京大ロー2年次前期ルナ的雑感
はじめに
どうもルナです🌙
ロー2年次前期が終わり、成績発表がありました(シホシケの発表はまだだいぶ先です、、、)のでヘイロー恒例行事「雑感」をやるます。一応、成績を申し上げますと、刑訴・民法・民実がA+、刑法・行政法・知財法がA、商法がBで、素点平均は82.85点でした(学部みたいですね)。
私は学部自体にはこのロー生の雑感をみて基本書や演習書を選んでおり、ローに入ってからは雑感から日々の過ごし方を学び取り、試験前には雑感こそが最も有益な試験対策教材となっておりました。自習室にて参考答案は見ることができるものの、どういう勉強が効果的かなどはブラックボックスだからです。
先人方の雑感やブログがなければ過酷なロー生活は乗り切れていないでしょう。ゆえに私もタスキを繋ごうと思うます。ロー生活を想像したい学部生やロー入学を控えている方等のお役に立てれば幸いです。
また、私はR5予備組でもあるので、司法試験とロー生の二兎を追っていたわけであります。司法試験はたくさんの産業廃棄物答案を生成してしまい今でも不合格の夢をみてしまうほど「やばい」のですが、結果は数ヶ月後にわかるとして、試験勉強とローの両輪をどう回していたか、その過程を記せたらと思うます。
では、よろろすお願いするます🤲
刑訴総合1 A+
◯概要
CB刑訴の捜査編を双方向で押し進める授業です。刑訴を二分して楽な方をやるので負担は少ないです(訴因・証拠・裁判をやる後期が怖いです)。かなり細かい学説も結構出てきますが基本的にはCBの判例を丁寧に読んでいくものです。問題演習等はありません。授業の合間(テーマが変わるタイミング)で当該テーマで結局何を意識すればよいかのまとめをしてもらえるのでメモりましょう。
◯指定教材
CB刑訴です。ないと困りますが高いので先輩にもらいましょう。
◯私の教材・教材レビュー
口述時より愛用の基本刑訴(の論点理解編)、ロースクール演習刑事訴訟法第2版、自作論証集の3点です。当たりそうなときは授業との親和性が神なストゥディア刑訴やLQ刑訴を見ることもありましたが大抵基本刑訴で足ります。
・基本刑訴
Sランク教材です。神です。日本評論社さんの基本〇〇シリーズなので、わかりやすいことや設問つきで問題演習も兼ねていること、試験との相性がいいことなどはもはや紹介するまでもありません。
そこで本稿で強調するのはロー生の必需品だという点です。というのも本書は簡単にいうと全国の法科大学院の学習指導要領的なものに即して書かれているからです。すなわち、本書をマスターすればロースクールの授業内容を一応の水準で捉えたことになります。実際、CB刑訴のQで出てくる学説の要点がほとんど載っています。また、当てはめや考慮要素の天秤も載っているので演習との橋渡しになります。
手続理解編についてもあった方がいい(というより入学前に読むと良いかも)です。論点理解編には逮捕前置主義などが載っていませんが手続理解編には載っているためです。
・ロースクール演習刑事訴訟法第2版
Aランク教材にしておきますが個人的には学部期末試験対策時代から、予備試験、司法試験までの付き合いになっているので思い入れはSSランクです。なぜAランク教材にしたかというと、法学書院さんがなくなり、入手困難になりつつあるからです、、、、、、、。
ロー生・司法受験生というよりも学部生・予備受験生向けのレベルです。基本刑訴の説例に毛が生えた(≒学部期末試験・簡単な年の予備試験レベル)の問題が30問掲載されており、出題趣旨、論点の解説、本件への当てはめ、答案上の注意点から構成されています。答案例はありませんが、学者演習本の中ではかなり丁寧な解説で使いやすいです(刑訴の答案例を見たい場合は、峰ひろみ「刑事訴訟法演習」や反町本を参照することになろうかと思います)。
・自作論証集
口述後〜4月くらいにかけて、捜査・訴因・裁判について基本刑訴、証拠法についてLQ刑訴、網羅性についてアガ論証の目次、に準拠した論証集というよりまとめノートを作成したので授業に持ち込んでポイントはどこか等を確認していました。全科目に共通しますが、本来復習にかけるべき時間を民訴や憲法等に充てねばならなかったため、まとめノートいじりを授業聞きながら行うマルチタスクをしておりました。以下サンプルです。
・ストゥディア刑訴
Aランク教材です。苦手意識がある人や学部レジュメを持っていない人はあると便利だと思います。著者が授業監修者だからです。
・その他
