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人生という名の本をめくる喜び 「ロマンスは別冊付録」

「誰かの本になれるような人生を送れ」

少々チープなタイトルさえ除けば、ここで描かれてるのは人生賛歌。
身近な人を大切に想うこと、自分らしく生きること。出版社を舞台にした、各人の情熱。
同じような業界に身を置く身として、心が震える作品だった。

とりわけ印象的だったのは、作家兼編集者のウノが発する愛の言葉。

「だから言っただろ? 月がきれいだねって
今も言ったよ 雪がきれいだねって」

「春から夏 夏から秋 秋から冬
いつ変わるかわかる?冬から春になる正確な瞬間が
いつから好きかなんて分からないよ」

ウノの恩師が「本は人の心に足跡を残す」と語ったように、ウノの優しさは主人公ダニ、そして私たちの心を温めてくれた。
そしてダニもいつしか寄り添うように、こうつぶやくのだ。

「ウノが過ごした日々を思った」

ブックデザイナーのソジュンや後輩編集者ヘリン、出版社キョルの面々。
どの「本」をとっても胸を掴まれる、キャラクターに富んだ登場人物ばかりだった。
何百ページもの本の中のたった1行へのこだわりや、「売れる本」と「世の中に出すべき本」。
活字に関わる仕事に身を置く人たちを勇気づけてくれる。

ラブコメとしてのバランス、ファッションやOSTも完璧。
個人的にはヘリンのコーディネートがマネしたいものばかりだった。
要所で流れる「take my hand」はビートルズかと思わせる名曲。
定期的に何度も見返したい、大切な作品になりました。

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