VTuberよSpoutを使え ~紹介からVTube Studio、WarudoからOBS Studioへの映像の取り込み設定まで~
こんにちは!RUNE.です!
Live2Dや3DモデルのVTuberの方でモデルをOBS Studioに表示する際、
・OBS Studioでクロマキーフィルターを使用して合成している
・不要な設定用の画面やマウスカーソルが映ってしまって煩わしい!!
こういった方はいませんか?
そんな時、OBS StudioをはじめとしたSpout対応アプリでSpoutを使用することで
・クロマキーフィルター不要で背景を透過できる!
・不要な設定画面等が映らない!
・PCにほぼ負荷をかけず映像の遅延もなくモデルの表示ができる!
と利点ばかりです。
Spoutを使用しましょう。
🤔そもそもSpoutって何???
Spoutを使用した方がいいって言われても、
「Spoutってなんぞや?」「怪しそうだから使いたくない!」
そう思う方もはいると思います。
なのでこの記事ではまず前半に簡単なSpoutについての紹介をして、後半では実際にVTube StudioやWarudoの映像をOBSで受信する設定までを説明していきます!
よろしくお願いします!
🚰Spoutとは
SpoutはWindows環境で使用できるリアルタイム映像共有技術です。
VJ(DJの映像版)が使用するアプリや映像ソフトウェアのプレビューモニタリング等で使用されており、実は2013年頃から開発が始まっていた技術です。
主な特徴
GPUメモリ間で映像データを直接やり取りするため高速、軽量
オープンソースソフトウェアで様々なソフトウェアで利用可能
SpoutはGPUメモリ上のデータを直接やり取りして映像の送受信を行います。そのため、映像の遅延を最小限(実質無遅延)に抑えつつ、CPUへの負荷はかなり低いものとなっています。
実はOBSの「ゲームキャプチャ」でも同様にGPU上のメモリから直接ゲームの映像データを受信しています。
「ゲームキャプチャ」は「画面に表示されている映像全て」をキャプチャーするのに対し「Spout」は「画面から必要な映像のみ」をやりとりするので、配信映像には不必要なものが映らないようにしたり、背景を透過させたりと、柔軟に対応できるようになっています。
普段使ってるOBSでも同様の技術が使われているということがわかったところで、ぐっとSpoutに親近感が湧いてきたことでしょう!!!
対応アプリケーション(一部)
Spoutはオープンソースで提供されているので、
Unity、Unreal Engine、Blender、After Effects、Premiere Pro、OBS Studio、TouchDesigner、vvvv、Processing等様々なソフトウェアで使用できるようになっています。(プラグインの導入が必要な場合もあります)
そして今回紹介するVTube StudioやWarudoでも使用することが可能で、更にはVTuber企業の内製アプリでもSpoutが使用されていたりと、今やLive2Dモデルでも3DモデルでもVTuberなら使うべき技術といえるのではないでしょうか。
📺Spout2プラグインを使用したOBS StudioでのSpout使用方法
Spoutが怖いものではないことがわかったところで実際にVTube StudioやWarudoの映像をOBSで受信してみましょう!
プラグインのインストール
まずは下記GitHubから「obs-spout2-plugin」をダウンロードし、インストールします。
無事インストールが完了し、OBSを起動するとソースに「Spout2 Capture」が追加できるようになっています。
「Spout2 Capture」ソースの存在が確認できたら次は各VTuberアプリからSpoutで映像を出力する設定を行います。
「VTube Studio」での映像出力設定
設定を開き上部メニュー📷から「Spout2を起動」をONにします。
背景を透過な場合は背景設定の「ColorPicker」から「透過(OBS)」をONにしたら準備完了です。
「Warudo」での映像送出設定
エディターウィンドウ左下🐾メニューから⚙設定を開きます。
一般の中の出力にある「Spout出力」を「はい」に設定します。
Warudoで背景の透過が必要な場合は、使用するカメラの基本プロパティから「透明な背景」が「はい」に設定されているか確認しましょう。
OBS StudioでのSpout映像受信設定
VTuberアプリ側のSpout出力の設定が完了したのでOBS Studioの設定に戻ります。
まずはOBS Stuudioで先ほど追加された「Spout2 Capture」ソースを任意のシーンに追加します。
追加した時点で映像が表示されている場合もありますが、まずは追加したソースのプロパティを開き以下のように設定します。
□ VTube Studioの場合の設定
SpoutSender : VTubeStudioSpout
Composite mode : Default
Poll time for new senders : fast
□ Warudoの場合の設定
SpoutSender : Warudo
Composite mode : Premultiplied Alpha
Poll time for new senders : fast
※特にWarudoでは「Composite mode」が「Premultiplied Alpha」になるることに注意してください。
無事設定が完了するとVTubeアプリの映像がOBS Studioで表示されているはずです。
あとは位置やサイズを適宜調整すれば完成です👏👏👏
😭トラブルシューティング
OBS側でSpoutの映像が受信できない。
・OBSに「Spout2 Capture」がない場合
→プラグインのインストールが正常にできていない可能性があります。もう一度プラグインのインストールを実行してみてください。
・OBSに「Spout2 Capture」があり「SpoutSender」にアプリ出力が見えない場合
→VTuberアプリの設定が正しくできていない可能性があります。もう一度アプリの設定をしてみてください。
・OBSに「Spout2 Capture」があり「SpoutSender」にアプリ出力が見えるが映像が表示されない場合
→OBSとVTuberアプリが同じGPU上で動作していない可能性があります。以下の設定を試してみてください。
1.スタートメニューから「グラフィックの設定」を検索して開く
2.「アプリを追加する」の「参照」からOBSとVTuberアプリのアプリケーションファイル(.exeファイル)を追加
3.それぞれの項目の「オプション」をクリックし、「高パフォーマンス」を選択
両方の設定が「高パフォーマンス」になっていることを確認し、両方のアプリを立ち上げてOBS側で映像を確認する。
SpoutはGPUのメモリ上の映像データを共有する関係上、映像を共有したいアプリが同じGPUで動いている必要があるので同じGPUで動作するように設定しましょう。他にもから設定する方法や、Windowsのコントロールパネルから電源プランを「高パフォーマンス」にすることで解消する場合があります。
画質が悪い、解像度が低い
Spoutはその性質上レンダリングされている解像度で映像の受け渡しが行われます。
なので解像度を上げるにはアプリを全画面表示かフルスクリーンにして表示領域を広げる必要があります。(アプリによってはレンダリング解像度を設定できるものもある)
ただしレンダリング解像度を上げた分PCへの負荷は高くなるので表示領域を広げた結果重くなる場合は必要な解像度にウィンドウを調整するようにしましょう。
🙌おわりに
Spoutは今やVTuberにとっての強力な助っ人です。
配信や動画制作時の質が向上し、クリーンな映像を視聴者にお届けできるようになります。また、配信者としても不要な映り込みの心配が一層減るので是非使用するようにしましょう!
今回は以上となります。
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