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復讐心のち、野心。
はじめに
みなさんこんにちは。
Akechiです。
ちょっと強めのタイトルにしましたが、現在の心境の整理のために、書き起こしていきます。
昨日、令和6年度の行政書士試験の合格発表日でした。
本当にうれしいことに、私の番号がありました。
本日はこの合格に至るまでの経緯や、これからの展望を書いていきます。
自治体の職員でした。
私は自治体の職員だった。新卒でとある住宅会社に入社し、そこが本当にブラックな会社で、パワハラの嵐だった。事実、転職会議というサイトでもいろんな退職者にミソクソに書かれている。わたしは入社3年目で限界を感じ、地元の役所に転職した。
役所では様々な経験をした。行政事務として一般的な申請処理も経験したし、除雪や草刈りといった現場作業も担当した。研修などにも参加させていただき、前職とは打って変わって仕事に前向きに打ち込む日々が続いた。しかし7年目、自分のキャパを超えた業務量によって体調を崩し、3ヵ月休んでしまう。このお休み期間に様々リサーチしたり、自己を振り返ったことで、自分のキャリアの再構築を図りたいと思ったことが、今につながっている。
行政書士という仕事は、官公庁への許認可申請の代行が主だ。私は自身が申請を受けたり相談を受ける日々を通じて、このように思っていた。「もっと、喜ばれるサービスがしたい。」と。公務員としては、法律に則った処理をしなくてはならない。来庁者にNGを突き付ける立場は、時として苦しく、またその場で嫌味や罵声を浴びることもある。もっと、1人1人の要望に寄り添いたい。優しいサービスを提供したい。
許認可申請の代行が、自分の理想に合致しているかどうかは分からない。けれど、行政書士が扱える業務は多岐にわたる。柔軟に、自由に、仕事をすることが出来る。自分次第で、たくさんの人の手助けになれるのではないか。安直ではあるが、このように思っていた。
それに、コンプレックスもあった。それなりに業務量をこなしていた自負があり、良い評価をいただいたこともある。けれど、昇級が早いわけでもなく、頑張った分たくさん仕事が回ってくるだけ。多少ルーズでも上手く効率よく立ち回る職員や、私よりもっと優秀な職員の方が重宝されていた。
しかも、サボったり怠惰な職員も自分と同じ、あるいはそれ以上に給料をもらっている。また、飲み会では職場の愚痴も多い。冷静に俯瞰すれば、恵まれた立場にいるのに…そして私自身も、いつしか愚痴にまみれていってしまった。
こういった状況が嫌で、行政書士の試験に合格したいと思った。合格すれば、自分がやってきたことが間違いではなかった、価値があったのだと思えると感じた。結局のところは自分に自信が欲しかったのだろうが…。私にとっては大きな目標で、取り組む意義があったのだ。
勉強開始
昨年の3月末に自治体の職員を辞めた。同時期ぐらいから勉強を開始し、4月頃までは行政法ばかり勉強していた。正直、行政法という存在にやっと、初めてちゃんと向き合ったと感じた。もっと早くに学習すべきだった。自治体職員としての仕事の質も全然違っていたであろう。
8月まではアルバイトと家事だけを行っていたので、毎日学習する時間を取ることができた。カフェや自宅、図書館と場所を変えながら学習を続けた。プログラミングの学習と並行したので、4~7月は1日あたり2~3時間の学習時間だったと思う。
学習方法は、ゆーき先生という弁護士のYouTuberの方の教材を購入し、それでインプットしたのちに過去問題集をひたすら解く。それを日々繰り返していった。正直、とても楽しかった。自分が新しい知識と出会い、前に進んでいる感覚があり、半分趣味として打ち込んでいた。
8月からリフォーム会社に入社したのだが、入社前から、会社の方針として将来的に不動産業や、相続関連業務もワンストップでやりたいという話を聞いていた。とても心が躍った。私は宅建も持っているし、行政書士も取れたら相続関連も業務として担当できるかもしれない。運命だなとすら思った。
理想と現実の乖離
こればかりは常にある話だ。イメージと現実はやはり違っていた。不動産業や相続関連業務に至るのは、夢のさらに夢であった。私はリフォーム会社の営業マンとして、1人前になるのは無理だと感じた。
詳細は記載しないが、会社の方針としては、まずはリフォーム営業の習熟が先。それは当然だろう。私もそれに対し努力しなかったわけではない。しかし、行政書士の試験勉強を止めた方がいいのでは、という話に対してはどうしても納得できなかった。
