背番号「4」
45年前のサッカー選手・Sくんのお話です。
Sくんは小学校の同級生で、同じサッカークラブ(男女混合チーム)に入っていました。
しばらくして背番号が決まり、Sくんは4番に。
すると、まだ皆、幼かったこともあり一部の男の子たちが「お前の背番号、死人のし(4)!」等々、Sくんをからかい始めたのです。するとSくんは…
「ちがう! 4番は “よいこ” の4番なんだ!!」
と、とても大きな声で言い放ったのです。怒って言い返すというより、まるで宣言するかのように。
呆気にとられ、何も言い返せない男の子たち。
なんてすごい答えなんだ!と、たまたまそばにいた私もSくんの迫力に圧倒されました。当時、「前向き」や「尊敬」「感心」なんて言葉は知りませんでしたが、それらを一度に感じたのだと思います。もし私が同じことを言われていたら絶対泣いていたし、そもそも友達に誘われ無理やり入ったクラブだったので辞めていたかもしれません。
残念ながらSくんは小学校2年生の時に転校してしまいました。
新しい学校でも4番を付けてサッカーをしていたのかな。
私は今年で52才になりますが、今でも辛いことに出くわすと「ものは考えよう」だと、この出来事を思い出します。
Sくんは今でも私の中の大選手です!
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