【山雅2022レビュー】vs讃岐|J3第22節
この試合の大まかな内容と、山雅の戦い方におけるリスクとリターンについて、振り返る。
2022.8.27
J3 第22節
松本山雅FC
×
カマタマーレ讃岐
※第23節以降は観ていない状態でのレビューとなっています。
前回の対戦:【山雅2022レビュー】vs讃岐|J3 第1節
~スタメン~
~試合展開~
讃岐のビルドアップ
讃岐はビルドアップの際、左IH中村が上がり、3-2-5のような形でビルドアップを行う。
山雅のプレス
山雅は、左IH菊井が出ていく形で、プレスをかける。
試合の流れ
讃岐がうまくボランチを経由し、逆サイドに展開するようなビルドアップができれば、前進することができていた。
逆に、讃岐のボランチを、山雅2トップのルカオ・横山がプレスバックして自由にさせなければ、山雅がうまく守ることができていた。
相手FWとMFの間のスペースをうまく使えるかどうかが重要、と言う話をよくしているが、この試合においても、山雅FWとMFの間で、讃岐ボランチがボールを持つことができるかどうかがポイントとなっていた。
途中から、山雅はシステムを5-2-1-2に変更していたが、試合のポイント自体は大きく変わることはなかった。
讃岐の工夫
後半、讃岐側の工夫として、FW青戸が右サイドに流れて起点を作る、というシーンがあった。
青戸が右サイドでボールを持つことで、山雅守備陣はそちらのサイドに寄り、逆サイドにスペースができる。
そのため、もしサイドチェンジができていれば、讃岐はボールを前へ運んでいくことができていた。
しかし、このシーンでは、青戸は裏を狙うFW松本へのパスを狙い、ボールを失ってしまっていた。
~試合結果~
松本山雅FC 1
35' 横山
カマタマーレ讃岐 0
~ハイライト~
~リスクとリターン~
山雅は押し込まれた状況でも、2トップと菊井は下がりすぎずに、少し前で待っていることが多い。
そのことによるリスクとリターンについて考える。
リスク
まずリスクについて。
サイドの深い位置まで侵入された場合、佐藤とパウリーニョはボールサイドにスライドする。
その分、逆サイドには大きくスペースが空いてしまう。
この状態でクロスを上げられると、クロス自体はDFやGKがクリアしたとしても、スペースにボールがこぼれた場合、讃岐の選手に一方的に拾われ、大ピンチになってしまう。
このスペースでボールを拾われ、あわや失点、というシーンが、この試合だけでも2回あった。(25:43、47:34)
山雅の選手たちがなんとか身体を張って防いでくれてはいる。
ただ、「今のは決めなきゃいけないよな」と思えるようなシュートを相手に打たせてしまっている時点で、かなりハイリスクだと言える。
これは、菊井も守備に参加させることである程度防げるため、菊井を前に残した際の明確なリスクとして考えられる。
リターン
次にリターンについて。
リターンに関しては、当然、迫力のあるカウンターを繰り出しやすい、ということになるのだが、それが結果に繋がっているとは考えにくい。
山雅の得点数を振り返ると、多くの試合では1点しか取れていない。
無得点の試合もぼちぼち存在する。
また、この試合では1点取っているが、相手のキーパーが判断ミスで飛び出してしまったところを決めたもので、ラッキーと言ってもいい得点だった。
まとめ
1点しか取れない、ということは、無失点でなければ勝ち点3を得ることができない、ということ。
無失点でなければ勝てない、という一方で、失点しかねないような、決定的なシュートを自ら許してしまっている。
このようにリスクとリターンを振り返ったとき、菊井を前に残すというやり方は、ハイリスクではあるが、決してハイリターンではないと言える。
今の戦い方では、リスクとリターンが見合っていないのではないだろうか。
~終わりに~
【試合後コメント】名波 浩監督 第22節 讃岐戦 ※無料配信
本当に言ったのか?と思うくらい厳しい言葉の数々。
特に、中山陸に対しての発言。
中山は若い上に移籍してきたばかりで、プレッシャーもあった中での山雅デビューだったはず。
この試合ではプレー機会自体少なかったが、その中で自分の良さを出そうと頑張っていたし、少なくとも悪い印象はなかった。
その中山に対して、そのような言葉をかけるべきではないのでは、と感じた。
中山には、理不尽な言葉はあまり気にせず、伸び伸びと頑張ってほしい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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