川出判例講座はCB刑訴の公式解説本みたいな感じなのでどうしてもわからないところを辞書的に調べる用に使っていました。古江本は多くの人がやっていますが問題演習はロースクール演習でやっていましたし学説も基本刑訴で十分と思い、ロッカーの奥深くにしまったままでした。
◯予習
私は予習を一定の時期まではまあまあちゃんとやっていた部類だと思います。他方、6月くらいからは全科目で予習を断念しました。司法試験が近かったためです。そのため、本稿に今後出てくる「予習」とは6月上旬くらいまでやっていたことを指します。
刑訴の予習でしたことは、該当範囲の基本刑訴を読み直す、該当範囲のロースクール演習刑事訴訟法を脳内で解く、該当範囲の予備過去問があれば見直しておく、該当範囲の論証を見直す、反町本で該当範囲の採点実感等の重要部分を見る、以上です。1〜2時間ですかね。
◯復習
前述の通りまとめノートは授業中に終えていたので特にありません。
◯司法試験
捜査分野の勉強を予習と授業に一任し、自習時間では訴因・証拠・裁判分野を上記予習と同じようにやっていました。なお、ロー2年次と司法試験の両立は本来的に不能犯に近いため、私は司法試験の過去問をほとんど見ないまま受験したのですが、刑訴もR5しかやっていません、、、、。予備で逮捕前置落とし即Fをしていたので半ば捨ての意識がありましたが()
◯期末試験
えーっとですね、司法試験2週間後に同じ科目の期末試験というのはですね、精神的に無理がありまして。論証を見返す・当該科目に触れるというのが苦痛なんですね。そのため、司法試験後1週間ほどはお布団にくるまっていました。したがって私は今期の期末試験の勉強をほぼしておりません。その勉強量でこの成績かよという怨念?が発生しそうなのは重々承知しておりますが司法試験と両立するとこうなるというのを示すのも本稿の目的の一つなのでお許しください、、、。
刑訴は、捜査範囲の論証をダラダラ一読し、前日くらいに自習室で過去問をみて、参考答案を見た、以上です。参考答案において、学部期末試験のような答案、すなわち反対説も盛大に展開する頭でっかち当てはめ激薄答案が高評価ということを学んだので試験当日に学部期末用論証を1時間くらい確認して試験会場へ行きました。
接見が頻出だとクラスメイトが言ってたので、司法試験でも予想していた伝達義務をここでも本命としていました。出ました。また、R1予備(実質逮捕と勾留請求却下)も司法で出たことがなく、司法試験で予想していたのですが、それも出ました。というわけで司法試験で綿密に予想したヤマたちがそのまま期末試験で出たわけです。他の科目も大体この現象が発生し複雑な気持ちになりました。
試験を終え、普通の事例問題なので日々問題演習をするのは大事ですねというのと、学説も押さえようねというのを感じました。これを読まれた方々も普段からの問題演習を心がけましょう。
民法総合1 A+
◯概要
はい、京都民法大学院が誇る天下無双の民法総合です。民法総合1では、総則・債権総論の前半部分・契約法・不当利得・不法行為を少し・消費者契約法を扱います。
後述の民法総合・事例演習教材を扱うので毎回が事例演習です。もっとも、授業では答案的な解説ではなく、改正についての議論や要件事実の整理がほとんどです。このうち要件事実の整理が大半を占めます。予備口述を圧倒的に凌駕する空前絶後の要件事実達を扱います。入学前に大島本を暗記していないとキツイのではないでしょうか(私は口述経験者なので暗記済みでした)。
民法に強くなれるはずですがその分やはり負担は大きいです。がんばりましょう。
◯指定教材
民法総合・事例演習を使います。必須です。事例演習教材シリーズの民法ですが伝家の宝刀級の難易度であり、全くと言っていいほどヒントや解説がないため京大ロー生以外は買ってはなりません。司法試験を超える難易度の「良問」を基本的に毎授業1題やっていきます。
その他、指定とまではいかないものの推奨教材として、山本敬三「民法講義1」や潮見佳男「プラクティス民法債権総論」など、分厚い基本書が入学前に配られる紙に載っています。なお民法講義は債権法改正に対応していませんが役に立つことが多いです。学内ネットワークからタダで読めるので買わなくても良いですが行き詰まると助けてくれるかもしれません。
◯私の教材・教材レビュー
民法総合・事例演習、ストゥディア民法、択一六法、Mullerさんのまとめノートを毎回持参していました。
・ストゥディア民法
