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お母さん

あなたにとってお母さんはどんな存在ですか?

私にとって母は
正義感があり、子ども想いで、
優しさ、思いやりに溢れた人でした。

母を思い出す時の表情は
優しい笑顔しか浮かばず

感情的に怒ったりイライラしているのを
小さい頃から見たことがありません。


2024年6月5日
母は76歳で人生の幕を閉じました。


母が亡くなったという現実が
いまだに信じられず、

あの優しい笑顔と
楽しく心地よい会話を思い出すと

涙が溢れます。




私には、2歳ずつ離れた姉が二人いて、
三姉妹の末っ子。

小さい頃、母は私に可愛い格好をさせたいと
たくさんの可愛いお洋服を着せてくれました。

姉たちはボーイッシュな服を着ることが多く、

可愛い洋服よりも姉たちの服装に
憧れていた私をよそに、
母は可愛い格好を私にさせ続けていました。笑

私が可愛い格好をさせられるのを
嫌がって泣いても

子ども思いな反面、自分のこうしたい!
は譲らない人でもありました。


いつも自然体で全てを受け止めてくれる
懐の深い母がそこにいるだけで

母の周りには、不思議な
あたたかい空気が
流れていたなぁと思います。




10年前
母は習字教室の支部長を任されました。

引き受けてから迷いがありながらも、
責任感を持ってその務めを最後まで
果たしました。

子どもたちの意欲を伸ばしたり、
上手になるための指導力を磨こうと
努力してきた母。


6年前から患っていた間質性肺炎の治療を
後回しにしてまで習字を優先していました。


健康があってこそ、
習字も長く続けられるのに

自分の健康よりも教室の子どもたちのために
動き続ける母を心配し

何度か姉たちと治療に専念するよう
説得したこともありました。


その時は心配で仕方なかったのですが


自分の"今"
子どもたちの"今"を
大切に生きる生き方をしたんだな、と

ずっと理解できなかった母の気持ちが
今はわかるような気がしています。


今自分のやるべきことをやることが
母の最大の幸せで

先のために今を犠牲にする生き方は
母にとっての幸せではなかったんですよね。



いつ死ぬかわからない
戦国時代の武士のように

その日その日を一生懸命
人のために、自分の幸せのために
生きる生き方は

母にとっては自然なことだったのかも
しれません。


なんで、私たち、孫たち、
習字の子どもたちためにそんなに頑張れるの?

何度そう思ったかわかりません。



自分のしてあげたことよりも、
してくれたことに

いつもいつも感謝して
私たちにも接してくれていました。



そんな風に感謝の気持ちに
溢れていたからこそ

母らしい愛の溢れる人生を
過ごしてきたんだなと思います。




自宅療養をしていたある日の
母との会話の中で

「何も制限がなくなったとしたら、
お母さんはどんなことをしたい?」
と聞いたら


「健康に戻ることができたら
ボランティアがしたいかな。
地震で被災した人たちのために。」

と言ったことにとても驚きました。


習字教室は、幸いとても素敵な方に
引き継ぐことができたので
家で過ごすことが多くなった母の
やりたいことは、

習字ではなく


もっと多くの人に役に立つ生き方がしたい
したかった、という思いでした。


そして
どこまでも人のために動こうとする、
その性分は、尊敬を通り越して
私には神様レベルで、

どれだけ努力しても
母のようにはなれないな
と思った瞬間でした。



母は私たち三姉妹を、
愛情深く大切に育てあげ

私たちが結婚して子どもが生まれてからも
孫の面倒を
疲れた顔一つ見せず

子育てをまたスタートしたかのように
楽しんで、お世話をしてくれました。


私たちの仕事や子育ての大変さに共感し
それを行動として支えてくれるエネルギーは

若い私たちよりも体力があった
ということではなく、

血縁とは無関係に
子どもが大好きな母の
"あたたかくて深い愛のエネルギー"でした。



どれだけ大変なことがあっても
「母さんは子宝に恵まれたから幸せだよ」
が口癖。

そんな言葉をいつも聞いてきた私たちは
誰よりも幸せ者だと

心から母を誇りに思います。


もうお母さんとは話すこともできなくて
今は悲しすぎて、

何も手につかないけれど
こうやって母を思い出しながら
言葉にすることで


少し気持ちも
和らいできている気がします。


もっとやってあげたかったこと、
伝えたかったことはあるけど


最期の苦しさの中で
私たち三姉妹が母のところに向かうまで

3人をしっかり待ってから旅立ったことも
母が起こした奇跡であり
私たちにくれた最後の愛のカタチ
だったと思います。


色んな偶然が重なり合い
母がして欲しいことを姉と一緒に聴けたこと、

旅立つまでの準備全てがスムーズに
進んでいることは、

母が今までに積み重ねた人徳が
あったからこそだと思っています。


人を大切にすること
愛情をかけること


気が短い私は
母のようにはできないけれど、
母がしてきてくれたことを思い出しながら
私も少しずつ成長していきたいと思います。


また母のことを思い出して
思いを綴りながら


母と過ごした大切な時間を
しっかり感じたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました☺️



#創作大賞2023 #オールカテゴリ部門


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