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買い物は「そのとき自分が、どれだけ満足できたか」にかかってくるものなんだ【#超短篇小説】

ポイントカード・シンドローム

「いやぁ、得したー」

「何が」

「コレ買うと、今ポイント還元2倍だって言うからさ。この前から気になってたし、思い切って買っちゃったんだよね」

 袋の中を覗けば、おそらくはメイクアップ用のアイテム。

 ちょっとした機械っぽい代物だった。

「またポイントたまってきたしー。今度は何と引き換えようかなぁ」

 ほくほく顔で袋の中身を見ているカノジョには、しばらくの間何も言わないでおこう。

 さっと検索して、わかってしまった。

 カノジョが買ったのは、いわゆる『型落ち品』。

 そして、最新機能が付いた商品が、ポイント還元分を加味してもだいたい同じ値段で売っている――そんなこと、口が裂けたって言えないだろう。

 充足感に満たされている買い物が、この世でいちばん幸せなのだ。



あとがき。

 結局どのみち財布は薄くなるんですよ。


 ※某サイトで放置したままだった作品を引っ張ってきました。


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御子柴 流歌
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