wind部分6

交差点

「私に染み込んでいる北方のシャーマニズム」が「鉛筆の」先から時折滲み出す感覚がある。私に巫女(イタコ)の自覚はないし、そんな能力などないのでなんだろう?と思う。その不思議な感覚で画面が揺れてまた新しい絵が顔をだす。それを留めようと線を走らせる。もとの線、滲み出した線、新しい絵の記憶を留めようとする線。私の絵は交差点みたいだ。なにかが飛び交い、なにかが衝突し、なにかが重なる。「何を描いているの?」と尋ねられることもありますが「私にしか見えない光や映像の交差点」もっと正確に言うと「描いている時に限って見えるわたしよりも昔のひとの記憶だったり、今日の空の匂いの重なり合い」だったりします。それが質問への答えになっているかは分りませんが。

2014 木炭、鉛筆 

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