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【山雅】vs長野|J3第10節【レビュー】①

イングランド・プレミアリーグが好きで全試合観ている戦術オタクによる、松本山雅FCのレビュー。



2023.5.13
J3 第10節

AC長野パルセイロ
×
松本山雅FC



※コメントは以下より引用しています。


~スタメン~

長野(橙):5-3-2
山雅(緑):4-2-3-1


~はじめに~

前節終了時点で、山雅は5位。

決して内容の良いサッカーをしていたわけではなかったが、順位表だけを見れば悪くない位置につけていた。
だから、内容の悪さをなんとか誤魔化せていたのかもしれない。

しかし、信州ダービーという重要な試合で、言い訳のできない内容・結果となり、今の山雅のサッカーの酷さを強烈に認識させられた。

パルセイロに対して、山雅はあまりにも無力で、あまりにも勝つ未来が見えなかった。
惜しい試合ですらなかった。

そんな試合を観させられると、応援している自分のことがなんだか情けなく思える。


選手たちは全力で戦ったのかもしれない。
ただ、そう思えないくらい、まず走るべきところで走れていない。
泥臭く戦えていない。

走ること・戦うことというのは、別に山雅でなくとも、サッカー選手なら当たり前のことである。
当たり前のことを、このクラブではわざわざ「山雅らしさ」としてアイデンティティにしているのだから、山雅の選手なら尚更求められるはずである。

でも、それができていない。


「山雅らしさ」「主導権を握るサッカー」
これらを掲げてチーム作りを行ってきたはずだが、どちらも見られない。

完璧なチームにはまだなれなくとも、「これとこれとこれはできるようになったな」「着実に成長してるな」と感じられたら、まだ今後に期待が持てる。

だが、期待が持てるほどの成長をしているようには感じられない。
菊井がドリブル上手くなったかな、という程度である。

自分は今のチームに何かを期待できない。


~監督の試合後コメント~

選手たちはよくやってくれましたが、全ての責任は僕にあると思っています。

これまで雨とか風とか選手の技術不足とか、とにかく何かのせいにすることが多かった監督が、ここに来て急に自分の責任だと潔く認める発言をしていて、違和感を覚える。

これまでの発言が、クラブ内で問題になったりしたのだろうか。


最後に1点取れたのは綺麗な形ではないですが、次に繋がる1点だと思います。これが2-0で終わるのと2-1で終わるのでは全然違います。

次に繋がる1点ってどういうことなのか。
得失点差の話か、それとも気持ちの問題なのか。

もし、やりたい形でビルドアップできて相手を綺麗に崩して得点できた、ということなら、「次に繋がる1点だ」というのも分かる。

しかし、今回の得点は相手がミスしたから取れただけ。
慰めにもならない。


頭ではわかっていると思います。やらなければいけないこと、僕らの仕組み。そういうものはずっと積み上げてきたものがあるので、頭ではわかっていますが、こういう熱量の高いゲームになったときに、普段通りに自分たちがやっていることをできるかできないかが本当の力だと思っています。

熱量の高いゲームだったから普段通りにできなかった、というのが本当なら、逆に他の試合ではちゃんとできている、ということだろうか。

普段通りにできていて、その上で、

FC大阪戦では菊井の個人技による得点で辛くも勝利
富山戦では0-3の完敗

ということなのだろうか。
だとすれば、むしろ言い訳できない状況である。

そもそも、普段やっている仕組みというのは、どういうものなのだろうか。
その仕組みが一体どのように機能して、それによってどのように相手の守備を崩しているのだろうか。

普段やっていると言うからには、ピッチ上で相当再現性高く見られるはず。
でも実際には、まず相手の守備を崩すシーン自体がそんなに多くない。

チームにどのような仕組みがあるのか知りたい。


~選手の試合後コメント~

この悔しい思いを噛み締めて、もっとうまくなって、また強くなって、優勝するというのがせめてものお返しだと思います。

橋内

信州ダービーなので負けられないですが、38試合のうちの一つだし、最終的に頂点にいれば何も問題ないです。

小松

「最終的に優勝(昇格)を」という趣旨の言葉を、去年も何度も目にしてきた。

去年もそうだったし、今年もそうだが、言葉に対して、試合内容が全く伴っていない。
だから、言葉に説得力がない。

去年と同じように試合内容が悪く、去年と同じような発言が出てくる。
そうなると、「ああ、今年も去年と同じような感じになるのかな」と思ってしまう。


~試合結果~

AC長野パルセイロ 2
32' 秋山  79' 山本
松本山雅FC    1
90+3' 小松


~終わりに~

自分は山雅の試合を観るようになってまだ2年目なので、まだまだにわかなのかもしれないが、それでも選手たちに愛着はある。

選手たちには行けるところまで行ってほしいと思う。
J2で戦えるだけの力があるならJ2で戦ってほしいし、J1の力があるならJ1の舞台に辿り着いてほしい。

だから勝ってほしい。
勝って昇格してほしい。

でも戦術が機能しなければ勝てない。
勝てなければ、もちろん昇格できない。

去年昇格できなかったせいで、山雅の選手たちは最低もう1年J3で戦わなければならなくなってしまった。
また同じようなことになってしまうのだろうか。


機能する確かな戦術があるなら、10試合も戦えば選手たちは手応えを感じてくるはず。
しかし、今の試合内容では、手応えを感じていないのではないだろうか。

選手たちはもっと走るべきだし、戦うべきだし、上手くなるべきだとも思う。
それでも、もし選手たちが、
「今のサッカーじゃきついかも」
と感じているのなら、死ぬ気で走って戦うほどの活力は湧いてこないのかもしれない。
その状況の選手たちに対してもっと頑張れと要求するのは、酷なのかもしれない。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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