【オーストラリア・パース生活】カフェで無銭飲食未遂を起こした時の話
一つの土地に長く住んでると、大なり小なり「うおぉ、やってしまった~!」的な出来事が発生するんですよね。私もパースで色々とやらかしてきました。前回の記事の執筆中に思い出した懐かしい事件があるので、今日はその時の思い出話をしようと思います。
事件を起こした場所は、前回の記事に出てきた PLANET CAFE です。
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2012年11月のとある日曜日。その日は、翌日の期末試験のためにカフェをハシゴして勉強をしていました。1件目は恐らく Caffissimo で、2件目が PLANET CAFE でした。「結構集中して勉強できたし、そろそろ帰ろう」と私は席を立ち、普通に店を出て、向かいのスーパーで夕飯の買い物を済ませ帰ってきました。
家に到着して30分後、違和感を感じる私。
「おかしい…」
「何だろう、この違和感は…」
「何かを忘れているような気がする…」
「一体何なのだろう…」
「あっ!!ラテの代金払ってないっ!!!!!」
そう、堂々と無銭飲食をして来てしまったんです!私にとっては人生初の出来事で、無意識とは言え、食い逃げをしてしまった事実にかなりのショックを受けました。
事の経緯は次の通り。
パースにあるカジュアルなカフェは、大体がカウンターサービスの前払い制です。つまり、カウンターで注文と支払いを済ませてからテーブルにつくので、帰りはそのまま店を出るだけです。
ところが、PLANET CAFE はテーブルサービスの後払い制で、店員さんがテーブルまで注文を取りに来てくれるスタイルでした。頭では分かっていたはずなのですが、注文内容もコーヒーだけでしたし、恐らく感覚的に他のカフェと混同してしまったのでしょう。うっかり清算するのを忘れて店を出てきてしまったのです。しかもレジの真ん前を堂々と素通りして…。
「あ~、やってしまった~」とテンパりながらも、私は財布を掴み急いでそのカフェに戻りました。カウンターに直行し、『さっき、そこのテーブルでラテを頼んだ者です。うっかり支払うのを忘れて店を出ちゃいました。本当にごめんなさい!』と正直に謝りました。
気になるのは店員さんの反応です。
店員さん:「ああ、さっきのラテね~(ニコニコ)」
店員さん:「〇〇ドルだね、ありがとう(ニコニコ)」
私の心の声:「(え、それだけ?普通に笑顔だし)」
まるで何も無かったかのような反応で、通常と何ら変わらないプロセスでレジを打ち始めました。しかも、終始笑顔で感じが良く、私は拍子抜けしながら支払いを済ませました。
支払い後、最後にもう一度謝ったのですが、逆に「(この人、何でこんなに真剣に謝ってるのかしら)」と言わんばかりの表情で、「わざわざ戻ってきて支払ったんだから何の問題もないじゃない?」と不思議そうに言われてしまいました。
相手が寛大に接してくれているにも関わらず、しつこく謝り倒すのも失礼なので、「ありがとう、この店好きだからまた来ますね!」と笑顔で伝え、私はその場を去りました。
そんな感じで、無銭飲食未遂を起こしたわりには、後腐れもなく、むしろ爽やかな気持ちで帰宅するという結末でした。
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パースで生活していてよく感じることなのですが、この街の人達は、細かいことはあまり気にせず大らかで寛容です(悪く言えば大雑把でもありますが…)。また、仲間意識(マイトシップ)や平等意識(フェア・ゴー精神)からくるものなのか、ごく自然に、周囲の人達をフォローしたり助けたり許したりします。
私は、そんな大らかで誰に対してもフレンドリーなパース市民の気質がとても好きなんですよね。そのカフェの店員さんも、仕事だから表面的に対応したという感じではなく、「そんな小さいこと気にしなくて大丈夫よ」と本心で言ってくれているようでした。
そんなこんなで、支払い忘れに気付いた時はかなり焦りましたが、パース市民の明るく大らかな気質に触れ、結果、ポジティブな経験として記憶に残る出来事となったのでした。