ソールが欠けたので、なぜ合成ラバーが壊れるのかを調べてみた
カリー7のアウトソールの先端が、同時に左右とも一部だけ欠けた。しかも同じような場所が。履いた時間はトータルで20時間くらい。
一箇所だけとか別々の場所とかだったら「たまたまかなぁ」と思うけど、同じような場所を同時になので、「なんで?」と思い、調べてみた。
そもそも、欠けるということは素材に力がかかって切れたということだと思うけど、物理的な圧力は環境(体育館の床の特性、湿度、温度、空気の循環、ホコリ、汚れなど)と個人(動き方や体重の乗せ方など)と素材(材質、形、強度、疲労など)が相互に影響しあう。
ここでは素材に注目して「なんでここだけ切れたんだろう?」を考えてみた。
アンダーアーマーのカリー7の商品ページはもう削除されているようで、アウトソールの素材はよくわからないが、たぶん合成ラバーのアウトソール。
では、合成ラバーが切れるのってどんなときなのか?
合成ラバー(ゴム)の劣化の種類とその原因や対策について、以下のサイトに詳しく掲載されていた。
http://www.chemitech-tc.co.jp/fuguai.html
種類は5つ。見てみると、ブルーム以外の4つは何らかの影響がありそう。
オゾン劣化
有機高分子体であるゴムとオゾンが反応し、オゾンクラック(オゾン劣化)が発生する。
同じ方向に無数の亀裂が走るそう。そもそもオゾン濃度ってなんだ?と調べてみたら、以下のページがあった。
日差しが強いと濃度も高いそう。でもこれは屋外の説明で、屋内はよくわからない。
光酸化劣化
光そのものがゴムに亀裂を作る。
黒いゴムはと劣化しにくく、それはゴムを黒くするためのカーボンブラックが光の影響を阻止するからだそう。反対に明るい色や淡い色は影響が出やすい。
暑さや寒さの劣化
ゴムの耐熱性にもよるけど、高温ではゴムの物性(硬度や弾力など)が低下し、亀裂の発生する。
疲労
長時間使用していたゴムは物性が低下しやすい。また、ゴムは弾性があるから応力(ゴムを伸ばしたり曲げたりする力)を除くと元に戻る性質があるが、大きな応力がかかりると、変形したまま分子が安定するように構造が変化する。それが「へたり」だそう。
ブルーム
ゴム表面に白い粉が浮き出たような状態になること。これはたぶん違うかな。
原因を分析すると
ざっくりまとめると、細身で色白の人の肘が外側から思いっきり押された、みたいな感じかな。
環境要因
・猛暑日の午後
・日当たりのよい体育館
・空調はなく四隅に扇風機のみ
・カーテンはあいていて、巨大な窓から日光がコートに降り注ぐ
間違いなくコートは高温。ソールとの摩擦で更に高温に。
オゾン濃度の影響は不明。日光がある方が濃いようだが、どの濃度だとどのくらい影響するのかはわからない。
素材要因
・白い合成ラバー←光酸化劣化の影響を受けやすい
・つま先側に歪曲したブレード←ブレードはつま先の方向に応力が向かい、足からの加重は踵の方向に向かう。
・細いブレード=衝突で生まれた負荷を受け流す力が弱い
その結果
日光と高温と摩擦で白い合成ゴムの物性が低下し、亀裂が発生していた。そこに、たとえると肘を外側から押されたような感じで応力が強くかかった。その結果、ブレードが応力に耐えきれずに切れて、欠けた。
対策:
基本は物性の低下をどうやって避けるか。
1:アウトソールが白いバッシュを選ばない←光酸化劣化の予防
2:エアコンが効かない体育館では履かない←暑さの劣化の予防
3:欠けても特に感覚は変わらないので大丈夫だ←心の予防
1と2は無理だし、これまでもソールが白いバッシュを履いてきてブレードが欠けたことは無いので、結局は3の対策ということに。調べる前と何もかわらないけど、「あ〜なるほどそうなんだね」と発見がいくつかあったので面白かった。