銀漢無聲轉玉盤
(タイトル画像は「みんなのフォトギャラリー」より写真を使わせていただきました。いつも美しい作品をありがとうございます)
「中秋月」蘇東坡(蘇軾)
暮雲収盡溢清寒
銀漢無聲轉玉盤
此生此夜不長好
明月明年何處看
ぼうんおさまりつくして せいかんあふる
ぎんかんこえなく ぎょくばんにてんず
このせいこのよ とこしえによからず
めいげつめいねん いずれのところにかみん
雲が晴れて冷え冷えと晴れる夜空
天の川は音もなく満月を映す
この生涯もこの夜も永遠ではない
来年はどこでこの美しい月を見られるのか
・・・訳すとなんかだいぶレベルが下がる・・・
もう読み下しの音のままでいいでしょう。
原文は日本語ではないけれど、「声に出して読みたい日本語」。
銀漢は、天の川
玉盤は、月。
ぎんかんこえなく ぎょくばんにてんず
めちゃくちゃかっこいい表現。いや~もう天才ですね。
蘇軾は中秋には「水調歌頭 中秋」という恐ろしく美しい詞も残しています。たしか横浜中華街の鵬天閣2F席にも水調歌頭が飾ってあった。(そして食事よりもそっちが気になった。)テレサテンやワンフェイが「但願人長久」って歌謡曲として歌ってますね。
大陸のひとは満月を縁者との団欒の象徴としています。そして唐詞宋詞には、月を題材とするものが沢山あります。どこで誰と観るのかというのは、とても心を揺さぶられる問題なのですね。唐詩宋詞と日本の詩句は、月に対する情感が違うなと思います。
ところで、満月は月が大きく見える人、どの月も同じ大きさに見える人、この世に二通りいるようですが、人口分布はどちらが多いんでしょうか。私はは月の大きさに変化を感じないので、昔から「ほら、大きいね今日は」と言われても全く何のことかわからん人間です。今晩は大きいんですか?