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心が壊れる音を聴いた話①
生きてきて、一度だけ。
心が音をたてて壊れる音を聞いた。
まさに、自分の心が壊れた音。
それをきっかけに、深い深い奈落の底へ堕ちていったように思う。
どこからか、飛び降りるようなそんな感覚ではなく、フワフワとゆっくり時間をかけて。
辿り着かない、地面に。
永遠に続く堕ちる感覚。
それに似ている。
それと同時に、色んな私の大事にしてきたもの。
大事だと思っていたもの。
愛情とか、信頼とか。
いわゆる、お金で買えないかけがえの無いもの。
信じて得たと思った全てのものが
私だけが所有していた、ただの願望で思い込みで、希望だったと気付いた。
深い深い『絶望』
そして、全ての時が止まって。
真っ黒になって。
何も感じなくなった。
色々な感情すら。
『苦痛』しか感じないものになった。
『苦痛』すらも感じていなかったかもしれない。
そして、時間をかけて少しづつ
命をかけて産み、育てている子供ですら『可愛い』と思えなくなって
笑えなくなった。
ただ、ひたすらに自分の中身がなんにも無くなった。
愛すべき対象の未来ある我が子は
自分勝手に手放してはいけない。
この子達は生かしていかなければいけない。
ただ、ただ、ずっとギリギリで。
そこだけは、明確だった。