「天然キャラ」とかいうカルマ(ex:轟焦凍)

どうも皆様ごきげんよう。
僕は怖くて仕方ない。
嵩音ルイです。

天然キャラっているじゃないですか。
次元を問わず。

コミュニケーションにおいてズレたことを言ってしまったり、相手の発言をあんまり理解してなかったり。

ベクトルは色々あるかと思いますが、その「ズレ」が面白くなったりするのが世に言う天然キャラだと思うわけなんですが。

なぜその人物が「天然キャラ」に至ってしまったのか、って考えるとちょっと怖くなりますよね。

環境がどうであれ本人の気質がそうさせた、みたいな例も結構あるんですが。
中でも「環境によって」天然キャラになってしまった人たちもいるんだろうなと思うとちょっと空恐ろしいというか。

具体的な例を出してみましょうか。

「僕のヒーローアカデミア」より「轟焦凍」を掘り下げてみましょう。

炎の能力を持つ父親と、氷の能力を持つ母親のもとに生まれた、その両方の性質を持つ「半冷半燃」の少年。

たしかな実力を遺憾なく発揮している反面、かなり性格の方はお茶目なんですよね。

本人はいたって真面目なんですが、どうも暗喩や隠喩や比喩を察するのが苦手で、言葉をそのまま受け止めてしまう節がある。

例えば食事中に試験の話をされ「メシが不味くなるだろ!」と言い出したクラスメイトに対して「味は変わんねえだろ」と言い放ったり。
例えば「あなたが笑顔を見せたら女の子はイチコロね」と言われた際にも「俺の笑顔で人が死ぬ!?」と大真面目に驚愕してみせたり。
感情表現も苦手なようで、彼が笑っていたり楽しそうにしてる姿って全然描かれてなかったんですよね。

とまぁここまでコテコテな天然キャラなわけなんですが、なんとなくこうなった理由はわかるんですよね。

自分ではNo.1になれないと打ちのめされてしまった万年No.2の父親の妄執の果てに生まれた末っ子。

幼少期より他の兄弟とは切り離されて育てられ、家庭内不和の末に壊れてしまった母に火傷を負わされ。

父を憎みながら父に能力の使い方を叩き込まれた「英才教育」の息子。

それが轟焦凍という少年です。
詳しくは本編を見てね、と言う感じなのですが。

つまり何が言いたいかというと、まともなコミュニケーションを育む「環境」が全然ない。

地獄のような家庭環境に苛まれ、父への怨讐でいっぱいいっぱいな彼はクラスメイトともまともに交流してこなかったんだろうなというのが本編見てるとよくわかるんですよね。

作品の最初の方ではほとんど喋るところを見せず、主人公の緑谷によって心に余裕が出来てからも、他のクラスメイトと積極的に交流している様子はほとんどない。

その結果として、コミュニケーション不全という名の「天然キャラ」が出来上がってるの、まあまあキツイなぁ……と思ったりするわけで。

そこも含めて大好きだけどね、轟焦凍。
ヒロアカの男子キャラで一番好きまである。声帯も梶裕貴氏だし。

そんなわけで、轟焦凍は完全に何もかも考えられた上でのこのキャラ付けなんだろうと思うわけなんですが。
作者の緻密な計算の上でお出しさせるキャラって天然に限らず超怖いし、全然深掘りされてない子たちでも時折見え隠れするディテールに慄いたりしてます。

皆さんは好きな天然キャラはいますか?
一度想像してみてください、人由来か環境由来か。つってね。

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