中華料理の回転テーブルはなぜ作られたのか|回転テーブルマナーとは
中華料理の円卓で使用されている、回転テーブル。あれは「いつ」「誰が」「何の目的で」作ったのかが気になり、調べてみることにしました。回転テーブルの使い方・マナーなどもあわせてご紹介します。
|回転テーブルは中国発祥ではない!?
中華料理店で見かける回転テーブルは、日本発祥であるということです。ホテル雅叙園東京(旧 目黒雅叙園)の創始者でいらっしゃる、細川力蔵という方が回転テーブルを立案し、作られたのです。
細川氏は、お客様が大皿の料理をとるときに、立ち上がって手を伸ばすなどをされているのを見て、「座ったまま料理をとり、次の人へまわすことができないか」と考えたとのことです。
それは、1972年(昭和7年)のことだそうです。日本人の「おもてなしの心」から、回転テーブルが誕生したのですね。
そのときに作られた回転テーブルは、今でも現役で活躍しているようです。
|回転テーブルを使うときのマナー
席順は、入り口から一番遠い場所が上座となり、主賓が座ります。そのあとの順序は、主賓から見て、主賓の左、右と順に座っていきます。
接待を任されている側の人は、一番入り口に近いところに座り、飲み物などの追加オーダーに対応するようになります。
テーブルの上に用意されているナプキンを手に取るタイミングも、マナーがあります。着席してすぐに、ナプキンを手に取って広げ始めてしまうのは、マナー違反となります。
ナプキンは、ホストや主賓の挨拶が終わってから手に取るようにしましょう。
回転テーブルに置くものも決まっています。基本的に、みんなで使うもののみと覚えておくと良さそうです。たとえば、お茶の急須・料理の大皿・調味料などです。
個人で使用するグラスや取り皿、飲み物のビンなどは置かないように気を付けましょう。
取り皿は、一つの料理ごとに取り換えて使います。使い終わったお皿は、重ねてしまっても大丈夫です。自分の席の邪魔にならない場所に、重ねて置きましょう。
回転テーブルに置かれた大皿料理の取り分けですが、上座の主賓が最初に取り、そのあとは時計回りに順番に取っていきます。最後の人に十分な量が残っているように、最初は少なめに取りましょう。
料理が残ったあとは、食べたい人が自由におかわりできます。タイミングを見て、ゆっくり回転テーブルを回して、取るようにしましょう。
気を遣う日本人は、代表で一人が全員分を取り分けたりすることが多いですよね。これは、中華料理の場合はマナー違反となります。各自が自分の分のみ取り分けるように、気を付けましょう。
また、席を立って料理を取るのもNGとなります。ゆっくりとテーブルを回転させ、自分の目の前で料理を取るようにしましょう。
食器の扱い方ですが、日本人は取り皿を持って食べる習慣がありますが、これは日本料理のみの作法となっています。中華料理でも「茶器」と「飯椀」以外は、持ち上げないようにするのがマナーとされています。
|まとめ
回転テーブルが、日本人が考えたものであったとは意外でした。日本の中華料理店は、日本のおもてなしの心と中国のおもてなしの心、両方をたいせつにしているのですね。
日本人であれば普通に行う行為でも、中華料理を食べるときはマナー違反となることが意外と多いということがわかりました。マナーにとらわれすぎてもいけませんが、同席者を不快にさせないように気を付けたいものです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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