口臭
こんにちは! 前回の自己紹介noteでお話しした「口臭」について、何回かに分けてお話ししていきます。
口臭は非常にデリケートな問題です。 親しい方でない限り、他人に指摘するのは難しいですよね。毎日の診療時にも、口臭があっても、歯周病や虫歯を指摘したり、磨き残しがあることを指摘して、直接、口臭を指摘したりはあまりしません。それくらいデリケートです。
実際、ほとんどの人が口臭を気にしています。日本歯科新聞(2016年6月14日)の調査によると、全国の10〜70代の男女1万人を対象としたアンケートで、自分の口臭が気になったことがある人は、男性で76.2%、女性では85.3%にも上ります。 特に男性では10代の80.1%、女性では30代の89.3%が最も高い
口臭を気にしているのはあなただけではありません。正しく対処すれば、大丈夫です!
口臭の原因:病的要因と生理的要因
口臭には2つの主な原因があります。
病的要因:病気が原因で起こる
その病気を治療すれば、口臭も改善されることが多いです。
生理的要因:原因の病気がない。
食べ物や、生活習慣、睡眠、思考など、色々な要素が関わっているため、解決するには時間や工夫が必要となってきます。
ただ、これらの要因以前に、歯を磨いているつもりでも、実は磨けていなかった、ということもよくあります(笑)。もしかしたら、こちらの方が多いかもしれません。
良い歯磨き粉を使えば良いという事でもありません。歯磨き粉だけに頼るのはあまり効果的ではありません。
歯磨き粉の効果は
日本で販売されている歯磨き粉の成分は、主に「薬機法」という法律で規制されています。 一般的に歯磨き粉は「医薬部外品」に分類されており、虫歯や歯周病の予防や健康維持を目的としているため、治療効果は期待できません。
医薬部外品の歯磨き粉には、虫歯予防や歯周病予防などの効果が期待できる成分が含まれています。いろいろなメディアで宣伝されているような効果も基本的に嘘ではありません。しかし、薬機法により、これらの成分の配合量(濃度)は「予防」の範囲にとどまるように制限されています。これは、誰でも安心して使えるように、副作用が起きないように、安全性が考慮されているからです
例えば、虫歯予防に効果があると言われるフッ化ナトリウム(フッ素)も、濃度が高くなると「医薬品」として扱われるため、歯磨き粉に使用できる濃度は制限されています。人のお口の中はそれぞれです。そのため、状態によっては、十分な予防効果が得られないこともあります。予防効果が得られないということは、虫歯や歯周病の予防にはならない、口臭の予防にはならないということです。
大切なのは、どんな歯磨き粉を使うかよりも、歯ブラシがしっかりと歯面に届いているかです。
それができていないと、せっかく予防効果が期待できるとされる歯磨き粉の効果が歯に届かないということになります。
正しい歯ブラシとは
磨く際の力加減:
歯ブラシの選び方:
うがいの仕方:
歯磨きは「歯ブラシをゴシゴシと力をいれて磨けばいい」というものではありません。 優しく、歯を撫でるような感じで磨くのがベストです。また、歯ブラシ部分の大きさは、小さめがオススメです。想像してください。路地をSUVで走るより、可愛い軽自動車で走る方が走りやすいですよね?お口の中も同じです。奥に行けば狭くなってきます。
最後のうがい、盛大に「ガラガラぺっ」としていませんか?例えば、歯磨き後にフッ素成分を歯に残し、フッ素の予防効果を最大限に引き出すためには、15ccから20ccくらいの水で口をすすぐことを推奨されています。15ccくらいといえば、大さじ1杯位の量です…。(す、少ない…)
私はつい盛大に「ガラガラぺっ」とやりたくなるタイプです(笑)
次回は、病気が原因で発生する「病的問題の口臭」について、詳しくお話ししていきますので、ぜひお楽しみください