SSSランク教材です。国定教科書です。必須です。絶対に。神を超えた存在です。
何を隠そう、民法総合を設計された山本先生本人が監修している入門書です。授業との親和性はプラクティス民法や潮見イエローを余裕で超えます。
初学者でもスラスラ読める口調、言葉選び、豊富な具体例を用いた説明でありながら、要件事実に最大限の配慮がなされており、民法のコアとなる概念を徹底的に叩き込まれます。その結果、難問に対してもコアから考えることができるようになるという応用力まで身につくんですね、素晴らしいです。かなり慎重な記述であるため、授業で出てくる細かい学説への配慮が助詞等に表れていることもあります。つまり到達レベルが高いです。冊数は多いものの読みやすいので負担にはなりませんし安いので必読とします。入学前に読んでおくことをお勧めします。
・択一六法
Aランク教材です。予備校本なのであまり使っている人は多くなさそうですが、ストゥディアで足りない知識で、授業理解に必要なものはほとんど網羅しています。便利です。また、どうせ司法試験の短答対策時期にはみんな使うので早いうちからマーカーしておいた方が良いと思います。
・Mullerさんのまとめノート
SSSランク教材です。無料であってはならないクオリティです。京大出身の方が作成されているので親和性は高いですし司法試験までずっと使えます。授業に深く関わる内容は大人の事情からカットされているので、授業で学んだことを付箋でペタペタしていけば無敵のまとめノートができあがります。刑訴同様まとめ作業は授業中にマルチタスクしていました。
https://note.com/muller727/n/n4f480918710a
◯予習
答案構成→先◯ノ◯トを読んで扱う分野を確認する→該当範囲のストゥディア・まとめノートを読む→該当範囲の重問を解く、というのを6月頭までやっていました。予習方法として正解だったと思います。膨大な範囲を扱うので「該当範囲の重問」に結構時間を取られていました。3時間くらいですかねー。6月中旬からは問題文を眺めるくらいしかしなくなりました。
◯復習
6月頭までは、授業内容を踏まえ、要件事実表(授業後に配布される神資料です)に即して、規範は基本的に論証として普段から使っているMullerさんのまとめノートに準拠した「答案例」を作成していました。絶対にやりましょう。期末試験では類題が出るため、この答案例を復習することが唯一かつ最良の試験勉強になるからです。2時間くらいかかっていた気がします。以下サンプルです。
◯司法試験
民法総合1で民法全体の半分弱を扱うので、予習でストゥディアとまとめノートを熟読し重問をやることが司法試験対策でした。というより、全ての科目において、予習をその範囲の司法試験対策と見做して生活していました。これ、大事です。
今期触れない物権・不法行為・家族法を自習時間にストゥディア・まとめノート・重問で同様に学習していました。民法も結局司法試験の過去問はR5しか見ないまま本番を迎えました。
◯期末試験
司法試験前に論証を覚えていたため民法以外の科目はほぼノー勉でつっこめたのですが、民法総合は司法試験を普通に超えているためそれなりに勉強せねば、、、と思いながらお布団での1週間が過ぎました。その後も日々オリンピックで忙しかったのですが民法はやらねばということで、6月頭まで毎授業直後にやっていた復習の残りをやりました。全体の半分くらいです。答案例を作成し、それを2回ほど読み丸暗記して試験会場へ行きました。
TKCで請負の契約不適合が出ていたので司法試験で当然ヤマ張っていました。司法試験では出ませんでした。が、刑訴に引き続き期末試験で出ました() 複雑です。
要件事実を並べただけで当てはめをほぼしていないにもかかわらずA+が来たので、学部期末試験と同様、当てはめへの配点が少ないと推測されます。訴訟物、請求原因・・・を当てればOKです。また、私は債務不履行については背信的京大生として相当因果関係説、不法行為については京大生として義務射程・危険性関連性説で普段書いているのですが、期末試験で債務不履行を相当因果関係で書くという背信行為をしても高評価だったためノープロブレムだとわかりました。これは後輩たちに向けた大きな収穫だと思います。
追記参考答案にノミネートされていました。
行政法総合 A+
◯概要
