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【レビュー】vs宮崎|J3 第4節【松本山雅2023】

チャンスは作るが、得点に繋がらない。

そんな試合を、イングランド・プレミアリーグが好きで全試合観ている、戦術オタクな自分の視点で振り返っていきたい。



2023.3.26
J3 第4節

松本山雅FC
×
テゲバジャーロ宮崎



~スタメン~

山雅(緑):4-2-3-1
宮崎(橙):4-4-2


~はじめに~

今回は、攻守において感じたことをざっくり振り返った後、選手の負担を減らすためにできることについて考えていきたい。


※今回は余裕がなかったため、図はなしで、文章のみでの説明になっています。


~守備~

プレス

毎試合のように不安を感じさせる山雅のプレスだが、今回は相手に繋ぐ意思がほとんどなく、ロングボールを多用していたので、プレスに関してはそこまで問題になるシーンはなかった。


SBの背後

その一方で気になったのは、SBの背後を簡単に突かれてしまっていたこと。

SBが前に出て行ってしまい、その背後に走られるシーンが何度もあった。
菊井が行くべきなのに行かないことにより、下川が出ていくしかなく、下川の背後が狙われる、というシーンは特に気になった。

敵陣でハイプレスをかける時にSBが積極的に出ていくのはいいと思うが、自陣で守っている時にSBが簡単に出ていってしまうのは、ちょっと怖すぎる。

SBを釣り出してその背後を狙う、というのは、本来は山雅がやりたいプレーのはず。
それを相手には簡単にやらせてしまっているというのは問題ではないか。


~攻撃~

SBへのサポート

このブログで度々問題視してきた、SB(特に下川)の横に味方がパスコースを作らない、という点だが、この試合では多少改善されていた印象だった。
(まだまだできていないシーンもあるが)

榎本・パウリーニョが外れ、鈴木・喜山を起用したことが影響したのかもしれない。

榎本は相手DFの裏に走ることが多かったが、鈴木は足元で受けたがるタイプで、よく下りてきてボールを受けようとしていた。
また、喜山はパウリーニョよりも味方へサポートする意識が強そうに見えた。

特徴の違う選手が起用されたことによって生まれた変化なのか、サポートしようという指示があったのかは分からない。


前進の仕方の変化

これまでは、主に滝が右サイドで相手SBの背後を取ることにより、山雅の攻撃は前進していた。

だが、この試合では、中央でパスを繋いでいくシーンも割と見られた。

これもおそらく、鈴木・喜山の起用による変化だろう。

榎本やパウリーニョよりも足元の技術があってボールを失わない選手たちが起用されたことで、パスが回るようになったと考えられる。


トリックプレー

鈴木にパスが出た時に、トラップするのではなくスルーしてそのまま味方にボールを流す、というプレーが何度もあった。

何度も、ということは、チームで用意してきたプレーなのだろう。
崩しのアイデアを持たせること自体は悪くないと思う。
(ただ、それよりも、まずビルドアップを改善すべきなのでは、とも思う)


~試合結果~

松本山雅FC      1
65' 菊井
テゲバジャーロ宮崎 1
76' 南野


~すでに限界~

過剰な負荷が失点に繋がる

今の山雅のサッカーは、やっている選手たちは体力的にかなりしんどいのではないかと思う。
相当アグレッシブにプレスをかけるので、負担も相当なはず。

特にSBは大変だろう。
攻撃の時はサイドを駆け上がっていかなければいけないし、守備になったらすぐに後ろまで戻っていかなければいけない。
そしてこれを繰り返さなければいけない。

下川は今のところ山本との併用ができているが、藤谷はどの試合もほぼフル出場している。
失点シーンで藤谷がボールホルダーに寄せられなかったのも、疲れ切っていたからではないか。
藤谷はすでに限界なのではないかと思わせるようなプレーだった。


今の季節で90分やり続けることが難しいとなると、特に夏場はかなりしんどいのではないか、ということは容易に想像がつく。

また、過剰に負担がかかってしまうと、主力選手たちが今後負傷離脱してしまう恐れも十分にある。


負荷を減らすために

負担を少しでも減らしていくために必要なのは、守備の時間を減らし、攻撃の時間を増やすこと。

守備の機会を減らすことができれば、プレスをかけることも、自陣まで戻ることもしなくて済む。


攻撃の時間を増やすためには、当たり前だが、簡単にボールを失わないことが重要になる。

しかし、今の山雅は攻撃を急ぎ過ぎている。
片方のサイドで攻め切ろうとしすぎてしまう。

相手もそのサイドに寄ってきて守備をするわけだから、一見チャンスを作れているように見えても、なんだかんだ守り切られてしまう。
そしてボールを奪われ、守備をしなければいけなくなる。


そのようなボールロストを減らしていくために、横に繋いで揺さぶっていくということができるようになる必要がある。

これができるようになれば、自分たちの負担が減るだけでなく、相手を右に左に走らせることで、むしろ相手の負担を増やせるようになる。


横に揺さぶるためには、当然、ボールホルダーの横にパスコースを作らなければいけない。

SBがボールを持った時のサポートは、改善されたとはいえ、まだまだできていないことも多い。
まずはここを徹底したい。

また、SBの横にサポートが来てくれている場合でも、SBが横ではなく縦に蹴ってしまっているシーンもよく見られる。
横に揺さぶるという選択肢をチーム全体でしっかり持つようにしたい。


横に揺さぶることができるようになれば、ボールを支配することができる。

それだけでなく、横に揺さぶることで相手の守備ブロックを崩壊させることができれば、今よりもずっと質の高いチャンスを作ることができ、複数得点も見込めるようになってくる。

そうすれば、早いタイミングで主力選手を控えと交代させ、休ませることもできるようになるだろう。
これもまた選手の負担を減らすことに繋がるはずである。


~終わりに~

山雅の今後を、自分以上に不安視している人はいないんじゃないかと思うくらい、不安視している。

この試合も、ロングボールが相手に当たって、うまく小松の元にこぼれてきてくれたから得点が生まれたが、やはり攻撃面では物足りない。

もっと意図して相手の守備を崩すようなシーンを増やしたい。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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