うまくいく起業家と凄腕料理人に共通すること
こんにちは。
倉地類人です。
さて、今日は、
うまくいく起業家と
凄腕料理人に共通すること
というテーマで、
記事を書いてみたいと思います。
僕はですね、20年近く前、
ラーメン屋さんで
働いておりました。
ただのバイトじゃないですよ、
ガチ勢、社員としてです。
20代の頃は、
ラーメン屋さんで
起業しようと思っていて、
お気に入りの横浜の
お店に弟子入りして、
そこで働かせて
もらっていたんですね。
しかし、その店で
働いたことによって、
僕は飲食店で起業することを
諦めることになります。
その理由はこうです。
「僕には料理の才能はないことに
気づいてしまった...。」
何が起きたかと言いますと、
その店で僕は料理の天才と
会ってしまって、
自分の才能のなさに
ショックを受けたんですよね。
その料理の天才は、
人気ラーメン店を経営する
その店の社長で、
ことあるごとにまかないを
僕たち従業員に
振る舞ってくれていました。
そして社長の作る料理が、
何を食べても
うまいんだわ、これが。
その店のラーメンのレシピも
社長が開発されたわけですが、
ラーメンだけじゃなくて、
何を作っても超美味しい。
ある時、社長が家から、
鍋に入れたカレーを持ってきて、
僕たちに振る舞ってくれたんですが、
野菜ひとつひとつに
カレーの味がしっかりと
染みていて、
今まで食べたことの
ない旨さを
味わったかと思えば、
ある時は、市場かどこかで
ネギトロを買ってきて、
ネギトロ丼を
作ってくれたのですが、
もうこれが天才的。
「え?どうなってんの!?」
って思うほど、
うまいわけですよ。
もうね、カレー屋さんでも
ネギトロ丼屋さんでも、
社長なら成功するだろうなと
思えちゃうほど。
社長は料理がうまいだけじゃなくて、
人徳者の方で優しかったから、
僕が作り方とかを聞くと
ぜんぶ教えてくれるわけですよ。
「社長!料理がうま過ぎます!
いったい、料理をする時、
どんなことを
意識されてるんですか?」
そんな質問をすると
こう返ってきます。
「料理はバランスだよ。」
今でも忘れませんが、
この言葉は僕にとっては
非常に重かった。
社長は常に料理をする時に、
バランスを考えて作っていて、
さっきのカレーの
作り方とかを聞くと、
もう発想からして違うんですよ。
「社長!この恐ろしく
カレーの味が染みた野菜、
これだけ味が染みているということは、
かなり煮込んであると思うですけど、
まったく野菜の形が
崩れていないのは
どうしてですか?」
そんなことを聞くと、
天才は惜しげもなく
作り方を教えてくれます。
「カレーは煮込まないんだよ。
野菜に味が染みるときは、
熱したあと、冷める時に、
味が入っていく。
だから、コトコト煮込むんじゃなくて、
カレーが煮えたらその時点で、
火を止めて1日、冷ます。
そしたら次の日に
火を入れてまた冷ます。
それを3日繰り返したのが
このカレーだよ。」
煮込まない!?
冷ます!?三日置く!?
いやいや天才じゃん!
だから煮崩れすることなく、
こんなにも味が染みた
カレーになっていたのか!?
ネギトロ丼も
聞いちゃいますよ。
ネギトロ丼なんて、ご飯に
海苔を散らして、
そこに大葉とネギトロを
載せるだけじゃないですか?
なのにどうしてこんなに
美味いんだ!
と思うわけですよ。
「社長、このネギトロ丼、
一見、普通のネギトロ丼なのに、
やたらと美味いんですけど、
これ、どうなってるんですか?」
「ん?それはね、
わさびに味の素をちょっと、
加えてあるんだよ。」
わ、わさびに味の素!?
「そうすることで、
ネギトロ丼としての
バランスが整うんだ。」
ここでは、
味の素なんて邪道だ!とか、
言いっこなしですよ。
だって、実際、
抜群に美味いんですから。
わさびに味の素...。
僕にはそんな発想もない。
カレーとネギトロ丼だけ
じゃないですよ。
社長が作るすべての料理が、
高次元でバランスが取れていて、
食べるたびに感動する。
この時、思い知ったんですよね。
「僕には飲食店経営者は、
ふさわしくない。」
と。
僕にはこの社長のように
料理を高次元で
バランスを取る才能はないと。
で、なぜ料理の話なんだ
ということなんですが、
ここからビジネスの
話とつながりますから、
ついて来てくださいね。
僕は現在、クライアントさんの
ビジネスやコンセプト、
商品やプロモーションなどを
作るお手伝いをしています。
そして売れるコンセプトとか
商品を作るときに意識しているのが、
この “バランス” なんです。
売れないコンセプトや商品、
起業家さんはバランスが
悪いんです。
だから僕はそこを
直すことをします。
料理の世界ではバランスを
整えることはできませんでしたが、
コンサルタントとしては、
クライアントさんの
バランス調整ができちゃうのは
ちょっと不思議です。
そして今でこそわかるのですが、
人の心を打つ料理も
売れるビジネス、商品も、
高次元でバランスが
取れているという
共通点があります。
そしてバランスが良いものは
だいたい、売れます。
バランスが悪いものは
売れにくい。
社長がネギトロ丼で
行ったように、
わさびに味の素を
加えるようなちょっとした
ことを起業家さんに
加味することで、
その人のビジネスや商品の
バランスが取れて、
それでいきなり売れ出す、
なんてことはあるんですね。
そしてビジネスを教える
コンサルタントには、
このバランスを調整できる力が
マストスキルだと思いますね。
料理人でも同じでしょう。
じゃあ、起業家さんの
ビジネスや商品、
コンセプトやプロモーションの
バランスを崩しているものの
正体は一体なんなんだ?
