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【山雅2022レビュー】vs福島|J3第24節

PKストップもあり、辛くも逃げ切った展開となった。
この試合の、福島のビルドアップと、山雅のプレスの物足りない部分について、振り返る。


2022.9.10
J3 第24節

福島ユナイテッドFC
×
松本山雅FC


※第25節以降は観ていない状態でのレビューとなっています。
前回の対戦:【山雅2022レビュー】vs福島|J3第17節


~スタメン~

福島(赤):3-4-2-1
山雅(白):5-3-2


~試合展開~

基本的に、福島がボールを保持する展開になっていた。

福島は、前半20分までは攻めあぐねていたが、それ以降はビルドアップがうまくいくようになっていた。

前半20分までと、それ以降で、どう変わったのかについて振り返る。


山雅のプレス

山雅はいつも通り、IHの菊井(ときどき佐藤)が、福島CBにプレスをかけに出ていく。

山雅のプレス


前半20分まで

試合開始からしばらくの間、福島のビルドアップはうまくいっていなかった。

その理由として、山雅の2トップ、ルカオ・小松の守備が良かった、というのがある。

ルカオと小松が、常にボランチの諸岡・大森のすぐそばに立ち、パスが入らないようにしていた。

山雅FWが福島のボランチをマーク。

ルカオと小松は、福島CBにプレスをかけるという役割も担っていたが、プレスをかけた後、すぐにボランチの位置まで戻り、フリーにさせないようにしていた。

プレスに行っても、すぐ戻る。

結果として、福島側は、強引に縦パスを狙ってボールをロストしてしまう、というシーンが続いていた。

無理にパスを出しても、そこを狙われる。

ちなみに、先制点も、小松がプレスバックして、ボランチの大森からボールを奪ったところから始まっていた

先制点につながるボール奪取のシーン


前半20分以降

前半20分辺りから、福島のビルドアップがうまくいくようになる。

ボランチの諸岡・大森が、顔を出すために細かく動き直すようになった、というのもあり、ルカオ・小松がボランチを潰しきれないことが多くなった

結果として、福島はボランチを経由して、自由にサイドチェンジをしながら攻撃を展開することができていた。

ボランチを使いながら、左右に展開していく。

~試合結果~

福島ユナイテッドFC 0

松本山雅FC     1
4' 外山

~ハイライト~


~福島の惜しい点~

福島のビルドアップについて、気になった点のうち一つ挙げるなら、ボランチがボールを持った時の、CB(特に堂鼻)のポジショニングである。

ボランチの諸岡・大森は、元のポジションから下りてきてパスを受けるシーンが多かった。

ボランチが下りてきて受ける。

このとき、山雅FWは、縦パスを警戒し、中央に絞ることになる。

山雅FWが、縦パスを防ごうと、中に絞る。

すると、その分、サイドにはスペースができる。

CBは、このスペースに上がっていってパスを受ける、ということを増やすべきだったと思う。

山雅FWの横にできるスペースを使いたい。

スペースで受けることができれば、フリーのまま運んでいくことができ、チームとして攻撃のスイッチが入る。
一方で、スペースに上がっていくことなく、元々の位置でパスを受けると、山雅FWのスライドが間に合ってしまい、せっかくのチャンスを活かせない

低い位置で受けると、山雅FWのスライドが間に合うので、運んでいくことができない。

ビルドアップでどのように前進していくか、というところで、福島はまだ少し曖昧な部分もあるのかなと感じた。


~ディテールの甘さ~

山雅のプレスがはまらなくなったのは、もちろん、山雅のプレスのかけ方が甘いというのもある。

気になった点は2つ。


①菊井

一つ目は、プレスの時の菊井の動きである。

プレスをかける時は、基本的には、サイドに追い込んでボールを奪いたい。

理想的なプレスの形

逆に言えば、中央を使わせないようにしたい

そこで菊井の守り方が問題になってくる。

菊井はCB雪江まで寄せに行ったら、満足してそこで止まってしまうことが多い。
ただ、このままだと、右WB田中康介を経由して、ボランチを使われてしまう。

WB経由で、中央にいるボランチを使われる。

そうならないように、WBにパスが入ったときは、菊井は一度下がって、ボランチへのパスコースを切ってほしい

菊井は一度下がって、ボランチへのパスコースを切りたい。

そして、WB田中康介がCB雪江にバックパスしたら、もう一度プレスをかけにいってほしい。

バックパスに合わせて、再びプレス。


②パウリーニョ

二つ目は、パウリーニョのスライドである。

シンプルに、プレスへの連動が見られない場面が多い

パウリーニョがプレスに連動できていない。

プレスをかけるためには、選手たちは前に出ていかなければいけない。
ということは、中央にはスペースができてしまうので、後方の選手たちも連動して、相手選手をしっかりマークする必要がある。

連動できなければ、相手に自由にビルドアップさせてしまうのは当然である。


~終わりに~

【試合後コメント】名波 浩監督 第24節 福島戦 ※無料配信

縦パスを選択しなければ、「色気づいた」と言われてしまう。
縦パスを選択した結果、ボールをロストすると、「単発」「淡白」と言われてしまう。

選手たちが、監督の言葉に振り回されているのではないかと、少し心配になる。



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Rubin|山雅blog
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