Aの本がQの本になる [もうひとつの時間]
『旅をする木』星野道夫(文春文庫)の中に、探していた文章を見つけました。
その文章には[もうひとつの時間]というタイトルがついていて、冒頭にこんな言葉が
「これだけの星が毎晩東京で見られたらすごいだろうなあ……夜遅く、仕事に疲れた会社帰り、ふと見上げると、手が届きそうなところに宇宙がある。一日の終わりに、どんな奴だって、何かを考えるだろうな」
これは、著者の星野道夫と友人がアラスカの氷河の上で野営をしてオーロラを待っていた時に会話していたこと。
コロナがなくても、たぶん私はアラスカには行かない。だけど、この本を読んでいて、その感じがなんとなく想像ができるのも、素敵かもと思う。
SNSで日本中の世界中の人々が見たこと、考えたことがシェアされていくけれど、その一つ一つに「もうひとつの時間」が流れている。その場面の断片をただ消化するように見て流すのではなく、ちょっと気になったら、ちょっと立ち止まって、気になった理由を自分にきいてみる。そおしたら、そこの人の時間がここにやってくる。そして、その時起き上がる「自分が思うこと」を大切にしたい。
そして、思い出した SEKAI NO OWARIの『スターライトパレード』
それはまるで僕たちの文明が奪った夜空の光のように
わたしの住む街はこの歌詞の世界の中。だけど昼も夜も空の向こうに星があることを知識として知っていて、その景色を想像することができます。
今日、2021.2.21 13:41 の空
これからもっと自分の中に同居する「もうひとつの時間」が増えて「たくさんの時間」になるといいな。
それで、次のQ 。「もうひとつの時間」を、自分の中に留める方法ってどんなのだろう?