10月になり、業務も本格化する。業務外で建築の学習をしなければ、ついていけない。これは私の見立てが甘かった。いきなりなんでもこなせるほど、器用でもない。けど、だからプライベートの試験勉強をストップしろ、というのは呑み込めなかった。
私は甘いのかもしれないが、その中でも、自分なりの考えを固めた。やはりやりたいことに熱中したいし、行政書士の合格は積年の夢となっていた。こういった部分にあたかも制約を課されてしまう環境なのであれば、今後も同様のことが続く。であれば、自分の目標達成に専念しよう。そう考え、11月末に退職となった。
試験、その日。
しかし、10~11月にかけて営業活動に追われた。夜自宅に帰っても、仕事のことが頭をよぎる。建築の学習をしなくてはと、動画を観たり営業の練習をしたり。本来であれば一番、資格合格のため学習をしなくてはならない時期なのに、なかなか時間を割けなかった。
とはいえ、最低限はやった。スケジュール的には平日は20時半ごろ帰ってきて、夕食を済ませて風呂に入り、風呂の中では仕事の準備。あがったら、24時過ぎに寝るまで行政書士の勉強と仕事の準備をそれぞれ実施。朝は8時過ぎに家を出るので、6時に起きて支度をしたら、約1時間前後で行政書士の勉強と仕事の準備を行っていた。仕事の昼休みは20分ほど、記述式の対策の学習。
この時期はかなり苦しかった。営業も契約が取れだした矢先ではあったが、もう心身ともにきつい。次第に上記のスケジュールの中で、仕事に割り当てる時間がどんどん増えていく。結局10月下旬はほとんど勉強できなかった。
11月になり、あっという間に11月10日。試験当日を迎えた。だが勝算は薄い。配分の高い行政法・民法の知識が、穴の開いたバケツのように自身から零れ落ちている感覚もあった。正直、試験から逃げようとも思った。平日の仕事で疲弊した体に、休日に3時間、問題と向き合うストレスを与えることすら辛いと思ってしまう。
…だが。当日になって頭に浮かんできたのは、朝早くに、そして夜遅くに机に向かって問題集を解く自分の姿だった。夢中になって、また強い決意を持って問題と向き合ってきた日々が、その積み重ねがたしかにあったのだと思い返された。
そして、ずっと側で支えてきた彼女の姿。精神的にサポートをしてくれていた。行政書士の試験に合格したい、という話を真剣に聞いてくれて、応援をしてくれた。その気持ちを裏切りたくない。
私は覚悟を決めて試験に臨んだ。自信はなかったけど、全力を尽くそうという想いがメラメラと自分の中で燃えた。はじめて見る本番の試験問題はかなり難しく感じたが、不思議と落ち着いていた。あっという間に3時間が過ぎ、できた、という感触は無かったが、「やり切ることができた」とは感じた。
自己採点をするのは怖く、試験から1ヵ月ほど寝かして自己採点をした。4割もいっていないと思ったのに、実際は記述問題を抜かして5割超えており、合格ラインに近い点数であった…。そして、昨日合格したことが明らかになった。本当に奇跡だ。実感が無い。
これからの展望
本当の闘いはこれからである。行政書士という資格はあくまでツールだ。たくさん出来ることはあるが、何をするのか、どうするのかという部分は突き詰めて設定しなくてならない。
また、マーケティングが必要である。商品が出来ても集客が出来ないと売り上げを作ることができない。私ならでは、私でも勝てる商圏を見出す。ここに注力しなくてはならないだろう。
私のできること=強みは
・行政経験がある
・不動産の知識がある
・(少しだが)プログラミングができる
・データ分析を勉強中
・(少しだが)英語ができる
せいぜいこの程度。だが、この小さな強みもさらに大きくすれば良いわけだし、この強みを適用できるような商圏を発見することが肝要だ。
まずはビジネスシーンでの実績を積む。いきなり個人開業ではなく、実績やスキル、人脈を拡大できる会社に就職する。その上で、行政書士として独立開業できる環境を少しづつ構築していく。あるいは、副業として少しづつ経験を積むのもいい。
そして、商圏の発見、マーケティングも貪欲に研究する。そのためには情報発信も欠かさず行って、得られるチャンスは得ていくべきだ。
私の年齢はもう30代半ばにさしかかるが、最近は定めた目標を達成できていることが多い。きっと自己管理能力が上がっているということだろう。これに驕らず、意欲的に、野心を持って突き進んでいきたい。