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【山雅2022レビュー】vs沼津|J3 第7節

2022.4.30
J3 第7節

松本山雅FC
×
アスルクラロ沼津

※本ブログ投稿時点で、第10節まで終了していますが、最新の試合についての内容ではありません。
※第8節以降は観ていない状態でのレビューとなっています。

スタメン

山雅(緑):4-4-2
沼津(青):4-3-3

前節からの変更点

なし

試合展開

この試合、山雅は3つのシステムを使っていたので、システム毎に振り返っていきたい。

4-2-2-2(試合開始〜)

・攻撃面

沼津は守備時4-1-4-1の状態から、IHが出てきてプレッシャーをかけに来る。

4-1-4-1の守備は、アンカーの両脇にスペースができることが多いのだが、そのスペースで、うまく山雅のシャドー(特に佐藤)がパスを引き出していた。

佐藤がうまくパスを受ける。

ただ、パスを受けてからの展開が難しかった。

4-2-2-2で攻撃をする場合、このチームではSBが上がっていって幅を取ることが多いが、その上がりが間に合っていないことが多かった。

例えば左シャドーの佐藤がパスを受けた時、左SB下川が上がってきて幅を取れなければ、中央のみで攻撃しなければいけないが、相手も当然中央に寄ってくるため、突破が難しい。

効果的なパスの出し先が見つからない。

下川が上がってきたとしても、右SB前が上がってこなかった場合、下川がクロスを上げたときに、ファーサイドで待つ選手がいないので、得点に結び付きづらい。

ファーサイドに誰もいない。

4バックだと、SBが両方とも上がるのはリスクもあり、難しいので、エリア内への選手の入り方は今後の課題だろう。

・守備面

恐らく、後にシステムを変える理由の一つになると思うのだが、中盤の選手を経由してサイドチェンジされ、左右に揺さぶられる展開が続いていた。

小松は前節同様、アンカーの濱をマークする意識は高かったのだが、一度CBにプレスに行った後、濱の位置まで戻るのが間に合わないことが何度かあった。

小松の戻りが間に合わない。

5-2-1-2(前半25分頃〜)

システムを変更し、トップ下の菊井が濱を見る形になる。

菊井が濱をマーク。

ところが、このシステムもあまりうまくいかない。

沼津は、IHが濱の横のあたりまで下りてきてボールを受けにきたり、WGが中に入ってきたり、といった動きをする。

沼津のポジションチェンジ

すると、菊井は濱と、下りてくるIHのどちらを見るか迷って中途半端になり、濱のマークが甘くなってしまう。

ボランチ(特に佐藤)も、IH、WG、空いてしまうアンカー濱のうち、誰を見ればいいのか分からなくなる。

マークが曖昧に。

結果的に、守備がうまくはまらない時間が続いていた。

5-3-2(前半終了間際〜)

再びシステムを変更し、5-3-2へ。

5-3-2

MFやDFのスライドが遅いシーンが複数あったのは気になったが、交代で入った選手もよく走って守っていたのもあり、なんとか試合終了までやり過ごしたなという印象だった。


試合結果

松本山雅FC      1
28' 横山
アスルクラロ沼津 0

ハイライト振り返り

ハイライトに載っているシーンから、気になった部分をピックアップして振り返る。

試合時間69'35"~

沼津FW渡邉がビクトルと1対1になってシュートを打つも、ビクトルがなんとかセーブしたシーン。

69'35"の時点での選手の立ち位置は下図の通り。

69'35"

安在から徳永にパスが入る。常田と大野の間に濱が侵入し、パスを受ける。濱はゴール前に入っていく渡邉にワンタッチでパスを送り、フリーの渡邉がシュートを打つ。

シュートまでの流れ

このシーンで改善すべきだと感じた点を、選手毎に振り返っていく。

菊井
SB安在に対して寄せていくのはいいが、安在がパスを出したら、すぐに元のポジションに戻ってほしい。

パウリーニョ
目の前を濱が走り抜けているのを無視するべきではない。味方に任せていいのかどうか、後ろを見て確認するべきだし、無理そうならしっかりとついて行ってほしい。

濱について行ってほしい。

下川
初めは、FW渡邉を、大野と2人で挟むように見ていた。大野がつり出されて、渡邉を見ることができなくなった時に、下川もスライドして、渡邉のことをしっかりマークするべきだった。

渡邉を絶対にフリーにさせてはいけなかった。

勇気か無謀か

「いい守備からいい攻撃に繋げていきたい」という思いで、勇気を持って積極的にプレスをかけてボールを奪いに行くという戦い方自体は、何も問題はないと思う。ただ、プレスのタイミングを間違えると、その守備は「いい守備」ではなくなる。

そもそも、プレスをかけるというのは、リスクのある行為である。前に出て行く分、背後にはスペースが生まれてしまうからである。

プレスに行けば、スペースが生まれる。

このスペースを使わせないようにするためには、MFの選手が連動すること、DFがラインを上げて陣形をなるべくコンパクトにすることが大事である。

しかし、これらをうまく行えないタイミングがある。それは、「ボールホルダーが前向きでボールを持ち、どこにでもパスが出せる状態の時」である。

いつでも縦パスを通されそうな状況では、MFは連動することができないし、いつでも裏に蹴ることができるような状況では、DFはラインを上げることはできない。

後ろの選手たちがついてこれない。

現状では、このような、無謀に思えるプレスのかけ方が多く、簡単にプレスを掻い潜られることがよく見られる。

山雅は色々なシステムを使用して戦っているが、どのシステムであったとしても、プレスのタイミングを考えなければ、この試合のように守備がはまらなくなってしまうだろう。

余談

プレスのタイミングもそうだが、なかなか守備がはまらない要因の一つとして、ボランチの守備があると考えている。

今季見てきたボランチの選手たちの中には、球際の強さと、周りを見ながら正しいポジショニングを取り続ける能力の両方を、高いレベルで備えている選手はいないと思う。

そこで、大野をボランチで起用する案を推したい。

大野はよく首を振って状況を把握しながら、細かくポジションを取り直すことができる。また、スピードや機動力があり、カバー範囲が広い。そして、ボールを奪い切る力もある。

大野の代わりのCBをどうするかという問題もあるが、大野がボランチとしての守備を身に付けたら、中盤の安定感は間違いなく増すと思う。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Rubin|山雅blog
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