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孤舟の上に飛来する

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三つ目の詩集。
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遅く起きた日曜日は

蛇口、水滴

日が昇り、さらに昇り

息苦しくなり始めた

私の匂い、私のものの匂い

じわじわ汗をかいてくる

水滴がコップと空間に広げた波紋

私以外の何か

感覚の拡張

私が私を規定するもの

境界

連綿

孤独、暗闇

心の伸縮性

離れられぬ肉体

同じ場に存在する想像力

感受

真理以外の届かぬ暗闇に潜り続ける

平常心

心と場の繫がり

感覚の上に積み重ねた概念

概念即是感

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その風は甘い香りを運んで、去っていった

パラパラパラ
めくられていく

風にめくられ
手でめくられ

そのたび際立つ輪郭がある

めくり続けて
けずり続けて

残ったものはなんだったか

もうこれ以上は
そう思った時に光だす

めくったページも
次のページも気にしない

この動作の細部に神を宿す

心の鼓動を聞く
手足が動き出す
見逃さないように
精力を込めて

また忘れそうになる
表紙に書いた
タイトルはなんだったか