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まんまと病む冬
更新が1ヶ月あいた。
ここ1ヶ月の私はというと、必要最低限の外出以外はずっと家にいた。あれ?今ロンドンにいるんだっけ?ってふと脳がボケて錯覚するくらいに巣篭っていた。
よく知られている話だが、ロンドンの冬はとにかく暗い。一面グレーの曇り空の状態が常で、頻繁に雨も降り、今年は暖冬といえども日照時間も短いためとにかく気持ちが沈む。天気に体調が左右される私にとって、それがとにかく応えている。10日ぶりくらいに青空が見られた今日、ここぞとばかりに文字を打っている。
そんな気力のため英語の勉強なんぞ全く捗っておらず、とにかく一日一日の生命を繋ぐ行為だけを行っていた日々だった。意味が直接理解できる日本のバラエティやポッドキャスト、日本人のYoutubeばかりを見漁り、ビールを飲みまくるという、安くて甘いドーパミンを手に取ってばかりいた。
やりたいことをやっている人ってキラキラして見えるとか言うけど、それどころか肌は荒れ、ビールっ腹になり、ブスに逆走している。
気づけばあっという間に2月になり、渡英して半年が過ぎたが、かくいう英語力というと、人が言っている意味を細かくはわからんが察する時間が若干短くなったくらいのもん。色んなところで見聞きする”3ヶ月もあれば話せるようになる”っていう説は、そもそも学力にベースがあった人か、英語漬けしまくって努力できた人が到達できる場所であると思う。
渡英の一番のきっかけであった「英語を習得してまともな転職」ができるとは到底思えなくなっている。古今東西から「そりゃそうだろ」「そんな簡単じゃねえ」という言葉が聞こえてくるようだ。石橋をほとんど叩かずに渡っては崩れ落ち、血みどろになりながら匍匐前進でなんとか生きている。
先月、母方の祖父が亡くなった。
渡英する数日前にも、父方の祖父が亡くなった。
私はどちらの通夜も葬式にも行くことができなかった。
日本にいれば有無を言わずに駆けつけていたであろう一大事に、費用や距離の壁が立ちはだかるだけで、こんなに駆けつけるかどうか悩むもんなのかと思った。しかも今、自分が行きたくて行った場所にいて、そこで躊躇う自分が心底嫌になった。その一件もあり、余計に巣篭もりから抜け出せなくなった。
そんな暗闇の中でも一つ気づきがあった。万が一、一大事が起こった時に自分が何を一番に思い浮かべるのか、何を優先しようとするのか、どこまでの気持ちになるのか。人の生き死にが関わっているのに、ドロドロとした欲を一つもこぼさまいと抱きしめてしまう自分とか。
日に日に自分が大切にしたいものがどんどん研ぎ澄まされていっている。こんな綺麗事にまとめて気分が良い話ではないが、海外に住まなければ、こんなにくっきりと自分に向き合うことはなかったかもしれないと思ってしまう。
同じくイギリスへワーホリに行った人のブログとか見てると、内容の大体が役に立つ情報か就活情報。なんとかなっているように見えている人の話がほとんど。側から見るとエンターテイメントやファッションの都市で刺激的だけど、私のように病んで停滞している人間の話も許されるといいなと思う。
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