ファンキーベイビー工務店

結局、ありがとうしか残らない。

現調に来てくれたのは、桜満開の頃。

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蔵をカフェにしようと思ったのは2年程前。
でも別に、“カフェ“がやりたいわけではない。

蔵にいろんな人が訪れてくれるようになって、
日々、人でいっぱい。
でも、初めて来る人には、ちょっと入りづらいかもしれない。
「行きたいけど、なんて言っていけばいいかわからない」
そんな声が老若男女から聞こえてくるようになった。

では、「お茶しにいく」という口実があれば、もっと来やすくなるかな。
蔵のハーブティーも、蔵でブレンドして蔵で飲めたらもっといいね。
お茶しにきて、「実は最近・・・」って気になってることや
モヤモヤすることを話せたら、ケアに繋げることができるね。
ここで、人と人とが出会って、交流が生まれたら、
人や町はもっともっと元気になるかな。
そんな中で、誰もが笑顔で元気に暮らしていけるようなサポートができるんじゃないかな。
そんなことを思った。

「島のほけんしつ」は、変わらない。今までと何も変わらない。
だけど、より、ふらりと訪れやすくなるはず。
これまでの常連さんにとっては、お茶代が有料になっちゃうけれどwww

そんな、人と人との交流点になるような、
そして、みんなが心も体も“ごきげんさん“で生きていけるような、
そんなサポートができる場所にしよう。

そう決めて。
飲食店営業の許可をとるために工事をするにあたり、
町の許可を取り、資金を準備し、
一番信頼する人に、相談とお願いをした。

大切な友人。
出会って10年になる。
未曾有の、と表現された災害の、
とてつもない混乱の中で繋がった人。

9歳年下だけど、
心から尊敬している。
心から信頼している。

大事な時はいつも1番に相談する。
大事なことは、たとえ余分に費用がかかっても、
効率的でなくても、彼にお願いする。

彼がやることならば応援する、そう決めていた。
でも、いつもいつも、応援されていたのは私の方だった。
普通に話せばバカなことしか言わないし、
暇さえあればゲームばっかりしてるし、
子どもみたいな言動ばっかりだけど、
時々、ドキッとするような本質を突いてくる。
気付かされたり、原点に立ち戻ることを思い出させてくれる。

頻繁に連絡するわけでもない。
お互いがどんな日常を送っていようと興味はない。
ただ、元気でいてくれるならそれでいい。

そして、本当の本当に困ったら、
「飛んできてくれる気がするんだよね」
そう言ったら、
「来ちゃうだろうね」って一言、言ってくれたことがあった。
それでいい。それでいいのだ。
世界のどこかに、
困ったら絶対に助けてくれると信じられる人がいるならば、
それでこの人生、大成功。


「お願い。頼んだ」
「任せろ」
それで完了。
あとは任せておけばいい。

同じ時代にこの世界に生きた者として
これほど信頼できる人は少ない。
だから、私の人生の大事なことの一つを任せられる。

私のことをよく知っているその人は、
やっぱり「任せろ」と一言(遠いんだよと文句は言いつつw)。
出会った時は「スコップ団」の団長。
今は、「青空応援団」の団長。
そして「ファンキーベイビー工務店」の親方。

現調に来てくれた時、本気で聞いてくれた。
「カフェがやりたいの?」と。
するどい。
「違うよ。今の島のほけんしつをブーストさせたいんだよ」
「そうか。ならいい。」
短い会話で、お互いにいろんなことを察したかもね。

いろんな準備を経て、
とうとう、その日。
来てくれるのだ。ほんとうに。
仙台から道具と材料を積んだ車を船に乗せ、まずは名古屋まで。
そこから自走して島根県まで。

その日のフェリーには間に合わないので、本土で一泊するにあたり、
私が一緒だと宿泊料に山陰限定のキャンペーンが使えるので、
私も本土へ出て本土で合流することに。

前の日に蔵を片付けて、いつもの感謝を込めて綺麗にお掃除をする。
工事中に汚れることはわかってるけど、ワックスまで。
↓いつもの蔵。

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片付けてがら〜ん。声が響くねw

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そして、仙台からやってきた彼らと出雲大社で合流することに。
出雲大社の正しい参拝は、稲佐の浜から始まるそうなので、
稲佐の浜で彼らを待つ。

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合流して出雲大社へ。
(いつもの“見積無料“)

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一泊して、いよいよ。
乗せます。フェリーに。
「ファンキーベイビー工務店」

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暇になるとやるよね。やっぱりね。こういうこと。
(もうおじさんだけどね)

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着きました。蔵の前にどーん。「ファンキーベイビー工務店」

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すぐ、始まる工事。まずは解体。

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大工さんの親方、了さん。
クロス職人のたてちゃん。(たてちゃんのクロス貼りがすごくうつくしかった!!)
もう一人の大工さんは今回マルチワーカー?と思うくらい職業不明???のヒロシさん(了さんブログ参照
このヒロシさんの仕事っぷりがまた無駄がなくて素敵だった。
ファンキーベイビー工務店は、チームワークでできてる。


あっという間にカウンターの壁に取りかかり

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え?と思う間にカウンターの壁ができ、

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カウンター出来た!