怒涛の勢いで行政法の国家補償以外を半期で駆け抜けます。年度によって進め方が全然違うので、来年度入学する方の参考になるものではありません。問題演習は、課題を解いて添削を受ける機会が1度ありました。クラス平均を余裕で下回る廃棄物答案を作成してしまいました。それ以外にも私の年度の授業設計担当者の場合、復習課題というものがあり、提出はありませんが毎授業ごとにミニ事例演習ができます。次の授業の最初に簡単な解説があります(私の年度の授業設計担当者の授業を学部で受けた人はイメージしやすいと思います)。
行政法は苦手だったのですがこの授業のおかげでマスターしたぞ!と司法試験の行政法が始まる1秒前まで思っていました。ダメでした、、、。
◯指定教材
CB行政法が指定されているものの、授業では使いません。予習する判例の指定がCB行政法の番号でなされるだけです。授業はレジュメと担当教員の神パワポで進みます。
◯私の教材・教材レビュー
基本行政法、基本行政法判例演習、ファーストステップ演習行政法、事例研究行政法、自作論証集をやっていました。
・基本行政法
Sランク教材です。説明不要ですね。ただし、本当の初学者向けではないので学部生が本稿を教材探し目的で読まれているのであれば本書の前に入門書やサクハシを挟んでおくと良いと思います。
・基本行政法判例演習
SSSランク教材です。国定教科書です。判例集&重要論点のまとめノート&演習書という感じです。授業との親和性も非常に高いです。本書で扱う判例が予習課題の指定判例であることがほとんどです。
・ファーストステップ演習行政法
Aランク教材です。学部時代に引き続き使用しました。著者が私の年度の授業設計担当者なので問題意識が一致しており、予習課題の答えが基本行政法には載ってなかったのにこっちにあるじゃん!みたいなことが頻発します。また、初学者でも使える難易度の問題集でありながら個別法も読ませる形になっている点が良いと感じています。
・事例研究行政法
Bランク教材としておきます。本書をどうしたらいいか問題は永遠の悩みだと思いますが、「第一部だけやる」というのが一応の答えではないかと思います。第一部は予備試験レベルなのでそこだけでもやっておくと力がつくと思います。第二部をやらないのに定価で買うのかと言われたら難しい話なのでBとしておきました。
・自作論証集
予習に合わせて作っていました。基本行政法の設問になっている論点・アガ論証の目次を網羅性の基準として、内容は基本行政法と判例演習に従いました。以下サンプルです。
◯予習
予習課題があるのでそれをやっていました。が、その前に、該当範囲の基本行政法を読む→該当範囲の判例演習を読む→該当範囲のF演習をやる→該当範囲の事例研究をやる→論証を作る、というのをしていました。そこまでやってからだと理解が進んでいるので予習課題はすぐ終わります。
今期の科目の中で1番時間がかかっており、3〜4時間使っていたと思います。
◯復習
スライドを見返す、授業での学びが毎回多過ぎて授業後に毎度心の中で拍手していたため授業で得たことを論証に反映させる作業をしていました。授業直後に1〜2時間ですかね。
◯司法試験
国家補償以外の全範囲を授業でやるので予習復習が司法試験対策でした。これまで同様、予習復習を試験対策にするために問題演習まで予習に含めていたわけです。
行政法は過去問を多くやった側の科目でして、R3とR5の2年分「も」やりました(「も」は当社比)。
◯期末試験
自習室で過去問を見たら普通の問題だなと思ったので直前の直前に確認でいいかなと思い民法に時間を回しました。司法前に覚えたはずの論証を一読して確認、ファーストステップを流し読みし試験日を迎えました。
講評が成績発表より前に出され、論点落としはないものの結論という結論が全て逆で震え上がりましたがなぜか高得点でした。添削課題の点はめちゃ低かったので採点相性は良くないと思っていた点からしても不思議な結果ではあります。
刑法総合1 A
◯概要
なんとも言い難いです。ヘイロー以外に使っているローはあるのか?と毎日疑うCB刑法の総論(共犯を除く)という謎範囲で進めます。たまに事例回があり事前に配布された問題を検討してきてその解説があります。
◯指定教材
CB刑法で授業が進むので先輩からもらいましょう。民法や商法みたいに事例演習教材がいいなあ…
◯私の教材・教材レビュー
徹底チェック刑法、基本刑法、刑法事例演習、刑法事例演習教材、刑法事例の歩き方、自作論証集を使用していました。
・徹底チェック刑法
SSSランク教材です。つまり国定教科書です。ずっと書評を書きたかったやつです!
