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【オンライン日本語講師】タメ口を学びたいという生徒さん

こんにちは。
オンライン日本語講師のRunaです🌟

最近は、生徒数も増えてきましたが、生徒さんによって日本語を学ぶ理由はいろいろあります。
生徒の目的に合わせたレッスンを提供したいと思っているのですが、難しいなと思うことがあるので、この記事で共有させてただこうと思います。

1月から新しくレッスンを受けてくださる方の中に、「タメ口を学びたい」という方がいらっしゃいます。
基本的に、日本語学習者は丁寧語から学びます。
タメ口は通常のカリキュラムと違うので、どう教えたら良いか悩んでいます。

生徒のバックグラウンド

まず、この生徒さん(Aさんとします)の背景についてご紹介します。

日本語を学ぶ目的

Aさんは、お孫さんのために日本語を学びたいという理由でレッスンを受けています。
この方のお孫さんは、今2歳です。

息子さんの奥さんは日本人ですが、幼少期からアメリカに住んでいるためAさん家族との会話は英語です。
息子さんの奥さんとお孫さんが日本語で会話しているのかは、聞いていないのでわかりません。

お嫁さん側のご両親は日本に住んでいるので、そちらのおばあちゃんたちとお孫さんが日本語で話せるようになってほしいと思い、Aさんが日本語の学習を始めました。
お孫さんはまだ小さいのと、恥ずかしがり屋なので本人ではなくAさんがレッスンを受けるそうです。

Aさんの日本語レベル

Aさんはこれまで、日本語を学習したことはないそうでひらがなを読むこともできませんでした。
旦那さんが、少し日本語を話せるそうで、いくつかの日本語の単語は知っていました。

タメ口を学ぶ必要性

Aさんはお孫さんが日本語を話せるように、日本語で話しかけたいと考えています。
本来、孫とおばあちゃんが丁寧語で会話する状況なんてほとんどありません。
お孫さんと話をするにはタメ口の習得が必須です

また、Aさんは特に来日の予定もなく、本当に孫のためだけに日本語習得したいと思っています。
このことから、Aさんには丁寧語の学習の必要がなく、丁寧語習得へのモチベーションはおそらく低いです。

私の個人的な思い

「お孫さんのために日本語を学びたい」という理由がとても素敵なのと、学習意欲がとても高く、レッスン外でも自己学習をされいるというAさんの人柄から、個人的に感情移入してしまい、なんとしてもAさんにタメ口を習得させてあげたいと思っています。

タメ口を教える難しさについて

タメ口の方が簡単だと思われがちですが、日本語はタメ口の方が難しいです。
例えば、動詞の過去形は「ます形」だと「食べます→食べました」「飲みます→飲みました」ですが、タメ口だと「食べる→食べ」「飲む→飲んだ」となります。

日本語学習者が苦戦する「た形」を早い段階で教えなければなりません。
変換のルールが複雑なため、学習者が覚えるのも講師が教えるのもとても難しいです。

Aさんのために考えた3つのプラン

Aさんがタメ口を学ぶために3つのプランを考えましたがどれもメリット・デメリットがあります。

タメ口のみプラン

全てのカリキュラムをタメ口で教えるプランです。

メリット:タメ口の習得が早く、習った文法ですぐにお孫さんに話しかけることができる
デメリット:早い段階から難しい動詞の活用をしないといけないので、楽しさよりも難しさを感じる可能性が高い

途中からタメ口プラン

普通形まで学習すると、タメ口に変換するのが楽になると考えられます。
そこで、普通形までは丁寧語で学習し、その後また第1課からタメ口で学習し直すプランです。
ちなみに私のカリキュラムだと普通形は第16課です。

メリット:タメ口への変換を理解しやすい。途中までは通常の学習者と同じ過程を辿るので、基礎レベルをスムーズに習得できる。
デメリット:普通形まで達するのに4ヶ月程度はかかる見込み。(週2でレッスンを受けた場合)

タメ口と丁寧語同時進行プラン

タメ口と丁寧語を同時に進めていくプランです。

メリット:タメ口も丁寧語も両方習得できる。
デメリット:一度に多くのことを学ぶので混乱しやすい。1つの文法を習得するのに2倍の時間がかかる。

最適なプランを検討

Aさんには、トライアルレッスンの時に通常は丁寧語から学習すること、それを踏まえた上でタメ口を学習する3つのプランのメリットとデメリットを説明しました。
Aさんはタメ口プランか同時進行プランが良さそうでした。

現在は、時間や日にちなど基本的なことを教えています。
次回から、文法に入る予定です。

文法は第1課:名詞(〜は〜です など)、第2課:こそあど なので、ここまでは、丁寧語とタメ口同時に教えようと思います。
その理由は、タメ口は『です』をなしにする、または『だよ』などに変換するなど、丁寧語からタメ口への変換のルールがとてもシンプルだからです。

問題は第3課からです。
ここから、動詞を教えることになり、さっそく過去形、否定形、過去の否定形などを教える必要があります。

助言をもらってみた

過去に何度か記事にも書いたことがあるので知っている人もいるかと思いますが、私には日本語堪能なアメリカ人彼氏がいます。
彼に相談してみました。

やはり、タメ口習得はかなり難しいそうです。
彼は丁寧語を一通り学ぶことを勧めていました。
しかし、Aさんのモチベーションを考えると、丁寧語を教えるのは得策ではない気がします。

それを踏まえて相談したところ、彼的には、「Aさんが学習能力が高い人なら、早いうちから動詞の活用(た形、ない形)などを教えてもいいと思う」とのことでした。

ここまでレッスンをしてみたところ、Aさんは他の生徒さんと比べて覚えるのは割と早い方で、レッスン外でも学習しているようです。

このプランで教えてみる

以上のことを踏まえて、Aさんには同時進行、またはタメ口のみで教えてみることにしようと思います。(カリキュラムの順番は微調整が必要になりそうですが。)

やってみてどうだったか、進捗などまたご報告します!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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