N2教材で星新一の「ボッコちゃん」
ワナッカム
わたしの住むタミル・ナードゥ州では9月1日から大学が開くとのことで、バタバタしております。
今回は日本語能力試験(JLPT)N2合格圏内レベル(上から2番めのレベル)の学生と使用した教材をふりかえってみます。
どんな授業をもっているか
まず、わたしはこの学生さんとマンツーマンで授業しています。
彼は12年生(高校生)。
N3のときは、ほぼ一人で勉強して1回で合格できるほどの勉強好き。
N2の勉強は昨年12月から開始。
3ヶ月で文法を終了、読解問題集も1ヶ月で終了し、
7月のJLPTを試しに受ける予定でした。
しかし、コロナの影響で7月のJLPTはキャンセルに😥
それで、12月まで苦手意識のある読解の練習をすることにしました。
しかし、今までずっと教科書で勉強してきたので、
息抜きも兼ねて本を読むことにしました。
選書の条件
ネットで「N2教材、小説」などを調べるうちに色々な候補が出てきました。
その中でも条件に合うものを選びました。
1.なるべくお金のかからないもの(学生のため)
2.電子版のあるもの(輸入はできないので)
3.高校生が安心して読める内容(授業なので過激な表現はよろしくないかと)
4.日常がわかるもの(よく使う言葉を学習するため)
この条件から、最終的に3つ選びました。
さくらももこのエッセイ、児童用の赤川二郎の作品、星新一
最初のページを読んでもらい、本人の希望を聞いて、
星新一の「ボッコちゃん」に決定しました!
大きな声では言えませんが、わたしが電子書籍を購入し使用しました。
じっさいに授業で使ってみて
こちらの作品は短い話がいくつもあります。
星新一を読んだことがある人ならわかると思いますが、少し不思議で、SFぽい話です。
授業の仕方はとてもシンプルで、一緒に読んでいくだけです。
学生が声に出して読み、わからない単語はその都度聞いてくれます。
一つ読み終わったあとに、何が書かれていたか質問して、確認をします。
彼が聞いてこなかった単語についても、本当に理解しているか聞いてみます。
また、星新一ワールドなので、わかりずらいオチも一緒にかんがえます。
週3回、各1時間の授業で、1ヶ月半で読み終わりました。
(途中で何作品かは表現の問題でスキップしました。)
よかった点
・小説にある男性的、女性的な言い方にふれられた。
・一つ一つの作品が短く、テンポがよかった。
・日本語の本を1冊読み切ったと、学生の自信になった
・会話が多く、じっさいの話言葉を学べた。
・音読の練習にもなった。
むずかしいと思った点
・時代のせいか、難しい言葉、今は使わない言葉があった。
・SFなので、宇宙や放射能などの言葉が多かった。
・泥棒、警察、などの話も多かった。
・ひたすら読む授業だったので、内容理解にもう少し時間をかければよかったのかも。
日本と違い、なかなかお手頃な価格の上級レベルの教材が手に入りにくいです。
でも、マンツーマンだとこうして電子書籍を使いながら授業ができることがわかったので、良い経験だったかと思います。
本当言うと、学生には紙の本でメモを取りながら読んでもらいたかったのですが、、仕方ないですね。
あと、余談ですが、私が星新一の作品に苦手意識があったのですが、学生のおかげで読み終えられてほっとしています。
他にも良い教材があれば、教えていただけると嬉しいです😊
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