端的にいうと、新進気鋭の学者が本気を出して作った論証集兼演習本です。素晴らしいですね。総論各論の論文試験に必要な知識がわずか300頁ほどにまとまっています。しかも事例問題形式で。摩訶不思議です。
答案に必要な構成要件の定義・規範が明記されているのはもちろん、学説問題に対応可能な程度に反対説や基本刑法ではあまり対応できない近時の議論などがフォローされています。実践的なので基本刑法の要約というよりは応用刑法の要約に近いのではと思います。また、各章ごとに章末にまとめ欄があり、結局何を最低限理解すればいいかが一目でわかります。事例演習本でもあるため、当てはめまで学べます。凝縮されているので一文字一文字に魂が込められているので最初の通読は意外と疲れますが、それ以降は高速復習教材として最後の最後まで重宝することになるはずです。
自習室を見渡すと結構ユーザーが多いと思うのですが、なぜかTwitterや予備界隈ではあまり知られていません。中華統一するポテンシャルは絶対にあるのでいずれ有名になるのではないでしょうか。
・基本刑法
Sランク教材です。説明不要ですね。各論は口述で大変お世話になりました。
・刑法事例演習
Sランク教材です。十河先生の本です。刑法の答案の書き方がわかります。基本刑法を教科書として読んだら徹底チェック刑法片手に本書にトライするのが王道になっていくのではと思います。
・刑法事例演習教材
Sランク教材です。こちらも説明不要ですね。黄色いやつです。次に紹介する歩き方もめちゃ良書ですが本書と役割が違うため歩き方が出てもなお本書のシェアは下がらないと思います。
・刑法事例の歩き方
SSランク教材です。総論・各論に分かれているため学部期末試験やローの期末試験の対策にピッタリです。学説を丁寧にするだけではなく答案表現上の注意や司法試験との関係まで書かれています。著者の半分が徹底チェックの著者と被っているため、解説の内容が徹底チェックと相性抜群です。徹底チェックと刑法事例演習教材の対応箇所が書いてあるので相互学習しやすい点も良いです。
いいとこだらけですが、多論点型総合問題ではないのでこれをやれば予備・司法が解けるというわけではないという点には注意が必要です(刑法事例演習教材との役割の違い)。
・自作論証集
徹底チェック刑法とアガ論証の目次を網羅性の基準とし、徹底チェック刑法、載っていない場合は基本刑法に準拠したものを口述後に作っていました。
◯予習
事例回は授業前の時間に事例を黙読していました。
◯復習
していません
◯司法試験
口述の勉強で理解や暗記が済んでいたので各論のまとめを作成すること以外はしていません。過去問はR5だけです。
◯期末試験
歩き方の総論を読み返しました。試験当日の朝に論証を見返しました。
刑法総論(共犯除く)が扱う範囲なのに過失の共犯が試験に出てウケました。過失犯は司法試験でヤマ張っていたのでまたしても複雑な気持ちでした。
完全解答を作成したつもりだったのですが3回欠席が響いたのでしょう、思ったより低い成績でした。
【追記】
調べ物をする際、刑法〇〇の悩みどころが活躍しますが、総論範囲については法学教室連載の刑法総論の基礎にあるものの方が相性が良いです(同連載は基礎から考える刑法総論として書籍化されるようです)。
商法総合1 B
◯概要
はい、京都会社法大学院の商法総合です。通称「京大本」と言われる天下の会社法事例演習教材を一年かけて潰します。前期の商法総合1はそのうち第一部、つまり京大生でなくとも取り組んでいる受験生の多いパートをやります。ただし事例問題の解説ではなく、教材のQを順番にやっていく授業です。最終回は手形法事例演習教材(事前配布のレジュメ)です。
京大本と呼ばれるのは、著者3名がかつて商法総合の担当者だったためです。しかし現在は3名ともが京大を離れているので原義京大本ではないですね^ - ^
◯指定教材
会社法事例演習教材が指定されます。買いましょう。
その他、軸となる教科書として江頭が指定されます。授業で該当ページ数が板書されるのです。ただ鈍器なので授業に持ってきている人は少なかったです。実務に入ったら読まざるを得ない本ではあるので後期の時間を使って読んでみようかなと思っています。
◯私の教材・教材レビュー
高橋ほか会社法(通称「紅白本」)、重問、スタンダード商法総則・商行為、総まくり論証集、アガ一問一答、会社法判例の読み方です。