ということなんですが、
これは、起業家さんが持っている、
・虚栄心
・羞恥心
・出し惜しみする力
・恐怖心
・自尊心
こういう類のものです。
これが起業家さんの
バランスを
崩させているんですね。
ちなみにこれらのものを
リミッティングビリーフとか
呼んだりしますけどね。
実は起業家さんは、
自分という商品を
“自分自身” でバランスを
崩して売れにくくしているという
事実があります。
「自分のことは自分が
一番わからない。」
わけですが、
あまりにわかってしまうと、
怖いという部分も
あるんでしょうね。
「売れたい!」
と思いながら、どこかで、
「いや待て!」
という力が
働いているんでしょう。
僕らのようなお仕事は、
そこを客観的に見て、
バランスを整えるんです。
高次元でバランスが
取れているものは、
料理でもビジネスでも
売れますからね。
そこを意識しているわけですね。
高次元でバランスで
とれた商品作りが
得意なんですよね。
だから仕事になってる。
(料理でもやりたかったけどね)
あ、忘れてました。
料理でもビジネスでも、
もうひとつ、
売れてしまうものがあります。
それは素材の良さを
そのまま、表したものです。
料理で言うと、
刺身ですかね。
素材が良すぎると、
刺身で食べた方が
美味しいものって
あるじゃないですか?
ビジネスでも
同じことがあります。
この一番最たる
わかりやすい例が、
ヌードですね。
裸になれば売れてしまう。
だから、コンサルタントの中には、
やたらと起業家さんを
裸にしたがる人も
いるわけですよ。
気持ちはわかりますけどね、
ただ本人さんが、
それを希望している場合は
いいですけど、
希望していない場合は、
そういうやり方だと、
たとえ売れても
悲惨なことになったりします。
僕の知り合いで、
出版をした人がいるのですが、
暴露本みたいな内容のものを
書かされてしまい、
確かに本は、
売れたんですけど、
後から多くの人から
人格を否定されてしまい、
精神的に追い詰められてしまった
起業家さんがいました。
この方の例とか見ると、
ただたださらせば良い
わけではないことが
わかりますよね?
料理人もいますけどもね、
全部、刺身にしちゃう人。
たまにはアクアパッツァも
作ってみてよと言いたい(笑)
話がずれました。
・虚栄心
・羞恥心
・出し惜しみする力
・恐怖心
・自尊心
これらのものが、
起業家さんのビジネスや
商品のバランスを
崩しているのは事実です。
裸の自分を隠している。
でも、こういうものが
あったっていい。
それも個性のひとつ。
あえてそれらも
起業家さんの良さとして、
そこにひとつ、
アレンジを加えて、
高次元のバランスを実現する。
そんなコンサルタントでありたいと
僕は思っています。
あの社長が料理で
していたように、ですね。
僕には料理では
無理でしたが...。
起業家って僕を含め、
自分のバランスは自分で
なかなか整えることが
難しいんですよ。
だから、メンター役みたいな
人をそばに置くと
強いわけですよね。
そういうメンター役が
起業家さんに必要とされるから、
それで僕らの仕事が
成り立っている
ところもあります。
自分の良さを生かしつつ、
素っ裸にするんじゃなく、
絶妙なバランスに
仕上げてくれる
料理人みたいな人。
これぞ起業家が持つべき
“メンター” だと思いますし、
僕も誰かのそういう人で
あり続けたい。
売れるためだったら、
起業家さんの身ぐるみを
全部剥がしてしまって
売ろうような
セクハラスメンター
には僕はなれないし
向きませんね。
あ、そういう人を
求めてる人もいますからね。
僕にはできないと
言っているだけです。
僕はわさびに味の素を
そっと加えて
高次元でバランスを取るような
コンサルタントで
ありたいです。
と、昔の思い出を振り返りながら、
ふと、そんなことを思う
今日でした。
何かの参考にしてもらえたら、
嬉しいです。
ちなみに自分自身の力で、
自分のバランスを取る方法もあります。
また、記事にしたいと思います。