【読書ノート】『ひょうたんの精』
『ひょうたんの精』(『父と私の桜尾通り商店街』より)
今村夏子著
憧れだった"なるみ先輩"の辿ってきた過去を探る物語。
なるみ先輩は、巨漢だった。ところが、神社で出会った女性のお坊さんに導かれ、彼女は自分のお腹の中に七福神を宿すことになり、驚くべきスリムダウンを遂げる。
その後、再び、元の巨漢に戻ってしまう。
なかなか、異色なストーリーで、理解に苦しむので、キーワードをいくつか上げてみる。
①セミを食べる
セミは夏に鳴く昆虫であり、その鳴き声は生命力や季節の移り変わりを象徴しする。また、セミを食べることは身体と心の統一を表し、自然との調和を感じさせられる。
②ひょうたん
古くから農耕文化や自然とのつながりを象徴し、豊かさと実りを表す。また、ひょうたんは成長の過程で形成されるため、自己の成長や変容を象徴する。その形状からは上下のつながりや調和を表す。
物語の主題は何か?
人間は生まれてから絶えず変化を繰り返すひょうたんのような存在なのだということ。変化の中で、こころの平和を守る為には、神の存在が不可欠なのだということなのだろうと理解した。
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