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川端龍子🐉大画面の奔流
東京都大田区に、龍子記念館なるものがあります。
大胆、奇抜、ド級、鬼才、異才、といった言葉で評されることが多い 川端龍子(りゅうし)という日本画家の記念館です。
それでは早速、ご紹介させていただきましょう🦌
記念館を入るとまず、
「海鵜」があります。
夏の川の風情ではなく、冬の波風を受ける鵜を描くというところに、この画家の気持ちの強さを見て取れます。
そして「小鍛冶」
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能の演目です。
天皇の命で刀を打たねばならないけれど、自分と同レベルで相槌を打てる相棒がおらずに困っていた刀匠に、稲荷明神が手助けしてくれて名刀「小狐丸」が完成する。というお話。この演目、観たことないですがなかなか変化と動きのある、面白そうな話ですね。忠実な能の再現ではなく、ドラマチックな構成で表現されています。
「涼露品 りょうろぼん」
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これ、奈良の法華寺十一面観音の光背からのデザインなのです。法華寺の本尊、十一面観音様は光明皇后(東大寺建立した聖武天皇の皇后)。花様蓮華の一連構成の珍しい光背なのですが、光背にシラサギをのせて向きを変えると、のこの絵になります。
「臥龍」
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敗戦直後に龍子が一気に描いた絵です。臥薪嘗胆、の臥。ですね。伏せてはいるけれども、龍の瞳は怒りとは違う、静かな強さを感じます。
フライヤーにも「大画面」とあるように、龍子の画は壁画のような大きさなのです。離れたところからでもぐっと引き込まれる魅力と迫力なのです。床の間芸術ではなく「會場藝術」。
「波切不動」
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龍子は自分の守本尊を不動明王としていました。
これは1934年当時の日米関係の不穏さを断ち切る如く、太平洋の波を切る不動明王。連作太平洋の二作目。
この絵の対面には「本尊無事」という高野山明王院火災で赤不動のみ無事であったとき、の絵がありました。牡丹の花を炎い見立てる、赤い絵でした。青不動の向かいに赤不動。
「水雷神」
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魚雷を意図的に神格化して、しかしそれを担ぐ雷神たる特攻青年たちは苦悩の表情をしている、というものです。龍子の怒りが表現されている1944年の作品です。
「花摘雲 はなつむくも」
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わかりますでしょうか。雲が観音様というか女神様というか。こういう構図が本当に得意なようですね。
今回展覧会はこんな感じでした。
しかし、実物の大きさをもってしないとうまく感動が伝わりません。近くで見すぎると、すこし荒くも見えかねない描き方なのです。ちょっと離れてみてその真価がわかるといいますか・・・まさしく大画面の奔流なのです。大胆で奇抜な、龍子作品なのです。
よろしければ寄り道してみてください。↓
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さて。大田区立なので200円という良心的入館料。(ほかの画家との共同企画の時は300円)
絵葉書も50円~ 大判でも70円とか、価格設定が営利目的ではないですね。 今回の展示でないものも購入いたしました。
「龍巻」
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いや~ これなんて、前後左右どこからどうやっても作品として成立しそうではないですか。龍子記念館は、自分の活動範囲や活用路線とはかなりずれるので、ちょっと気軽には行けないのですが、この「龍巻」も記念館に所蔵されているようなので、是非に実物を見てみたいものです。