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書籍紹介 「統計(2016年7月号)」

スポーツアナリスティクスやアナリスト、分析について参考になると思う書籍や情報誌を紹介していきたい
▪️バックナンバーだから早めに購入した方がいいかも編

スポーツにおける分析の必要性が高まっている。
コーチングスタッフが経験や勘、精神論だけでなくデータに基づいたトレーニングプログラムを組んで、戦術的指示を出すようになったことで、スポーツアナリストの存在も少しずつ認知されつつある。
その中で「アナリスト」「分析」について記載のあった参考書籍について、少しずつ紹介していきたいと思います。

▶︎「統計」2016年7月号 一般財団法人 日本統計協会

橘図書教材の橘さんからSNSで教えていただいた一冊
即購入して目を通したが、非常に満足いく一冊であった。
もちろん「統計」に関する書籍のため、半分は専門的な統計に関する内容ではあるが、この号については 特集:スポーツを統計科学する ということで計44ページに渡ってスポーツにおける分析と統計について書かれている。
ぜひ購入して読んでいただきたい一冊である。

▪️プロ野球の統計科学

統計学者の 鳥越 規央 氏がプロ野球におけるセイバーメトリクスとデータ革命について書かれた内容だ。競技性や試合数から多くのデータを取得できるプロ野球だが、取得したデータで様々な仮説や事例が紹介され、非常に読み応えがある!
個人的には「犠牲バントの有効性」、「ID野球とセイバーメトリクス」における野球アナリストの分類が非常に食い付いてしまった。
地元には日本一でアナリスト軍団も最先端を行く福岡ソフトバンクホークスもあるので、今後野球を見るのが楽しくなりそうだ!

▪️サッカーにおけるゲームフィジカルデータの活用

立教大学教授の 安松 幹展 氏がGPSなどを用いたフィジカルデータからの分析内容となっている。戦術分析じゃないのかと侮るなかれ、かなりおもしろい!
過去の日本代表のフィジカル分析を行い、1試合における走行距離、強度、トップスピード、スプリント回数などを計測して、世界の各代表と比較している。そこで出てきた面白い分析結果!ボールポゼッション中の走行距離が非常に少ないということ。そこから見えてくる日本代表の課題。。。
ポジショナルプレーなのかストーミングなのか他なのかという戦術的差異はあるかもしれないが、ボールを所持してこそ成り立つゴール型スポーツなので、ボールを保持している時のオフ・ザ・ボールの選手がいかに動いてチャンスを構築するかになるのではないか。
私もラグビーでGPSを使用して試合や練習中のデータを取得し、S&Cコーチとともにフィジカル分析をしていたこともあり、納得の内容であった。

▪️バレーボールのアナリストの役割と実際

仙台大学准教授の 石丸 出穂 氏によるバレーボール界のアナリストの役割について、普段行なっていることとバレーボールでは世界的に使用されている分析ソフト「Date Volley」での分析について書かれている。
日本のバレーボール界ではすでにVリーグチームはどこのチームも2名以上のアナリストがいて、試合中ライブでDate Volleyを入力しているようだ。協会主導で「アナリスト養成講座」も実施しており、方向性がしっかりとできているので、このまま良い方向に進むのではないか。

▪️バスケットボールにおけるデータの活用とその未来

日本ではBリーグも始まり、非常に人気のあるスポーツになったとともに、ビジネスとしても非常に興味のある競技である。
日本バスケットボール協会のテクニカルマネジャーである 末広 朋也 氏が男子日本代表をいかに世界で勝てるチームにするのかをデータが導き出している。身長が物を言う競技だけに、人種的に世界と比較して身長の低い日本がどうやって平等のルールの元にある305cmの高さのゴールにボールを入れるのか。非常に興味深かった!
まだまだBリーグでのバスケットボールアナリストは少ないらしいので、チャンスの場でもあるのではないか。
千葉ジェッツふなばしビデオアナリストである木村氏にこれから注目していきたい。

▪️ラグビートップリーグにおける分析作業

日本ラグビートップリーグの強豪チームであるサントリーサンゴリアスのプロアナリストである 須藤 惇 氏がラグビーにおけるアナリストの一連の業務について書いてくれている。ドローンの採用やデータスタジアム社との連動など、ラグビーアナリストを目指す方には参考になるのではないか。

▪️論考とQ&A

立教大学教授の 山口 和範 氏の論考と中央大学教授の 酒折 文武 氏のQ&A式深掘りがある。
今まで取り上げられた競技ごとにおける分析やデータ活用について、まとめられ、今後のアナリストの未来は明るく、拓いて行くものだと感じられる。AIなどの技術の発達に伴い、ドンドン分析や統計といったものは進化しつつある中で、アナリストはチームに必要不可欠な存在になる。そのアナリストの発展に寄与していく団体として「日本スポーツアナリスト協会(JSAA)」が、統計は統計でも、スポーツに特化した「スポーツ統計分科会」などは今後も引き続き、チェックしていくべきだ。

こんな感じでぜひ読む価値のある関連書籍を紹介していきたい

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