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泡沫の空に光を飛ばした


ダサいな

泥くさいな

"人間味"とはそういうこと。

「夢だった」と言ってしまえばどこか浅はかな気がしますが、一つの目標として。取り敢えずは人生初のサウンドトラックをリリース致しました。

鞠井悟という人物と、それを取り囲むそれぞれが主役の物語たちが「正しさ」を探すお話。

書き下ろしとは公言していませんが、ほぼ書き下ろし楽曲のkasa.「マリーゴールド」を主題歌という冠にしていただき、さらにはrui ogawa個人で劇伴を担当することとなった今作。


「鞠井くんだから、主題歌マリーゴールドなんだ!」

と言っていただくことが多いですが
実は意図的ではないものでした。


タイトルよりも先に詞を書いていたとき、着想を得たのはメキシコの文化「死者の日」。

日本でいうお盆のようなもので、メキシコでは賑やかに、お祭りのように故人を迎えるものとしています。
その日は亡くなった方々が迷わず帰ってこられるよう、マリーゴールドの花道を作るそうです。

そこから、「マリーゴールド」と名付けるのが我々の最善となりました。

もう一つ、この楽曲のキーワードとなるのは
「海の匂い」
人は死ぬ時海の匂いがする、という有名なお話。簡単に言うと、魚の腐敗臭だとかなんとか。

脚本を読んで、
いかに死にたがりがどう生きていけばいいか
そして終わらせるか
それに想いを馳せました。


そしてわたしの中にずっとあった、
「おめでとうに花束を贈るなら、
 さよならに花束を贈ってもいい」

を引き出したのです。

別れには、意を決しないと手を離せないものがあります。それも、かなり。

それはとても大切な決別になるから
それはとても大事な決別になるから

花束を贈るのです。

そういった想いで生まれたのがマリーゴールドでした。

鞠井ゴールドね、そうなるよね。
あれ誰が書いたんだろう
そういうことろまで愛してくれて光栄でした。

エンディング、輝いてたなぁ。



劇伴制作過程では、行先もわからず飛び込みすぎた。

脚本桐山と弾丸名古屋打ち合わせで作った曲のうち「カイチャー祭り」と名付けたあの曲もすぐ没になったし、そのあとも何曲か没にした。

泡組の皆さんとさっきカイチャー祭り聴き直してたんですけど、笑ってくれて良かったです。良かったねカイチャー。


主題歌「マリーゴールド」の生みの親ということもあり、劇伴にもかなり落とし込んでいます。


例えば、冒頭。

鞠井悟「俺はヒーロー…俺はヒーロー…」にあたる周辺のフレーズは、

マリーゴールドの1サビ最後
「その笑顔は誰のため?」
部分のボーカルフレーズの派生です。

鞠井悟が"鞠井悟"として最後まで生きたヒーローの顔は、稽古段階でも、もちろん劇場でも各チームかなり印象的でしたね。

そういう制作の末、聴いていたら入眠しそうなサントラアルバムになってしまった。いっそこの子たちが誰かの夜に寄り添えますように。


演劇については、わたしにはまだ初心者過ぎるが故口を開くのも億劫なほど、良かった。です。

2組しか観劇出来なかったのが惜しいですが、初心者のわたしがそう思えるということは、演劇が好きな方々はきっと何度も足を運ぶんだろう。


三好くんの鞠井悟は"みんなのヒーロー"をも演じていたし、薗くんの鞠井悟はしっかりとした事件味、現実味を帯びていました。

周りの役者さんたちも書いたらキリがない
とりあえず共通認識として茶竹兄妹は愛おしい
カイチャーかわいいよ、かわいいよカイチャー



そうですね。



全てを終えて感じたこと

「音楽は人生のBGM」

これに尽きます。
主役なんてことはあり得ない。

演劇の中の挿入歌や劇伴だってそう。
わたしも、わたしたちも脇役だった。
それがこなせたのが一番良かったかもしれない。

それぞれの場所で輝いたあの8人の物語を引き立たせるためにうまれた。

「あぁ、音楽だな」
そう思いました。

kasa.をやっている中でもいつも思う

知らない場所で知らない人に再生されている事実って、嬉しいなぁと。

どこかの誰かの背景になれてるんだな。

生まれて良かった。


生まれて良かったんだよ。


相も変わらず、わたしも死にたがりになる瞬間があります。

自尊心も低いので、藍色くらいの日々がちょうどいいんです。鮮やかでなくていいんです。

赤色の音楽は他の誰かが歌ってくれているし。

舞台「泡沫の空に光を飛ばした」
あの演劇の中で背景音楽で在れたことを
なんだか誇りに思います。


そしてこれが人生初の劇伴として
未来のわたしが「まだまだダサいな」と思えるほどの人間に、わたしはなります。


SUPERNOVA桐山、彼がkasa.を必要としてくれる人生の間はkasa.として、rui ogawaとしてともに作品を作りたいと思います。

その周りを囲む彼、彼女らも然り。

このダサい文章をここまでスクロールしてくれた貴方も然り。

必要な人生のBGMで、
これからもあれますよう
音楽で居続けます。

一、一員として
ご観劇頂き、ありがとうございました。


舞台「泡沫の空に光を飛ばした」

及び主題歌「マリーゴールド」

そして叶うなら劇伴アルバムも


末長く愛してください。


それでは本日はもう終わり。
また会いましょう


おやすみなさい、良い夢を。


主題歌担当 kasa.
劇伴制作
rui ogawa


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