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【山雅2022レビュー】vs相模原|J3 第4節

2022.4.3
J3 第4節

SC相模原
×
松本山雅FC

※本ブログ投稿時点で、第8節まで終了していますが、最新の試合についての内容ではありません。
※第5節以降は観ていない状態でのレビューとなっています。

スタメン

相模原(青):4-4-2
山雅(緑):5-3-2

前節からの変更点

  • 3-4-2-1 → 5-3-2

  • 稲福、パウリーニョ、佐藤、小松 → 常田、住田、横山、村越

山雅の守備

前半

相模原はボランチの川上が最終ラインに下りて、両SBが高い位置を取り、3-1-4-2の形でビルドアップを行う。

対して山雅は、5-3-2の形を作り、2トップ横山と村越が相手アンカーの田中を背中で消した状態から、その2トップと左IH菊井で、相模原の3バックへプレスをかける。これがうまくはまり、序盤は山雅がペースを握っていた。

2トップ+菊井で、相模原の最終ラインにプレスをかける。

しかし、13'に先制点を取って以降、このプレスははまらなくなった。相模原はビルドアップする際に、藤原と川上がかなりワイドに広がるようになった。横山と村越は、田中のすぐ近くからプレスを開始するのだが、藤原や川上との距離が遠くなったことで、プレスに時間がかかるようになってしまった。結果として、藤原や川上が、ドリブルでボールを運ぶなり、前線にフィードを送るなり、ポジションを取り直した田中にパスをするなり、自由にプレーさせてしまっていた。

村越が、なかなか藤原まで寄せにいけない。

プレスがはまらない状況は前半終了まで続いていたのだが、横山と村越が、何度も強引にプレスをかけようとしてはそれをいなされ、苦しい展開となっていた。

後半

ハーフタイムで、山雅は村越に代えて浜崎を投入し、フォーメーションを5-2-3(1トップ2シャドー)の形に変更した。2シャドーの菊井と住田が、守備時にはアンカーの田中を挟むように、かつ藤原や川上にアプローチしやすいようにポジションを取っていた。

後半開始時の立ち位置

2シャドーの一人がプレスに行けば、もう一人が田中に寄せる。この形にすることで、前半より守備が機能するようになった。

片方のシャドーがプレスをかけたら、もう一人はスライドする。

ただ、田中がボールサイドに寄っていったときに、シャドーがついて行くのが少し大変というのと、逆サイドに展開された時のスライドがしんどいという、2つの問題があった。

田中までの距離が遠くなり、パスが入ってしまうことも。

そのため、後半途中から、3トップをフラットに並べ、山雅の方からプレスをかけに行くのではなく、相模原が攻めてくるのを受け止める守り方に変更した(おそらく、リードしているからというのもあっただろう)。3トップの中央にいる横山は、とにかく田中にボールが入らないように、パスコースを切り続けていた。

3トップがフラットに並ぶ。

この形にしてから、相模原は攻めあぐね、決定的なチャンスはほとんど作ることができていなかった。

試合結果

SC相模原  1 
40' 藤本
松本山雅FC 4
13' 横山  21' 常田  55' 横山  90+1' 外山

ハイライト振り返り

1点目

試合時間11'41"~

前が浮田に一度ボールを奪われるものの、浮田がドリブルしたところを、住田がうまく左足でつつく。それが横山へ繋がり、ドリブルでゴール前まで運び、そのままシュートを決める。

得点した横山はもちろんうますぎるのだが、村越のランニングによるサポートも良かった。横山のドリブルの方向(右)とは反対の方向(左)に走っていったことで、DF水本が、横山と村越の両方を視野に入れることができなくなったので、うまく対応することができなかった。

村越のランニングにより、水本を困らせる。

もし村越が右に走っていたら、水本・藤原は、ドリブルする横山と、ランニングする村越の両方を視野に入れながら対応できたので、うまく防がれていたかもしれない。

村越が右に走っていた場合、DFは比較的対応しやすい。

失点シーン

39'22"~

横山がプレスをかけようとするが間に合わず、藤原の持ち運びを許してしまう。その藤原から裏へパスが出て、最終的に渡部がクロスを上げ、藤本が得点する。前半の守備の問題がそのまま失点に繋がってしまったシーンである。

横山が藤原に寄せきれない。

ただ、最大の問題は、やはり、外山の戻りが遅かったせいで、藤本にフリーでシュートを許している点である。戻りの遅さについては、この試合に限った話ではない(2節のレビューでは、個人レベルの課題として挙げている)。外山にとっては、いい教訓になったのではないか。

2トップの配置

レビューでほぼ毎回触れているのだが、FWとMFの間にスペースを作ってしまう問題がずっと続いている。山雅は守備時に2トップを前線に残している。このやり方は、メリットもあるが、それ以上にデメリットがあると思う。デメリットとしては次の2つ。

  • スペースを相手に使われ、自由に攻撃を展開される。スペースを経由して自由にサイドチェンジされ、左右に何度も揺さぶられる。

  • セカンドボールを相手に拾われやすくなる。

2つ目に関して、この試合の1点目のシーンを振り返ってみると、住田が浮田からボールを奪う瞬間の選手の配置は下図の通り。

クリアする瞬間

この配置だと、クリアしたボールが、ピンクのエリアにうまく飛んでいった時だけセカンドボールを拾うことができる。しかも、うまく拾えたとしても、相手DFに思い切り体をぶつけられるなり、ディレイされて相手MFのプレスバックを受けるなりして、ボールを失ってしまうことがほとんどである。

そして、クリアボールが図の青のエリアに飛んでいった時は、全て相手に回収され、二次攻撃を受けてしまう。このシーンではイメージしづらいが、例えば相手のクロスをCBがクリアした時は、大体この青のエリアにボールが飛んでいく。

この青のエリアもある程度カバーできるようにするために、2トップの一人はもう少し低い位置にいてほしい。

2トップの一人は少し低めに。

この配置にすれば、青のエリアでセカンドボールを拾える可能性がある程度見込める。少なくともいい形で二次攻撃させることを防ぐことができる。また、相手アンカーを抑えることで、自由なサイドチェンジもできなくなる。ちなみに、この試合の3点目は、菊井が青のエリアでセカンドボールを拾ったところから始まっている。

ピンクのエリアでセカンドボールを拾える回数は減ると思うが、キープはできないまでもある程度粘ってもらい、その間にチーム全体を押し上げることができれば充分だと思う。

J3だから

2トップを前線に残し続けるのは、現状の山雅には、カウンター以外に得点パターンがないと考えているからかもしれない。うまく守ってボールを奪い、主導権を握って攻撃を展開するような戦い方が得意ではない、ということだろうか。

だからこそ、相手にわざと攻め込ませて、守備が手薄になったところを、ロングカウンターで仕留め切る、というようなサッカーをしているのかもしれない。

ただ、J2、そしていつかJ1で戦うとなれば、攻撃面でも守備面でも、圧倒的に質の高い相手ばかりになる。自由に攻撃させれば簡単に失点するだろうし、カウンターを仕掛けようとしてもうまく止められることが多くなるだろう。山雅が今勝てているのは、J3だからなのではないかと、どうしても考えてしまう。

余談

前回のレビューでボランチについての話をしたものの、浜崎といういい選手がいることを全く知りませんでした。試合に出ていないけどいい選手というのはまだまだいるのかもしれません。今年から山雅の試合を観始めたので、プレーしていない選手については分からない状態でブログを書いておりますが、ご理解いただければと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Rubin|山雅blog
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