浮遊城
私の感覚だったものが
貴方にぶつかって形になる
言葉にした途端
砂の中から
じわじわと確実に立ち現れる
見覚えのない砂の城が出来上がる
出来た途端
足場は崩れ去り
新たな塔が立ち現れる
城になるか門になるか
まだ得体の知れぬそれが
砂場を離れ
軽やかに中に浮かんでいる
少し濡らして固めてみる
決して濡らしすぎてはいけない
落ちてきてしまうから
二人で固めた
その妙な建造物には
他の誰も入れない
今日も花の香りを頼りに
私たちは旅に出る
この浮遊する城を
優しく降ろせるところを求めて
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