細木 るみ子
写真と言葉
By RUMIKO Henderix
制作の秘密
絵描きの日常
日没後の青で描く。暗くなるまであっという間の宇宙タイム。
昨夜から今朝にかけて空想#09。あっという間に終わった。リズム。私自身のリズムで描く。光。生活に刺す北の光。低い太陽の示すもの。温存の硬い殻。殻の中で生々しく生きる強い意志。温める。自らの力で。たまるエネルギーはどの季節よりも強く春までのccrescendoは始まっている。繰り返される冬の記憶、季節の意識は、たくさんの蕾のイメージ。蕾の本当の感触。本当の姿は絵に現れる、という幻想。われわれは幻想に貶められ、幻想に滅ぼされかけて、幻想に生かされる。幻想は生きている。幻想はたくま
土日は完全に引き籠った。そもそも制作ってーのは、引きこもって人との関係を絶たないとなかなかできないものである。なので、引きこもりは生活の中でむしろ必要不可欠な時間なのである。しかし、延々と長い時間は無理なのである。それは、仕事なり、雑事なりが、生きていくあれこれが私を過るのは必須なのであって、しかし。完全なる引きこもりというものはさすがに飽きるのであって、講師業も、雑事も、自分の生活のリズムになっているわけである。 リズムというか、バランスというか。講師業も好きな仕事なので
脳のチャックを開けよう。ジジーっと。開いて緩めて呼吸して。集中力もコリコリになりすぎは体中こちこちになっちまう。 もうすこし好き勝手にゆるーりと身勝手に 禁欲的過ぎる癖 どうかねどうかねどーなんだね もう勝手放題やっちゃって そんくらいの感じで なんもなんもいいんでないの
私の素描は、停止画像ではなくて、時間も空間も留まっていないものでもある。 タイトルは、描きながら探り、その絵の制作の終わり、終着点に向けて、今置ける言葉をそこに置こうっていう、刻む印のようなもの。
午後三時過ぎ、映り込む光であそぶ。 だんだん日が長くなると、同じ冬のようでいて光の風景は変わっていくのか。 みーつけた、みーつけた、とやや雪が解けるくらいの午後三時、しばらく路上で反射する光をパチリパチリと写しながら歩く。 室内でも。
小さな紙片相手に実験を重ねる。 毎度違う線で勝負だ。 少し時間を置いてふと見ると、線の動きに身体がグラッと来る。 初めてのグラリの手ごたえだ。 それはちょっとの違いに見えるかも。 同じ鉛筆の線だよね、っていう人もいるかな。 けれど、線と線の合間に、新しいグラリの宇宙ってのは なんぼでも湧いているんだ。
今回は、ギャルリー志門さんのドローイング祭といったような、前後期にわたりたくさんのドローイングが並ぶ展覧会への参加です。P10号一点、東京に出すのも久しぶりです。 以下は展示に際して。 〇 野生の作法/N42<風の種を探して> 送付当日になって、当初予定していた水源の知覚シリーズ新作を出すのをやめ、この作品に変えた。目の粗いモンバルキャンソン紙に濃い鉛筆で強く描いたもので、水源シリーズの肌理の細かさから見ると、ザラッとした感触のもの。東京での展示に際し、なにかこう
忘れっぽい私は最近記録魔になりつつある。「今」を今、いかに刻むか。しっかりと私自身に刻みたい。手ごたえが必要だ。そして、欲深い私は、そこからもっと知らぬ空間へ広がりたい。突き抜けたい。はみ出したい。絵を描くことは、記憶と「今」の身体とを縦横無尽に泳ぐための手段なんだ。
細木るみ子展 カメラ=鉛筆 もうすぐ新しいものが吹き込んでくる 2020年10月16日(金)~25(日) 10:30~18:00 水曜定休 廊-KOHBUNDO https://www.rou-kohbundo.com/ 帯広市西2条南9丁目6 六花亭本店3階 TEL 0155-23-4517 今年に入ってからもどっぷりと鉛筆漬けの日々だった。芽吹きのシーズンは、長い時間を家で過ごすことになり、そうとなったら描いて描いて描きまくるしかない。鉛筆実験室と称して、カ
芸術とは何だ。限りあるひとりができることってあるのかな。 少なくとも、そこで誰もが遊ぶことのできるカーペットのような、網のように通風孔の空いた隙間を多く編み込んだもの。風通しが良くてね。 光の加減で何億ものヴィジョンが見え、それでいて、どんな場所にいても、その求めるものが行き場を失わないもの。すべてどんなものでも目で追えるようなたくさんのなにかを含んだもの。 そんなカーペットみたいな作品を、生きているうちに、一枚でも多く作ることができたら、と思う。 カーペットに寝転がる。さ
このところ、のこりものを使い切ってしまいたい病だ。のこりもの・・・というか、制作途中のままのこされた、暴れん坊なモチーフたち。 ごめんなさい、のこりものではないね。そうだよね。頭んなか「おとしまえつけたる!」という言葉が渦巻くんだからさ。つまり、暴れん坊になりすぎたモチーフたちを、なんとかかたちに!という新たな挑戦状なのである。 それがそれが。ところがところが、こやつらがとてもとてもめんこくなってきた。ずっとずっと、材料箱の中にいて、かなりひっかかりながらも解決の道を探し
今回は、ここ数年の制作を中心に、釧路では初めてなので初期の作品も数点加え、広い場所で、それらを並べる空間を造ることができたのが良かったです。私にとっての鉛筆素描は一点で完成するものではなく、自分なりの格闘の連続そのものだったりするので、それらを見てもらえることは、作品そのものを見てもらえることなので、ああ、この展示違う!これじゃ伝わらない!というストレスが無くて、ありがたかった。 立体や、写真、音楽素描は、これまでやってきた鉛筆素描を問い直すための実験的なものですが、こ
今回展示してる「音楽の卵」。こやつは本当にすごく呼ぶやつだった。 わたしなりの決着でこの絵を終え、額装して部屋にしばらく置いておいたら、もっと描いてくれないかなと突然呼ばれた。うーむと、仕方なく額から出してじっくりつきあう。そして、もう君とはバイバイね、とまた綺麗に額にしまいこむ。それなのに、いやいやまだまだだよ、と。 きみとは十分お付き合いしたではないか。そろそろ次へと解放させてはくれまいか。しかし、どうも「音楽の卵」はそうさせてくれない。そのしつこさたるやオカシイ。だっ
村中鉄也 × 細木るみ子「土と鉛筆アラモード」 村中鉄也の彫刻と細木るみ子の鉛筆画を中心に、ふたりの多彩な作品を展示いたします。 2019年8月13日(火)~8月25日(日)11:00~20:00(最終日17:00まで) ※8月19日(月)定休日 MINTCAFE ガレリオ オリザ 帯広市大通南6丁目14-1 0155-67-4039
怒涛の一週間、まるでタイムマシン。ようやく我に返って現像一枚。過去と場所と血が地続きの場所にエアポケットがあった。「エアポケット腑」に落ちて、我に返ったんじゃなくて、わたしは「アナザーワールド腑」に立っていた。