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COVID-19の流行下における祖父の葬儀

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下で、祖父が亡くなった。亡くなった原因はCOVID-19ではないが、この社会状況の中でどのように葬儀が行われたかを箇条書きで説明する。

祖父

・90歳、1920年生まれ。老人保健施設に入所。
・新型コロナウイルス感染症流行の影響で、施設側の対応として面会は2月頃からできなくなっていた。
・レントゲンとCT撮影で肺炎を確認。なお、新型コロナウイルス(COVID-19)に感染した影響ではない。
・延命治療をしない事を望んでいた。

真夜中の連絡

・1時20分頃に老人保健施設から呼吸が止まったとの連絡、葬儀社への連絡をするように伝えられた。

・葬儀社に亡くなった人物の漢字でのフルネームを伝える。(例:田中太郎、佐藤大介など)
・祖父の親戚は県内にいない。県内にいる家族は娘1人と孫1人のみ。妻は1996年に死去。
・夜間なので老人保健施設に医師はおらず、診断書を書いてもらうための医師の来訪は朝を待つ事になった。
・葬儀社への連絡前に、親戚の1人へ母が連絡:親戚が一同に介するのは危ないので事後連絡にはなってしまうが、という説明をする。
・タウンページに掲載された福祉葬祭や直葬を行う葬儀社1軒に連絡。24時間365日体制で問い合わせを受け付けている所だった。(ホームページはあるが、ここではあえて紹介はしない。)

・葬儀社と夜中に電話で打ち合わせ。
・自分:真夜中だが会社のマネージャーに忌引申請のメールを送った。
・家族が講談社の『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 vol.2 死後の手続き 2020年改訂新版』とマガジンハウスの『クロワッサン特別編集 親を看取る』を引っ張り出してきた。どちらも事前に買っていたもの。

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書影。
左:講談社『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 vol.2 死後の手続き 2020年改訂新版』
右:マガジンハウス『クロワッサン特別編集 親を看取る』

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次々と付箋が貼られた『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 vol.2 死後の手続き 2020年改訂新版』の様子。

夜が明けた朝

・施設のベッドの上で横たわる祖父。青白い肌。
・医師による死亡診断:聴診器による心音確認、瞳孔の確認、口鼻に手を当てて呼吸の確認。
・8時30分、永眠となった事を医師が確認。
・死亡診断書が渡された。診断は急性肺炎。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響ではない。
・死亡診断書は死亡届とA3の紙で1枚組になっている。【参考資料】死亡届の書類見本:愛媛県松山市
・葬儀社の方が施設に来訪、遺体を担架へ移し、霊安施設へ。
・霊安施設で線香上げ。
・葬儀社が用意する書類に故人の氏名と本籍、死亡日時、喪主の情報などを記入。この内容を基に死亡届を葬儀社が代筆して、役所へ提出するのと交換で火葬許可証を取得し、葬儀社が火葬許可証を火葬施設へ提出。
・火葬プラン+霊安施設での安置+棺への花入れ+火葬施設利用料など=約23万円。直葬のため、宗教者(寺のご住職)の招待や返礼品、葬祭に係る料理はない。
・葬儀社からは葬儀当日は宗教者を招かず、家族のみで行うため、喪服を着る必要はない事が伝えられた。灰色などモノトーンの服で問題ないという。
・葬儀社が死亡届+死亡診断書のA3サイズのコピー1枚と死亡診断書のコピーを数枚取ってくれた。足りなければ後は自分達でコピーする。

葬儀当日

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・霊安施設で線香上げ。納棺済み。棺は思ったより深いという印象。
・棺への花入れと思い入れの品の納入。花は生花。
・出棺。

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・火葬施設に到着。館内撮影禁止。
・焼香。焼香の際に予め用意した写真を立て掛けた。
・入炉。火葬場の炉の中を初めて見た。
・火葬完了まで控え室で待つ。ロビーのような広い場所で待つよりかは、周りの目を気にする必要がなかった。
・火葬は約1時間5分。火葬にかかる時間は故人の体格などによって異なる(火葬施設の冊子より)。
・火葬後の骨。脚部(お見脚)・腰部(お腰)・胸部(お胸)・頭部(お顔)。骨の所々に色がついて見えるのはなんだろうか。
・収骨。収骨用の箸で収骨器へ入れる。2人で同じ骨を箸で掴んで収骨器へ収める。滑って落としそうだなと思うくらいの掴み具合だった。2人で骨を3本程収めると残りは火葬場の方が収骨してくれた。
・収骨器に収まらない骨は小さく砕かれた。
・顔の部分は歯や耳の部分が残った。「歯の部分が残っていますから、向こうでも好きな物を食べられますね。」「耳の部分が残っていますから、好きな音楽を聴く事ができますね。」とは火葬場の方から。
・収骨を終えて埋火葬許可証を受け取る。1回しか発行されない書類なので収骨器と合わせて桐箱の中にしまわれた。埋火葬許可証は霊園施設への納骨の際に使用する。
・桐箱にしまった収骨器を抱えた。重さは1kgくらい。収骨器の重みが大半を占めているだろうか。
・死因は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響ではないが、周囲の目を避けるためにも風呂敷に包み直した。
・親戚からは周囲の目を考慮して花を送らない事にしたと連絡があった。

葬儀後

・俺は何も読んでいないが、家族によると祖父は死後の準備をある程度整えていたらしい。直葬の希望や友人に死去を知らせる手紙の書面の見本など。
・諸々の名義変更。
・戸籍謄本が必要になったが、電話で問い合わせたり郵送で手続きをするため、本籍地が居住県とは違う県だと取り寄せに時間がかかる。俺の母(祖父の娘)の場合、結婚前と結婚後で本籍地が変わっているので、結婚前と結婚後の両方の本籍地から戸籍謄本を取り寄せていた。
・保険証など一部の身分証明書はしばらく持っておいた方が良いと役所から伝えられる。
・葬儀社には最後まで大変丁寧な対応をしていただいた。
・もしかすると斎場を抱える葬儀社では直葬を引き受けてもらえない可能性があり、タウンページに記載があった通り福祉葬祭や直葬に対応する葬儀社だから直葬を引き受けてくれたのだろう、とは家族談。
・戒名はない。
・納骨は祖母(祖父の妻)の際にお世話になった寺のご住職に立ち会っていただいた。

講談社『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 vol.2 死後の手続き 2020年改訂新版』

・Amazon紙の本

・Kindle

・honto電子書籍

※電子書籍のリンクを紹介しておいて言うのもなんだが、こういう本は電子書籍より紙の本だと思う。その理由は上手く説明できないが、感覚的にそう感じる。

マガジンハウス『クロワッサン特別編集 親を看取る』

・Amazon紙の本

・Kindle

・honto電子書籍

※結果として、こっちにはそれほど目を通す事は無かったが、『おとなの週刊現代 2020 vol.2』と一緒に引っ張り出された本。

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祖父の旭日小綬章とネクタイピンやフラワーホール用の徽章。
旭日小綬章はちゃんと賞状も取ってある。

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