・紅白本
B+ランク教材です。会社法の基本書といえば、LQ、紅白本、田中会社法が三大天という世論ですね。そのうち1番噛み砕いた説明が特徴の紅白本を採用しました。元々持っていたので。
会社法版基本刑法、なんて言われています。確かに具体例が多く、日本語も読みやすいです。試験対策も意識されています。しかし、京都会社法大学院の商法総合との関係では、紅白本では乗り切ることがやや難しいです。まあ授業のベースが江頭なので三大天のどれをとっても耐えられないとは思います。そのため馴染みの一冊で頑張るしかなさそうです。
・重問
Aランク教材です。事例演習教材の第一部は試験頻出論点キットなので予備校の問題集で扱う論点とほぼ一致します。それらの論点の問題演習用です。ロープラユーザーもちらほら見かけました。
・スタンダード商法総則・商行為
Cランク教材です。学部時代から使用しています。第一部には会社法総則の論点も多数含まれています。紅白本だと会社法総則を扱っていないため商法総則の教科書との合わせ技が必要です。LQや田中会社法だと不要だと思います。本書は普通にわかりやすい教材ですが必要性を考えてCランクとしました。
・総まくり論証集
Bランク教材です。会社法が苦手(予備はAですがそれは学部期末試験と同じ論点が出たため)なので春休みの年度交代セールで買いました。
ミニミニ教科書+論証集というまとめノートスタイルで、手続条文の説明も省かれていないため有用でした。載っている論証は授業を踏まえてもそこまで修正する必要がないくらいには正確性はあったと思います。
ではなぜBにしたか。それはやはり商法総合との関係では全然「足りない」からです。授業で扱った論点を規範化したものを付箋でペタペタしていたのですが、付箋論証と既存論証の数が同じくらいになってしまった気がします。授業が濃すぎるがゆえです。たたき台としては使いやすいのでおすすめです。
385条類推や株式併合は載っていません。
・アガ一問一答
Bランク教材です。学部時代から引き続き。あると便利くらいです。
・会社法判例の読み方
Aランク教材です。重要判例について、基礎知識、背景、関連判例、学説等からなる解説が付されています。授業のレベルと合っているので当たりそうなときに読むと幸せになれるかもしれません。
◯予習
該当範囲の紅白本orスタンダード商法を読む→該当範囲の重問を解く→総まくり論証集を熟読→事例演習教材のQに目を通す→先◯ノ◯トで答え合わせ→ふむふむする。
これを6月頭までしていました。会社法のほぼ全てを半期で扱うので重問は組織再編以外全部やる羽目になります。そのため予習もハードでした。3〜4時間はかかっていました。
◯復習
未知の論点の付箋規範化作業はこれまでの科目同様授業中に済ませてました。5月下旬くらいまでは復習として説例の答案例を作成していました。民法総合ではこの作業の残りを期末試験前にしたため高得点が取れましたが商法総合はサボってしまいました。説例の復習起案は必須だと思います、、、。
◯司法試験
組織再編以外は授業進度に合わせた予習がそのまま試験勉強になるようにしていました。過去問はR3とR5の2つでした。試験開始の合図の後、足切りによる不合格を確信しました。Twitterロースクールの皆さんの「できていない詐欺」は許せませんねぇ()
◯期末試験
論証を一読、一問一答を一周、説例を眺めることをトータル半日くらいの時間でしました。巻末の演習問題はやっていません(やったほうがいいです)。
設問1でアンビリーバボーなミスをしたこと、設問2が全然わからなかったことを踏まえると妥当な点数がきました。予備試験だったら即F級の廃棄物答案だったのですが司法試験商法の方が♾倍酷かったので試験終了後ものほほんとしていました。
説例の類題が出るというのが通説的見解ではあるものの、説例より普通に数段難しかったです。なので巻末演習問題をやるべきですね、、、。
民事実務基礎 A+
◯概要
要件事実や執行保全、つまり予備試験の民事実務基礎科目に相当する内容をやります。2回に1回くらい課題が出ます。2年次前期に司法試験がある人にとっては1番の障壁となるでしょう。
◯指定教材
レジュメみたいなものとパワポで進行するので必要な持ち物はない(はず)です。
◯私の教材・教材レビュー
