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”ラグビーインド代表監督で得た学び” #7 インドでスクラム組んでみた

日本ラグビーフットボール協会公認 S級コーチの神宮寺です。
今回は2018年にインド代表監督としてアジア選手権に出場した際のスペシャルな経験から得た学びを綴りたいと思います。私がコーチとして得た学びが皆さんのコーチングを豊かにするお手伝いができたら幸いです。


インドでスクラムを組んでみた

アジア選手権に出場するにあたり、武器になるものを身につけて大会に出場したいと思い、私の得意分野であるスクラムの強化にも着手した。

(*スクラムのコーチングについては別コラムで掲載予定)



感じたことは、FWはどこの国に行ってもFW気質
インドの選手も例外ではなく、スクラムへの興味・関心は高い。

プロップなんて
「へいコーチ! スクラム 1on1 やろうぜ!」 ってすぐ言ってくる。

僕のお相手は、大好きなローヒット。
もう絵に描いたようなインド版ジャイアン、とにかく豪快。

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やはりFWはスクラムで勝ちたいものなんですよ。

FWには、アジア選手権でチームの武器にするというイメージを共有して、フィットネス・コンタクトとともに、毎日コツコツとスクラムに取り組んだ。

結果こうなった

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首の皮が向けてこそフロントロー。

フロントローは首の皮が向けてようやくスタートラインに立つ。


スクラムを組んだことがない人には理解できない話なんだけど・・・
全世界のプロップには激しく同意を得らると思われる。知らんけど。

解説すると、敵・味方、およそ800キロ同士がぶつかるスクラムの接点にいるフロントローは、相手からのインパクトや組み合った時の練習着との摩擦で首の皮が擦り切れることもしばしば。


スクラムを組み込むと首の皮も強くなって擦り切れなくなるのも常識。

これは大学1年生にあるあるな現象
でもあるが、逆に首の皮が擦り切れたことがないフロントローは、スクラム業界ではもぐりと呼ばれる。たぶん。


ロックやバックローの顔やら首やらの皮が擦り切れていたら、もう本物だ。
そのチームのスクラムは絶対強いと断言できる。



とにかく毎日コツコツとスクラムを組む


ムッキートーク1

毎日コツコツスクラムを組むことは大事だと思っていて、スクラム姿勢という違和感しかない状態から、気持ち良い状態まで組み込むことが出来るかが、成長のポイントの1つだと思います。

ただ、そもそもの正しいスクラム姿勢が取れない状態であったり、スクラムのセットアップが決まらないまま多く組んでしまうと、下手なスクラムの状態が定着してしまう恐れがあるため、スクラムを組み込めるレベルになるまで、ボリュームよりも基礎をしっかりかためていく事が重要だと思います。

ムッキートーク2


インドのスクラム

結果的にアジア選手権ではスクラム無双するのだけれど、最初の頃は個人競技のようなスクラムを組んでいました。

スクラム初級編として最も大切な話、ベクトルの概念(どの方向に押すか)が統一されていない状態で、誰と誰がコネクトしてパワーをどこに伝えるのかを考えていない。
とにかく8人それぞれがパワーで前に出ようというようなイメージでした。

簡単な問いとして「前(ベクトル)ってどこ?」 。
これが共有できると、ようやく次の段階に進めます。

加えて言うなら、僕が想像していたインド人より、彼らは闘争本能が強い

これは絶対に日本のカルチャーが悪くて・・・
僕らのインド人ってストⅡのダルシムとかガンダムのララァ・スンとか、火吹いたり念力つかえる曲者タイプばかりなんだけど・・・笑 

もちろんインドで火吹くやつとか、テレポーテーションできるとか、ニュータイプみたいなやつには遭遇できなかったんだけど、、、

実際はバリバリのファイター気質な人が多い印象だ。
(ラグビー現場だからかな?)

車で追突事故が起きた時、
した側・された側で、めちゃくちゃ喧嘩してる現場みたしなぁ・・・。

キーファクターはリラックス

結局なにが言いたいかと言うと、8人全員の力をあわせて押そう!というメンタルの前に、個人で対面に負けたくない気持ちの方が強くて、仲間の押しがくる前に勝手にそれぞれで勝負しちゃうんだよね。

それのどこが悪いのか?というと言語化するのが難しいのだけど、大きい岩を8人の力を集結して同じタイミングで押すのと、8人それぞれが自分の好きな方向とタイミングで押すのと、どっちの方が岩は動く?っていう話で。

そんなメンタルの選手が多いからこそ、
当時スクラムで使ったキーファクターが「Relux!」

スクラムを組む前にどれだけ落ち着いた状態になれるかが
8人全員で押すための鍵でした。

自我を制御させてチームとしてのスクラムを作るのは、今までのどの現場よりも大変だったかもしれない。とても良い経験になった。
その時、日本で撮りためておいたスクラム動画はイメージの共有に役立ったね。練習動画をストックしておいて良かった、百聞は一見にしかずですね。

実践からの基礎練習

日本では基礎から段階的トレーニングが多いけど、実践ー基礎ー実践の組み立てが、インドではしっくりきたなぁ。

日本人は基礎が大事なカルチャーだからパスを学ばせてから実践練習に行くのが常識なのだけど、実践やらせてパスの重要性を知ってからパスを学ぶのと、取り組み方、目的意識が変わると思うんだよね。

インドはそれが顕著でスクラム組む前にスクラム姿勢なんてやらないよね。
スクラムの基礎練習ってさ、地味で辛いんだから笑

ムッキーまとめ1

<学びのまとめ>

●基本が出来るまでコツコツ繰り返す
●目指すスクラムの姿やゴールを共有してコツコツ練習を重ねる
●キーファクターを使って組む前のマインドセットをおこなう

ムッキーまとめ2


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