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7割くらい、半日で出来ちゃった!
凄すぎる。

で、帰宅して、ギターの練習w
(疲れてるはずなのにね)

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さて2日目。
どんどん進んでく。

合間で、
「なんか、3つくらい揃った瓶とかないの?」と聞かれ、
「これ、コーヒー豆入れようと思って、3つ買ってある」って見せると、
「おお、いいね。これ貸して。ラック作ってやる」
って、突然端材でキュイーンと作り始めた。

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ひゃー。すごい。素敵だ。(と、ここまでで感動してたが、完成はもっと素敵)

ファンキーさんの仕事は全てが美しくてやさしい。
ちょっとしたところにも手を抜かない。
こことか、

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このライトも

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こんなのも

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さっきのラック。なんだこれ。素敵すぎる

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そこかしこにあるファンキーのロゴ。

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そして、完成。

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もはや、元の状態が思い出せない。

「楽勝だね」
あんなにやさしい仕事をするくせに、突然ガラ悪いwww

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たてちゃんにマッサージしてもらってた。チームワーク、ナイス

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そして、なぜか深夜のカルタ大会w
このカルタ、去年の誕生日にみんなが作ってくれたんだって。
団長カルタ。

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朝のトマジュースは美味いっ

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このジュース、娘がわざわざ送ってきてくれた。
ファンキーさんたちの到着に合わせて。
暑い時の仕事だから、「体を冷やすトマトとリンゴのジュースを」って。
離れたところから娘もサポートしてくれた。

結局3日間の工事予定が半分に縮まって、1日半で終わったので、
彼らは予定を早めて帰る。

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賑やかな3日間が過ぎてしまい、寂しいけれど。

いろんな理由もあって、なのだが、
第一に、ヒロシさんやたてちゃんの負担を少しでも減らすことと、
施主である私の負担を考えてくれてのことだとわかってる。

10年のつきあいの中で、彼の仕事をちゃんと見ていたのは初めてのこと。
ほんとうに、丁寧で、美しくて、やさしさの塊のような仕事だった。
チームワークも素晴らしくて、だから予定を大幅に縮められたのだろう。
でも、常にふざけてるし、常に笑ってるし、遊ぶように真剣に仕事してた。
それが、かっこよかった。
考えてみれば「スコップ団」の時もずっとそうだった。
きめ細やかなやさしい活動をして、
とっとと終わらせて、依頼者にお礼を言わせる前に去っていくような、そんな仕事してた。
それがそのまま「ファンキーベイビー工務店」だった。
工事中、何人もの人が見に来てくれたのだけど、
誰もが、彼らの仕事のやり方、あり方を「かっこいい」と口々に言っていた。
了さんは出会った時からずっとそうだった。
口も態度も悪いけど(笑)、その奥にはとてつもないやさしさと本質を見る感性を持ってた。
お金も、彼らの時間も負担もかかっちゃうけれど、それでも彼らにお願いしたかった。
笑って応えてくれた。
「全部叶えてやる」と言って。
やさしくてかっこいい“バカ“を、心から信頼してる。
「ありがとう」しか言えない。

見送り、今回は絶対泣くものかと思っていたのに、
やっぱりダメだった。
だってしょうがないじゃんね。
ファンキーロス。

彼らのように仕事して、彼らのように生きよう。
やはりいつもそう思う。
ありがとう。

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そして、今回。
たくさんの人の助けも思い知った。
みんなが全力で助けてくれた。
片付けもお掃除も、準備も、私ができない気遣いも、
工事そのものも、
一体、どれ程の人にお世話になったんだろう。
それが、ありがたくて嬉しくて、また泣いちゃう。

もう、
悩んだり、不安になったり、愚痴ったり、人を羨んだり、
そんな暇はない。
これだけたくさんの人の思いが詰まった場所を活かしていくのだから、
そんな暇はない。
作ってくれた人たちと助けてくれた人たちの優しい思いがつまった“蔵”。
そこを管理させてもらうのだ。
作ってくれた人たちと、お世話になった人たちと、応援してくれた人たちに恥ずかしくないように。
頑張ろう。彼らみたいに笑いながら。鼻歌歌いながら。

ファンキーに、いこう。

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