んでいました。
課題に向き合い、負けを恐れずまた挑戦、試合で成長し、また課題に向き合う。

やっぱりそういった取り組みをしてきた選手は、一番狙った大会で台風の目となり、レースを支配する気迫があるのだろうと、感じます。
なによりあの瞬間、それを実践した戸田、リスクを負えた選手が上位に入っています。

それができなかった僕と、彼らとの差はかなり大きいと思います。

勝つために負けることのできない人間が、勝つために勝つことなどできないと、自分に刻み込んで前に進みます。

いまさらですが、そのことに気がつけた事をよかったと言えるように、
全てをぶつけてみて、本当に自分に足りてない課題を見つけたいと思います。

自分の気持ちを世に発信するということ、これも1つ怖いことです。
成長のきっかけとして、怖いものは怖い!といっていこうと思った次第です。


次はホクレンDC、4試合走ります。
帰ってきた時にコーチに課題を言えるよう、勝つために負けてくる!
負けないけど、負ける!!やっぱ勝つ!!!笑

1年後、今度こそ「悪いやつ」になっているように、
いや、「やばいやつ」になっているように。

※写真は二枚とも我ながら一番悪い顔をしてる高校入りたての自分です。

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