メンタルクリニックへ行ったら、どんな人間でもうつ病って診断されるよ。そう言って笑った同僚のR君へ。君が今当たり前におくっている日常と、好きなものを好きと思える気持ちをすべて奪わせてください。それからお話しましょう。
なんだか落ち着かなくて、駄目で、すごくだめで、ゾルピデムを追加で飲んだ。寝ている間はこの世界から消え去ることが許されているから好きだ。はやく連れて行ってよ。
たぶん殆どの人間は、砂と海の間に立ち、様々な波に足を取られないように気を付けながら、砂の動きを楽しんでいる。わたしは海から遠く離れた丈夫な家で、ベッドに横になり、本を開いて、人気のない海の写真を眺め、なんだか怖いなあと呟く。今日はそんな感じの夜です。おやすみなさい。
今日も誰かが社会に触れて、時間とともに何かを変えている。別の角度から社会に触れている人にも、何もしていないわたしにも、変化は平等に訪れる。けれど社会はわたしの存在を知らない。下を向けば働き蟻に気付くのに、数百倍大きいわたしは誰にも気付かれることはないのだ。わたしは透明人間だから。