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僕がラグビー登山家になるまで 30歳 | エンブレムを見てこの冒険を思いついた時の話 ①

RWC2019のエンブレムが発表される前のこと。

2015年8月、東京オリンピックのエンブレム騒動で日本が揺れていた。ベルギーの劇場のロゴに似ていると指摘された問題でエンブレムのデザインを担当したアートディレクターの佐野研二郎氏は酷い「ネット私刑」を受けていた。自身の事務所のホームページには「人間として耐えられない限界状況」と記し、次のように告白している。

「私個人の会社のメールアドレスがネット上で話題にされ、様々なオンラインアカウントに無断で登録され、毎日、誹謗中傷のメールが送られ、記憶にないショッピングサイトやSNSから入会確認のメールが届きます。自分のみならず、家族や無関係の親族の写真もネット上にさらされるなどのプライバシー侵害もあり、異常な状況が今も続いています」

エンブレムについて盗用かどうかの真偽は定かではないが、なんでこんな社会になってしまっているのかとやるせれない気持ちに僕はなっていた。人々の日々のフラストレーションは指先だけの世界では決して放電されることなく、攻撃の対象を見つけると、みんなでリンチする。どう考えても健全でない社会だ。

サラリーマンであった頃の僕はいくら目の前の仕事を頑張ったとしても現代の誹謗・中傷の嵐を食い止めることはできず、ますますそのような風潮が加速されるものだと容易に想像できた。未来の世代にいくら良き社会を受け渡したいと思っていても、社会がそのような情報で溢れるのであれば、かつての自分のようにメディアの毒を受けた子供が大人になることに対し恐怖心を抱き、生き方そのものを萎縮してしまうのではないかと、僕の経験上、どうしても想像してしまう。

ジンバブエにかつて2年間住んでいた身として、彼らは経済が崩壊し、お金はないかもしれないが、苦しい状況でも助け合いながらみんな幸せそうに見えた。そのジンバブエと比べると、いくら便利で豊かな日本社会とは言えども精神がどこか歪んでいるように僕は見えてしまっていた。

そのような思いをフツフツと思っている最中、RWC2019のエンブレムが2015年10月末に発表された。

ラグビー界隈では話題になったが、世間ではあまり話題にはならなかった。正直、悔しかった。

ネット住民の間で議論が分かれ、叩きやすいものがニュースになる昨今であるが、ラグビーを盛り上げるべく、逆のアプローチから攻めれないかとアイデアを練っていた。

それは何かと言えば、ラグビーを愛する者の一人として、RWC2019のエンブレムを応援することによってニュースを作り上げられるのではないか。そして、同時に日本社会に取り巻く「歪み」に対して真正面からストロングスタイルで戦うことをイメージしていた。


ラグビーW杯が中々盛り上がらない理由として、翌年にオリンピックがあり、みんながそれに注目してしまうからである。オリンピックのエンブレムについてはみんなが潰しに行ってしまったが、ラグビーの場合はエンブレムを応援することで東京オリンピックエンブレム騒動と対比され、ラグビーの精神の崇高性が際立つのではないかと仮説を持った。

日本社会の「歪み」に対してオドオドしながら見て見ぬふりをするわけにはなく、いつかは旗を掲げて戦かいたいと思っていた自分がいた。



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