ロジックをロジカルに考えるパラドックスはロジックかしら
こんにちは、るどまいです。先日福岡に行った際に、金木犀ではなく銀木犀というものを教えていただき始めて見ました。大好きな金木犀の相方を知ったような気持ちになり、ふんわり嬉しくなりました。冷え込む日が増えましたね、いかがお過ごしでしょうか。
さてロジカルシンキング。
仕事や生活におけるロジカルシンキング、というものが注目され始めてからだいぶ経ちました。今はお子さん向けの書籍なども多く作られているそうすね。
私の体感とすれば、とりあえず言葉の流行りは過ぎたかな、という印象です。
ロジカルシンキング、日本語に訳すと、論理的思考。必要必要とは言われるものの、何故必要なのでしょうか。
このWhyをとっかかりに、今までの仕事を通して整理してきたことをご案内しようと思います。
難しいことは省きまして、論理的思考がどういうものなのか、これによって何ができるのかは書籍、ネット、セミナーにも溢れていますが、それに比べてじゃあ何故ロジカルシンキングが自分たちの場所に必要なのか、ということが現場でロジカルに考えられていることは極端に少ないな、と感じています。
実はロジカルシンキングとは、実態のないものです。細分化して組み立てる、とか、大前提と小前提がうんぬんかんぬんと言う方がいますが、結局のところ人によってロジカルの心地よさは異なります。それなのに、主観で見た個人がこれがロジカルだロジカルじゃないと言い募るわけです。
私はロジカルシンキングとは、むしろロジカルではなくロジカルであろうとすることに大きな目的があると思います。手法ではなくマインドです。ロジカルマインド、つまりロジカルであろうとするほうがよっぽど大切なのに、ロジカルシンキングという手法のほうに重きが置かれていることの方が多いです。
少し変化球にすると、思考とシンキングは言葉の意味として厳密には一致しません。シンキングは行為ですが、思考は物事です。
カタカナ英語と日本語を併用すると、ズレた定義が横行して、結局ロジカルシンキングは本来言葉を輸入した目的が十分に果たされていないことが起こります。
先に述べたようにロジカルに完璧はありません。人は主観を捨てることはできません。人が変われば受け取り方は違ってしまうのです。
そこで、出来るだけシンプルに、結果に理由をつけて、限られた言葉の中で、筋道を立てようとする、ということが基本構造です。
そしてここが一番重要なのですが、
更なる議論の素材になりうるロジック
が一番良いロジックだと私は思っています。
ロジックは道筋が通そうと思っていれば、とっかかりが見つけやすい。道筋が通そうとしないロジックは道筋をつけることに後戻りしなければならないのです。その後戻りが少なければ少ないほどいいのが良いロジックと言えると思います。
ロジックは情報の入れ物です。受けてはロジックより情報を強く意識するので、情報の間違いとロジックの間違いでは間違いを見つけるのに後者は前者の何倍もかかるのです。
もう一度言葉をひっくり返すと、ロジカルシンキングとは論理とは、言うなれば
想像力 と 言語能力
です。
例えばある書類を作るとします。
他の人がある書類を読んだ時に、初見でも内容がわかる。作る人はなぜその書類を残すのか、わかっているから、その内容を理解するためにはどの項目が必要なのか、どのように繋げればいいかが想像できる。
そのような想像力を身につけることが、ロジカルシンキングに取り組む大事な目的です。
目的を考えれば使う場面がわかります。
ロジカルシンキングを持つこと自体ではなく、なぜ、どんな場面にそれが必要なのかを考えることのほうが、よっぽどロジカルシンキングに近づきます。
ですので、ロジカルシンキングが良いもの、と言葉から入ることはあまり良いものを生まないなと個人的に思っているため、私の仕事ではロジカルシンキングという言葉はほぼ使わないです。
外部セミナーのタイトルにはよく使われていますね。個人的にはロジカルなんとかというセミナーは部下や後輩にはあまりお勧めしていません。本を読み、人と話し、文章を書き、訂正してもらうの繰り返しこそがロジカルマインドへの一番の近道だと考えているからです。
自分がある程度伝えられて、他の方法を知るために受けるのもいいかもしれません。ですがそのセミナーのやり方がその人の使い勝手のいい道具となりえるかはわからないのです。かなりしっかりした目的意識がないと、他人のロジックの手法を自分に馴染ませるのは難しいと私は考えています。
私が他の方の文章を読むのが大好きなのは、興味もありますが、頭への刺激もあるからです。
文章を読み慣れていない方のロジカルシンキングは高確率で養われていません。ロジックで組み立てられた必要な文章は難しすぎて頭に入ってこないそうです。そのような状態で他人のロジカルシンキングを外側からインストールしようとしても、時間がもったいなくなるだけです。
まずは土台から。
ですので、もしロジックか通っていないお話や文章を見たら、暖かくとらえてあげてください。育ってきた環境と言語数が違うだけなのです。
腹をたてる必要も自分を責める必要もありません。もしできるならニッコリ笑って小説の一冊も渡してあげてはいかがでしょうか。
今の世の中材料はたくさんあります。私自身も道半ば。精進したいと思います。
本日はこのへんで。よい金曜日をお過ごしくださいね。
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