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試行錯誤する時間を奪わない

先日、長男(小3)が参加した
プロコーチによる練習会で、

閉会式で1人のコーチが、
指導者や保護者に対してのメッセージとして
言っていたことが
とても印象に残ったので、
記事として書き留めることにした。

そのコーチからのメッセージの
概要はこうだ。

小学生を指導していると、
大人からすれば、

"そうじゃなくて、 こうすればいいのに"
と思うことがたくさんある。

でも、その試行錯誤のプロセスは、
本当に大切なので、

コーチや保護者は、
選手が試行錯誤する機会、時間を
奪うことなく、 見守り、

選手が、 試行錯誤の過程で、
行き詰まってしまい、
独りでは答えに 辿り着けそうにない時だけ、
手を差し伸べて欲しいし、

その時に、その選手にとって、
最も適切な手の差し伸べ方ができるよう、

普段から学び、
多くの引き出しを用意しておいて欲しい。

そのコーチによると、

選手が新たな、
動作(スキル)をできるようになるまでの
過程において、

選手は、
自分がした動作と、
目標となる動作(スキル)との違いを感じ、
次にそれを踏まえて、自分の動作を修正し、

やってみて、
また、違いを感じ、
また、修正し、 、

ということを繰り返しながら、
やろうとした動作(スキル)と、
今の自分の実際の動作との誤差を
段階的に修正していくのだそうだ。

そして、
この段階的修正を経て、
最終的に、
目標となる動作(スキル)を
獲得していくのだが、

このプロセスの過程で、
大人が、 すぐに答えを与えてしまうと、

この試行錯誤しながら、
誤差を修正していく力が 育たなくなってしまう。

また、

大人からすぐ答えが与えられたり、

一から十まで、手取り足取り、
都度都度、細かい指示が出され、
それに従うことに、
慣れてしまうと、

外部からの正解の提示や、
細かい指示がなければ、
自分の動作を修正することができない
選手になってしまう危険性がある。

だから、

コーチや保護者は、
選手が試行錯誤する機会、時間を
奪うことなく、 見守り、

選手が、 試行錯誤の過程で、
行き詰まってしまい、
独りでは答えに 辿り着けそうにない時だけ、
手を差し伸べて欲しい、

ということだった。

「教えすぎはよくない」と言われるが、
その理由について、
このように説明されたのは初めてだったので、
すごく印象に残った。

その後、ネット等で調べてみると、

このことは、
医療のリハビリテーションの分野では、
学術的にも研究・実証され、
実践されているようだった。

動作学習において、
基本となるのは、

やろうとした動作(スキル)と、
今の自分の実際の動作との誤差を、
自分で感じ(”固有フィードバック”というらしい。)、
その感覚を踏まえて、
自分の動作を修正することであり、

指導者などからの、
指摘や指示("付加的フィードバック"というらしい。)は、

その名のとおり、
付加的なものであるのだそうだ。

「教えすぎはよくない」ということは、
何となくわかっていたが、

その弊害や科学的な根拠までは、
理解していなかったし、

選手を指導するときも、
そこまで重大には考えていなかった。

しかし、
このような形で、
情報が頭に入ってくると、

これまでの自分の認識を
「変えなければ!」という
強いモチベーションが沸き起こった。

今回の練習会を見学して、
次の3つの教訓を得た。

1 選手の試行錯誤の機会を奪わない
2 コーチとして身につけた知識や技術は、
  選手が行き詰まったときに使うもの
3 「知ってるよ」と思うことも軽視せず学ぶ

実践しよう。





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