口述で大島本を全暗記済みなので学期中何もせず過ごしていたので省略します。
◯予習
なし。
◯復習
なし。
◯司法試験
なし。
◯期末試験
司法試験後1週間のお布団生活ののち、大島本を爆速で一読しました。口述直前には1日で2周読めるくらいだったのでそこから退化していたとはいえ五輪サッカーとともに1日くらいで読みました。後は執行保全の範囲はアガ一問一答を引っ張り出して覚え直しました。自習室の過去問を1個やり、時間ゲーなことを把握した状態で試験会場へ向かいました。
詐害行為取消は大島本に普通にあるので序盤はいい感じでしたが、問題文の事情で1つだけどうしても使い道がわからないものがあり、それだけ微妙でした。
詐害行為を授業でやっていないらしく訴訟物・請求原因から差がついたようです。授業でやっていないものが普通に出るとは聞いていたので授業をちゃんとやる・授業の復習をするというよりは大島本や類型別で網羅的に学習しておくほうが安心です。
知財法1 A
◯概要
知財法1では特許法を扱います。講義形式なので予習やソクはありません。後期に開講される知財法2では著作権法を扱います。個人的には特許・著作権じゃない知財分野の授業も開講してほしいですね〜。
◯指定教材
LQ知財法と判例コレクション知財法が指定されます。授業はレジュメと判例コレクションで進みます。LQは自分で勉強するときに読んでねポジです。
知財をこれまで勉強したことがある人ならLQでもいいと思いますが、同書はかなり簡素な記述なのでローで初めて学ぶ人には向かないかもしれません。著者なので授業との相性はいいですが。
判例コレクションはなくても自分の判例集で良いと思いますが、判例コレクションの番号がレジュメに書かれるので目次をコピーしておくのがいいと思います。
レジュメはとても丁寧です。学部も同じ方の授業を受けましたが、学部レジュメをより詳しくした感じです。予習をしたい人は内部生から学部レジュメを貰うといいのではと思いました。
◯私の教材・教材レビュー
LQ知財法、知財法演習ノート、論文基本問題80知的財産法、MRさんのまとめノートを使用しました。
・LQ知財法
Bランク教材としておきます。同書よりもわかりやすい同書の著者のレジュメがあるため必要性が低いです。
・知財法演習ノート
Sランク教材です。改正対応の知財法の演習書はこれしか存在しません。特許は10問くらいあります。司法試験との相性も良いため知財選択者は本書と友達になるしかないです。
・論文基本問題80知的財産法
B以上にしたいのですがCランク教材にします。2011年出版であり改正に全く対応していないこと、絶版で入手困難であることがその理由です。しかし、演習ノートが予備試験レベルで初めて知財法をやる人にはしんどいという事実がある中、論文基本問題80知的財産法は入門的問題演習本なのでちょうどいいレベルだと思います。私は学部期末対策及び予備対策に本書を使用していました。
・MRさんのまとめノート
Sランク教材です。百選が論証化されています。特許は論証ゲーな感があり、そのゲームを攻略するには百選の知識はマストです。それを論証化しているのですから全米が泣くに決まっています。
https://note.com/takumaa22nd/n/n3dcd0ab6c1df
◯予習
該当範囲のLQを読む、論文基本問題80を見る、まとめノートを見るのをしていました。1時間かからないくらいでした。特許は(司法試験を受けるまでは)得意だったので、、、。
◯復習
演習ノートの該当範囲をやりました。
◯司法試験
特許は予備対策でやっていたので上記以外は特にしていません。過去問も手が回りませんでした。その結果?司法試験では粉砕しました。自習で知財をするときは基本的に予備でノータッチだった著作権法をしていましたね。
◯期末試験
ん〜、知財も司法のヤマが期末に、、、。最近新しい判例が出た69条を予想していたのですがそれがそのまま出ました。84点だったのは出席点だと思います。
期末試験は毎年難しいことが知られています。演習ノートと自習室の過去問はやったほうがいいです。現場思考っぽい問題も毎年含まれていますが過去の講評を見る限り成績への大きな影響はない気がします。
終わりに
最後まで読んでいただきあざざました🌙 何らかのお役に立てれば幸いです。
人生の夏休みを過ごしていますがシホシケ発表が怖いです。現場からは以上です。