未来へ生きていく。天気の子
今まで生活してきた日常がコロナでどんどん変わってしまい、ニュースでは「毎日感染者が○○人です」、「感染予防を!」「密を避けて行動して」とたくさんの情報が、毎日目にする日はないくらいありますよね。
1月3日に『天気の子』が地上波で初めて放送されました。その映画のメッセージで、毎日辛いな、苦しいなと思う人に届いて、ちょっと気持ちが軽くなればと思います。
『天気の子』の副題
「天気の子」の副題は知っていますか?この映画の副題は「Weathering With You」です。このweatherには“天気”のほかに“嵐や困難を切り抜ける”という意味があり、「Weathering With You」には、厳しい天候や困難をあなたと一緒に乗り越えたい、という思いが込められています。2020年、世界は180度変わってしまいました。
新海誠監督がこの副題のメッセージを伝えようとしてくれました。そのCMのセリフがこちら
元の世界に戻ることなんてないのかもしれない。この世界で生きていく。生きていくしかない。だからせめて、食べて、笑って、恋をして、泣いて、怒って、ケンカして、それでもただ一瞬でもただ多く、笑い合ってその瞬間を愛しく思えたら、大丈夫、僕たちは。
新海誠監督が語った“未来への想い”
『報道ステーション』特集企画「未来を人から」に新海監督が登場し、『天気の子』を制作した思いを語っていました。そこで、
「どうしてそういう映画を作ったかというと、世界が決定的に変わってしまうような予感が、ハッキリとあったからなんです。それは僕だけじゃなくて、みんなずっと思っていたこと 。 漠然とした不安みたいなものって、みんなの心の中にあり続けてきたと思うんです」
「でも、それが新型コロナウイルスのような形でもたらされるとは、まったく考えもつかなかった。本当に大事な変化、巨大な変化というのは、僕たちの想像を超えた部分にあるんだな、と」
「今、自分たちはコロナ禍の最中にいて、終わったときのことというよりは、今そのものを乗り越えることに必死ですよね。今、たまたま自分がいるこの場所で、なんとか必死に生きていくということ。誰にとっても当たり前のことかもしれませんが、それでしか未来はつながっていかない」
「天気の子」を見て見方が変わった
人間歳とるとさあ、大事なものの順番を、入れ替えられなくなるんだよな。
帆高を追い出した後の圭介のセリフですね。そのあとに、
「でもまあ、仮にさ、人柱一人で狂った天気が元に戻るんなら、俺は歓迎だけどね。ていうか皆そうだろ?」
小説版ではさらにこう続きます。
「誰かがなにかの犠牲になって、それで回っていくのが社会ってもんだ。損な役割を背負っちまう人間は、いつでも必ずいるんだよ。普段は見えてないだけでさ」
「天気の子」で帆高と対立しているのは『大衆』という構造が見て取れました。天気よくなったね~と言っている『大衆』は映画の観客と違って帆高のことも陽菜のことも全く知りません。大切なものの順番がそれぞれの状況や立場で大きく変わってしまう。そんな怖さみたいなのも感じました。
もし自分がこの世界の無関係な大衆の一員だったとしたらと考えると、とてもじゃないけどそんなこといえませんでした。
コロナでたくさんの人たちが頑張っています。飲食店の方々、医療従事者の方々、政治家、世界のあらゆる人たちがコロナのため、未来の世界のために必死に頑張っています。自分も『大衆』のように、なってはいけないと気づかされました。自分が知らないところで頑張っている人たちがいることと考えられたら、自分の行動も少しずづ変えていってみようと思いました。
さいごに
天気の子を初めて映画館で見たときと今回見たときで捉え方が変わりました。世界は変わってしまいました。でもその中でも幸せなことはあります。暗いニュースばかりでも、自分の周りの人と過ごせる当たり前な喜びに目を向けてみてもいいかもしれませんね。映画は見るときの状況、人の想いで変わります。何回見ても映画はいいですね。
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