【山雅】vs今治|J3第13節【レビュー】
イングランド・プレミアリーグが好きで全試合観ている戦術オタクによる、松本山雅のレビュー。
2023.6.11
J3 第13節
FC今治
×
松本山雅FC
監督・選手のコメント↓
~スタメン~
~はじめに~
攻撃について、まず、問題点を過去のレビューから振り返り、それをこの試合の良かったシーンと比較していきたい。
~過去を振り返る~
2節のレビューの内容を振り返る。
(以下、レビューより引用)
流れの中で相手の守備を崩していきたいのであれば、変化が必要になる。
今の問題は、下川がボールを持った時に、クロスを上げる選択肢しかない、という点である。
だから、他の選択肢を下川に与えてあげたい。
そのためにできることとして考えられるのは、菊井が下りてきて下川からのパスコースを作ってあげる、ということ。
下川が縦に突破してクロスを上げることができるなら、それはそれでいい。
ただ、縦が警戒されている場合でも、菊井がパスを受けることができれば、そこから展開が作れる。
例えば、下川から菊井がパスを受け、右サイドへ展開すれば、藤谷(あるいは滝)が右サイドで仕掛けられる。
サイドの端(図のピンクのエリア)ではなく、より内側(図の青のエリア)からクロスを上げたり、あるいはカットインシュートを狙える。
また、もし菊井に対して相手のボランチが出てきているなら、榎本や小松とのコンビネーションで、菊井が一気にライン間へ侵入できる。
他にも、右サイドに展開すると見せかけて、裏へ抜け出す下川をもう一度使うという選択肢もある。
あるいは、相手が引いて出てこないなら、そのまま菊井が運んでミドルシュートを狙ってもいい。
このように、菊井が下川からパスを引き出すようになるだけで、あらゆる選択肢を持つことができるようになる。
そして、その多くの選択肢の中から、菊井は状況に合わせて正しい選択肢を選ぶことができる。
菊井が前向きでボールを持つことで、自身の力を遺憾なく発揮することができるというわけである。
(引用ここまで)
※3節のレビューでも同じような話をしています。
要するに、サイドの選手に対してサポートを作ってあげる、ということが大事になってくる。
~この試合の良かったシーン~
この試合で良かったシーンが、なぜ良かったのかを見ていきたい。
17:30のシーン(1点目)
滝から菊井がパスを受け、クロスを上げる。
小松がヘディングで合わせてゴール。
菊井のクロスは、触っても触らなくても入ってしまいそうな、絶妙なクロスだった。
小松としても、ボールの軌道をほとんど変える必要がなく、ただ触るだけでよかったので、合わせやすかっただろう。
このようなクロスを蹴ることができたのは、菊井がサイドへサポートに行ったからこそである。
菊井がパスを受け、少し内側からクロスを蹴ることができたからこそ、絶妙なクロスを上げることができた。
滝や下川がサイドの端からクロスを上げるだけでは、このようなクロスにはならなかったはずだ。
例えば、下川がクロスを上げた場合、小松は相手CBと競り合いながら、ヘディングでボールの軌道をしっかり変えなければいけないが、これはかなり難しい。
31:13のシーン
下川→菊井→村越→下川と繋ぎ、サイドを綺麗に崩す。
これも、菊井がサイドへサポートに行ったからこそである。
菊井が中央で待っているだけだったら、このようなコンビネーションは生まれなかったはずだ。
~試合結果~
FC今治 0
松本山雅FC 2
18' 小松 89' 小松
~菊井が活躍する条件~
(再び2節のレビューより引用↓)
今のやり方では、菊井は損をしている。
自分の能力の半分も出せていないのではないか。
菊井は基本的に、ライン間の中央付近にいることが多い。
だが、それだと相手のダブルボランチのどちらかに必ずマークされてしまう。
菊井は山雅で一番の要注意選手であり、ただでさえ警戒されているのだから、このままでは自分らしくプレーすることはできない。
今のところ、菊井は
「守備で頑張れて、時折いいプレーをする選手」
くらいの感じである。
全試合で主役になれるようなポテンシャルを持った選手が、完全に脇役になってしまっている。
それでもチームが強くて勝てるなら問題ない。
しかし、チームは明らかに保持時の攻撃に問題を抱えている。
菊井のポジショニングを修正することで、その問題を改善することができる。
そして何より、菊井が輝くことができる。
(引用ここまで)
「ただ中央で待っているのではなく、サイドへサポートに行くこと」
これが、今のチームで菊井が活躍する条件であり、チームの攻撃が機能する条件でもある。
これを再現性高くできるようになれば、山雅はもっと強いチームになれるはずであり、菊井も選手としての価値をもっと高められるはずである。
~終わりに~
守備は安定していた。
あとは攻撃面でどれだけ改善できるかがポイントになってきそうである。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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